2010年 04月 20日
鉄人とそばめしと
今や『鉄人28号』の街というのが、最も一般ウケするのでしょうか。
そして、街も挙ってこのイメージに沿うように動いているのは確かで、街の振興には一定以上寄与しているようです。
F: 22mm 絞り優先AE: 開放 -0.3EV
この街の多くの地区が、地震により壊滅的な被害を受けたことについては、ご存じの方も多いでしょう。
ただ、三ノ宮など神戸の中心地とは異なる地域であるため、街の復興に関して外部に報じられる機会は限られたといっていいでしょう。
実際、三ノ宮あたりを訪れた人が、復興した表通りを見て「神戸もかなり元どおりになった」といっているのを何度も耳にして、その都度「とんでもない!」と憤るように感じたものです。
実際、長田界隈の更地にはなかなか建物が建たず、この鉄人モニュメントの周囲も長い間工事中でした。
ハイカラといわれ続けてきた神戸の表の姿を、長い間裏で支えてきた街、それが長田なのに。
F: 14mm 絞り優先AE: 開放 -0.3EV
現在、昔あった路地の地区の多くは、新たに建てられた巨大なビルへと変わり、商店もその中に入りました。
長年、神戸市の役人どもの思い通りにならなかった街ですが、地震が見舞ったからこその変貌で、区画も整理されました。
私は旧い街や街並にとても強く惹かれる性質です。
だからといって街が変ることを徒に否定するつもりはありませんが、それには“そこに生きる人と街が有する時の流れ”を伴うべきだとは思っています。
改めて地震というモノの情け容赦なさを想うばかりです。
F: 22mm 絞り優先AE: 開放 -0.3EV
私の幼少期は、まさに『鉄人28号』とともにありましたから、長田のモニュメントについても、それ相応の知識に基づいた一家言を持っているつもりですが、唯一そのポーズのことはさておき、とてもいい結果として結実していると感心しています。
ただ、『鉄人』を目的に長田に訪れた人が、立っている地区を(ついでに)一瞥して、街の全体を判断してしまうことには些かの懸念を感じます。
それは即ち、地震で生き残った他の地区の姿をにわかに変貌させてしまうことにつながらないか・・そんなことをふと想いつつうろついている近頃なのです。
F: 22mm 絞り優先AE: 開放 -0.3EV
最後に・・なんだかんだいっても、所詮は「鉄人より飲み食い」ではないですが、鉄人が生れたのとほぼ同じ頃に誕生したといわれる長田名物「そばめし」。
こんなモノを食しながら麦酒などを飲むのが至福の時であります。
因みにこちらのお店では、これを「グッドライス」と呼んでいます。
訳して「良き飯」?
確かに「そばめし」は美味しいのですが、如何せんB級グルメの星、見た目はよろしくありません。
生れた当時も当然「こんなもん、犬の飯やんけ!」となり、「犬やからドッグ」→「いくら英語でも食べ物に犬はないで」→「引っ繰り返したらグッドでちょうどええわ」となったという話です。
因みに卵はオプションですよ。
絞り優先AE: 開放 -0.3EV