証券会社の手数料の仕組み みんかぶ編集室 2021.12.06 (2021.10.29公開) 株の豆知識 ひとこと解説 手数料は証券会社の大きな収入源です資産管理の管理手数料も増えています証券会社の手数料は総合証券とネット証券で違う総合証券はサポートが充実している分、コストがかかる 証券会社の収入ってどんなもの? 証券会社の営業収益の内訳には、投資家の株式売買取引の仲介に関する(委託手数料)や自己ディーリングで発生する(トレーディング収益)など、様々なものがあります。SBI証券や楽天証券などのネット証券は信用取引の金利や貸株料などで収入を増やしているようですが、これらは円グラフの(金融収益)に含まれます。 総合証券である大手証券会社は、新規発行の株や債券の引き受けや売り出しをする際の手数料収入もあります。この内訳は、アンダーライティング業務におけるIPOの手数料(引受・売出手数料)が大きな割合を占めていますが、アンダーライティング業務と似ているセリング業務での手数料(募集・売出取扱手数料)もあります。 ほかにも自社のために株式売買をするディーラー業務での収入(トレーディング収益)もあります。 資金が豊富な証券会社が取引に参加することで、株の売買が活発になり一般投資家にもメリットがあると言われます。 ただ、その一方で証券会社が自社売買の割合を増やすことで経営が不安定になったり、一般投資家との利害の衝突も起こったりする可能性があることから、保有できる証券の限度額が証券会社ごとに決まっています。 投資家にとって証券会社の手数料収益は費用 また最近では、大手の総合証券会社などはアセットマネジメント業務(資産管理)に力を入れているようです。2014年から少額投資非課税制度(NISA)が始まったこともあり、金融庁は顧客の長期的な資産形成に適した商品販売を促進することなどを証券会社に働きかけています。 また大手の大和証券や野村証券では、プロが運用するラップ口座というものがあります。 資金を証券会社に預け入れ、それをプロが運用しますが管理手数料がかかります。運用資産の2%程度だと言われます。 ただし運用成績が2%以上のプラスであれば問題ないのですが、それ以下では管理手数料がかかり、元本割れになってしまいますので十分注意してください。 証券会社にとっての収入は、一般投資家にとっては費用だということを認識しておくといいでしょう。 総合証券の取引手数料がネット証券より高い理由 証券会社では、株式売買を仲介する手数料がメインの収益となりますが、ネット証券が増加したため、窓口業務も行っている野村證券や大和証券といった総合証券も手数料を値下げしているようです。 しかし、総合証券が手数料を値下げしたからといって、ネット証券と同等というわけではありません。ネット証券と比べ、総合証券は顧客とやり取りを行う営業マンや支店のコストがかかるためです。 総合証券であれば担当者が情報を選別してくれるため有利な取引をすることができます。総合証券の手数料には、そうした情報料も含まれると考えると少し納得ができます。 自分に合った証券口座は? ネットでさまざまな情報が手に入る時代になり「自分には担当者は必要ない」と考える人も増えています。 株取引に必要な知識が十分あり、みんかぶ等が提供するウェブ情報を使って取引できるという人は、ネット証券で割安な株取引をするのがよいでしょう。 ただしネット証券であってもサービスやツールなどさまざまあります。株式売買の手数料が安いということだけで証券会社を選ぶのではなく、総合的な判断で自分に合う証券会社かどうかを選択してください。 なお、みんかぶ証券比較手数料ランキングはこちらから確認できます。 ネット証券 手数料比較&ランキング