大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(喫茶とgallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

Merry Christmas🌟


大沼の湖面結氷。我が家のマルチンも帰宅。
みなさんすてきなクリスマスをお迎えください🌟

*onlie shop 年末年始のお休み 12/30~1/5

 

 

人生の梅干し


許容量を超えて仕事をすることが続いてたこの数か月、私の一週間の目覚ましはCreepy Nutsが主題歌を歌うアニメ「ダンダダン」。毎週丁度気持ちの疲れのピークが来る朝録画を見て、気持ちを支えてもらった。

分野を区切らず、表現のあらゆる分野でホットなものが好き。だからここ数年、漫画やアニメ界が盛り上がりに盛り上がっていて、とても嬉しい。アニメーション技術の展開は革新的で、「ダンダダン」は色彩設計さんの名がタイトルに大きく出ている通り、すばらしかった。

いつもワクワクしたい。森の中で穏やかな生活を望む夫の希望に付き合ってここにきたものの、私にとっては図書館もレコやも本屋も遠すぎ。コロナ以降は配信サービスが進み、インターネットの恩恵を受ける。友達はそれなりに増えたけど、会うのも一苦労だから、手直に摂取できる漫画、アニメ、音楽、ラジオが心の友だった。

自然の美しさが好きだし、現代美術にも食傷気味で移住してきたから、美と言うことに関しては、研ぎ澄まされた体験ができて感謝しているけど、人が作ったものを見たい気持ちは、それで埋まることはないんだと知った。今を生きている人の表現が、数々の名作を越えてゆくところを見るのは何にも代えがたい喜び。

 


一方僻地のおかげで、古典にも多く触れることができた。古典はやっぱりすごい。特に児童文学の名作は、人生を支えてくれる芳醇な世界。息子のおかげで、自分ひとりでは読めない名作もたくさん読めた。

『飛ぶ教室』(ケストナー、高橋健二/訳、岩波書店)を今読んでいる。ケストナーの代表作だけど、『ふたりのロッテ』や『点子ちゃんとアントン』よりとっつきにくい感じがあり、長らく出だしでストップしていた。

中高一貫の男子校に通い、寮に住むマルチンが、友人たちと過ごすクリスマスまでの日々を描く。マルチンは成績優秀で絵がうまく、家は稼ぎの少ない給費生だ。誰かさんが思い浮かび、すっかり感情移入して、ラストを読んだ蔦屋のスタバで号泣してしまった。

1回目は講談社青い鳥文庫で読んだのだけど、2回目を次男と岩波書店のハードカバーで今読んでいる。あらすじを伝え、まるでお兄ちゃんみたいだね、というと、たちまち気持ちが傾いて読んで読んで、とリクエスト。挿絵と訳が変わると雰囲気がだいぶ変わるのことを味わいながら再読。

男の子たちのけんかの場面や先生へのいたずらでは、息子2大喜び。登場人物の名前が似てる子が2人いるので、マルチンはまるちゃん、と読み替えたり、マチアスはジャイアンみたいだね、と想像しやすいようにしてみたり。

本当はもちろんそのまま読んだ方がいいけれど、今の子供たちが入り込むのが難しい時は、ちょっとした工夫でとにかく入っていってもらえるように。心温まる名作だった。

4年間私の氷河期を支えてくれたクリーピー、今年はとうとう紅白、レコたい。「土産話」の宣言通り。努力を重ねてきた人が目もくらむようなスポットライトを浴びている様子は胸がすく。

ここ数年、もう紅白見るのはやめようかと思うくらい、この時期クリーピーナッツが選にもれることに気持ちを落としていたけど、今年は年末まで嬉しい忙しさ。今日はNHKスペシャル。

個性的なふたりが、「たりないふたり」のままで世界から注目される。こんな夢のある話あるかしら。そのままでいい、自分のままいこう、そう背中を押してもらえる人たちが、まだまだ続いてゆくだろう。

 

今夜も柚子湯

今年の12月はなんだか疲れが取れないな、店じまいの頃色々詰め込みすぎちゃったからかな、と思っていたのですが、群馬の友から今年も柚子が届いてわかりました。そうか、今まで早めに到着していた、この柚子に日々を癒してもらっていたんだ!と。

温泉にも行ってみたりしたんだけど、忙しくなってくるとそうそう行けず、毎日の注文の交通整理でで頭がパンパンになって眠りが浅いという状態が続いて、気持ちが休まらなかったのです。横になってはiPodで水音を流していましたが、脳が興奮状態になりやすく、Offになれずにいました。

柚子を入れたお風呂に入ると芯からあたたまり、香りにもリラックス。不義理をしているのに、毎年送ってくれるNちゃんには心から感謝しています。惜しげなく使って、残りクリスマスまでの発送作業をしっかりできそうです。


今年は春にたかだゆかりさんの大沼さんぽ展、初夏は植田真さんの『おやすみのあお』原画展、盛夏に時川真一さんの「北の旅~森と鱒たち」展、秋に村上勉さんの『かぜにもらったゆめ』原画展と、充実した展示ができました。

いつも応援してくださっている皆様のお力を支えに、こうした原画展を無事終えることができ、心から感謝いたします。DM配布にご協力くださった皆様、置いてくださったお店にも、この場をお借りしてお礼申し上げます。

『かぜにもらったゆめ』原画展については、丁度1年前のお忙しい時期に親切にご対応下さった童心社の皆様のご協力なしには実現しませんでした。お取次ぎいただき、50年近く前に描かれた原画だったにもかかわらず、たまたまタイミングよく、村上さんが絵を整理されていたところだったので話がトントン拍子に進むという奇跡がありました。

来年はまだ交渉中の部分もあるのですが、以下のような予定です。
<2025年展示スケジュール>
4~5月半ば ichiさんの抽象画
~6月 ねこひ収蔵品展
7~8月半ば 工藤千紘さんの絵
~10月上旬 交渉中
~11月末  高濱浩子さんの絵と文

ずっと見て下さっている方には周知のことですが、三月の羊は夫婦二人で営んでいます。もともと焼き菓子屋だった夫と一緒になった20年前までは、図書館で働いており、多少勉強したものの、絵と喫茶は手探りで夢を現実化する作業を続けてきました。何もないから、兎に角熱意だけで突き進み、随分失礼なこともあったかもしれません。

途中子育ても入り、苦手な事務仕事を引き受けながら焼き菓子屋である夫の仕事を手伝うような感じで10年以上自分の分野を小さくポケットに入れて歯がゆい思いをたたみつつ、一緒に「三月の羊」を盛り立ててきましたが、子どもも大きくなった数年前くらいから再び自分のやりたい分野に注力できる状況が開け、今年はそれが花開いたような手ごたえを感じることができました。

2004年に三月の羊に加わって、丁度20年です。決して平たんな道ではなく、もし子供がその道を選ぶなら余程好きでなければ会社員の方がいいよ、と勧めてしまいそうな程ですが、そうしたことがあっても、やっぱりやっていて良かった、と思える場面が、今年は特に数多くありました。

それは、「ここのお菓子が好きです」「お店に来るとほっとします」「来て良かった」というような、お客様からの心からもれた本心を聞かせて頂けたときです。言葉にしなくても、態度でそう伝わってくることもあり、あぁ、良かったなぁと思うことが多々ありました。

20年前には何者でもなかった私も、少しはお役に立てることができるようになったかな、と思うと嬉しいです。

静かに森の片隅で淡々とやっていても、見てくれる人は見てくれる、わかってくれる人はわかってくれる、そして何より、どんなに社会が変化しても、長く同じようにお付き合いしてくれる方がいる。そのような体験を通して、世の中が良いものだと信じられるって、すばらしいことですね。

本当にありがとうございました。

さて、インスタと並走してきた本ブログですが、あと数回書いたら、一旦一区切りとさせていただこうかと思います。アカウントは残しますので、これまでの、展示の記事などは、読むことができます。以前カテゴリーを整理しますと宣言したのに、できませんでした。ごめんなさい。

書きたいことはいくらでもあるのですが、今の私には抱えているものが多く、おざなりになってしまうことが出てきました。マンネリも否めません。14年私の孤独を和らげてくれたねこひ日記を通じての皆様との心の交流は、インスタでは得られないものでしたので、かなり迷いながら続けました。読んでいただいたことに感謝します。

ひとつが終わると、また新しいものが始まる。
それを楽しみにして、次の展開を待てたらと思います。
明日は冬至ですね。一年の禊をして、明日からまた新しい日に飛び込んでゆきましょう!

 

 

冬景色


凍てつく空気がビシビシと肌を刺し、頭が痛いくらい寒いですが、景色には目を見張ります。

雪が降る年の方が暖かく、雪が遅い今年は寒さが厳しいです。


きりっと美しい風景ですね。
12月は日々出荷とご注文受付をしているので軟禁状態ですが、せめて東屋くらいまでは散歩に行きたいもの。薄氷が広がってゆく様を観察中。

今朝は小沼は薄く一面に氷が張った上に雪が降り積もり、雪原が現れていました。


クリスマス前のお菓子のお届けは、18日頃までにお申し込みいただけると助かります。現在ご注文が混みあっており、最短で21日頃の到着となります。定数に達しましたら、25日着までの分は締め切ることがあります。

<12月のお休み>
15・16・24・25・30・31日
この日は出荷・電話・メール対応が滞ります

<1月のお休み>
1~5日と毎週日・月曜日


 

無事終了しました


店舗販売無事終了しました。今年もありがとうございました!


充実した展示で、最後まで皆さんに楽しんでいただけて幸いでした。
今年はインスタの効果か、途切れることなく店が賑わっていたので、特に日が経つのが早く感じました。

前の方の食器を片付けてくださるお客様や、飛ばされてましたよ、と掲示物を届けて下さる方、わざわざタクシーで足を運んでくださる方、30キロ近くの道のりを自転車で毎日のように来てくださった方、信じられない良き心のお客様にたくさん出会いました。

冬に一度ゼロになるようでも、やはり5年経つと、良い気が少しずつ重なって、積み重ねの手ごたえがあります。また来春に向けて静かに雪の中へ。

ここからは通販に専念します。どうぞよろしくお願いします。

三月の羊オンラインショップ
年末年始は12/30~1/5が休み

 

 

12/1 店舗販売最終日・息子1匹の場合


春に息子1が寮へ巣立って、夢中で駆け抜けたあっという間の営業期間でした。3人暮らしにも慣れてきたものの、困った時に息子1がどれほど助けてくれていたかも思い知っています。

辛かった時、そっと支えてくれた息子1。先週は久しぶりに帰ってきたのに、昼ごはんを用意しなきゃ、と店からアワアワ戻ってきた私に焼きそばを出してくれました(涙)。

思えばまだ小さかった頃から、なぜか安定感があり、頼りにしてしまっていい気がしてしまう包容力がありました。重い時もあったでしょう。でも、この15年はそうするしかできなかったから、彼にもいい影響もあったと信じるしかない。

赤ちゃんの時から、手をつなぐとなんだかホッとして、どちらが親かわからないような頼りない私だったけど、何とか巣を出るところまで(時にはカッコウのように他の巣にお世話になりながら)たどり着けたと安堵しています。

お店に来たお客さんみんなが見守ってくださったような子育てでした。学校や学童はもちろん、地域の方、友達。東京でもすごーくたくさんの方に手伝ってもらった子育て、通算一体どれだけの人にお世話になって息子は成人を迎えるのでしょう。

核家族にしては、なかなかないくらいの人数の手をお借りして大きくなったことは、きっと彼の大切な財産となったはず。

兄がいなくなって急成長した息子2は、すごく助けてくれるけど気まぐれだから、頼りにすると肩透かしをくらうのでなるべくカウントに入れないよう心掛けています(笑)が、その代わり、やるとなったらやる時のたくましいことは見惚れるばかりです。

朝ごはんやお昼を自分で作って食べられるまでに成長し、言わなければ自分の分だけやる堂々とした子供らしさが頼もしく、決して無理な重荷を背負わない様子にほっとします。怒られた時と、私が本当につらい時にはそっとお茶を入れてくれる優しい子です。

長らく続けてきた「石や」は、明日をもって卒業することになりました。小学校までにしよう、と親子で話し合ってありました。楽しんでくださった皆さん、ありがとうございました。

明日は店舗販売最終日。ゲーム時間の「取引」で確約した息子2のお手伝いありで、最後まで皆さんに大沼を楽しんでいっていただけたらと思います。アップルパイたくさんご用意してお待ちしてますね!

*冬の間もオンラインショップや道の駅、大沼公園駅隣の観光案内所での販売は続きます。よろしくお願いします。

 

ありがとう

早いもので、店の営業日も残り4日となりました。
皆様にとってどんな一年だったでしょうか。


私にとっては、身近な人との別れが多かった年でしたが、一方で新しい出会いもたくさんありました。

101歳の祖母には、ぎりぎり手を握り合える時に会いに行くことができ、表情は読み取りにくくなっても、最後まで私に何かを差し出してくれようとしている心の温かさや、人が老衰で亡くなるというすばらしいお手本を見せてもらいました。

新しく出会った函館のカフェ・フェルマータのマダムからは、自分が将来喫茶店をしてゆく場合のすてきなお手本を見せていだたきました。

色々な先輩と出会うと、すーっと自分もこうありたいな、というストックが蓄えられ、ぼんやりしていた未来がくっきりしてくる気がします。

もちろんその通りでなくてもOKですが、好きな人たちで描くこの先の未来は楽しいから、意識的にゴールのポジションに置いといたら、無意識がそこへ連れてってくれるかな、と思っています。

私の周りでは、90代に入ってからはそれまで元気に活動的だった人たちでも少し大儀そうになってくることが多かったですが、フェルマータのマダムが連れてきてくださった103歳のお父さまは、お元気にアップルパイとコーヒーをひとり分ご注文されて召し上がっていたので、また良いお手本が上書きされました。

生まれ付いた健康状態や遺伝的なものもあるのだろうけど、そういった方のマインドを自分に落とし込むと気持ちよく生きられそう!という感触があり、遠くのお手本はもちろんですが、実際にそういった方とお会いできる事は本当にありがたいです。

谷川さんや西田さん、鳥山明さん…心の中で近くにいた著名人の方もたくさん逝かれましたが、皆さん一様にかっこいい。お仕事ぶりに惚れ惚れします。悲しいけど、こんなすごいものを見せていただけて、幸せです。

誰かが生きた何かに、他の誰かがふっと出会って、変わって。その変化が、明るい循環として巡ってゆけたら。私も、その循環を創るひとりになれたらいいな、と思います。だって、皆さんから、たくさんのものを受け取ったから。

ありがとう。さようなら





 

 

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