泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

死の「自己決定」を疑え

先日の社会福祉士国家試験の問題が某MLで批判されていた。5択で「最も優先されるべき」と規範的に判断が下せるほどに簡単な話ではないと思う。まあ、どれを答えにしたいのかは、わかるけれど。思慮が浅い。「他県から駆けつけた」長男じゃなかったら、答えは…

「老人ホームが内部留保2兆円!」問題のまとめ

たぶん社会保障関係では有名なのであろう教授が「特別養護老人ホームの内部留保2兆円!」といささか興奮気味でブログに記したのは、12月8日のことであった。出た!特別養護老人ホームの内部留保は「2兆円」! (学習院大学教授・鈴木亘のブログ(社会保障の…

「不可解」なものへの批判は危うい

BLOGOSにも載ったみたいだけれど。元記事のほうにリンク。 出た!特別養護老人ホームの内部留保は「2兆円」! http://blogs.yahoo.co.jp/kqsmr859/35789142.html 著者は以前から社会福祉法人の内部留保問題について問題視されており、自分はNPO法人のへっぽ…

絞っちゃいけない雑巾もある

少し前の記事だが、いま読んだ。 税と社会保障の一体改革:社会福祉法人の1兆円の濡れ雑巾を絞れ! −SYNODOS JOURNAL− http://webronza.asahi.com/synodos/2011021600001.html 同じ社会福祉事業を営む者としては、複雑な思いを抱く。我々は社会福祉法人と比…

寄付は「自己満足」と片づけられないために

タイガーマスク運動について、既に書いたけれど、もう少しだけ。 この種の寄付をめぐる賛否は、古くからある問題である。最初は単純に美談化していたものが、時間の経過と運動の拡大とともに「偽善」「自己満足」「ミスマッチ」その他いろいろの批判・指摘を…

寄付をすることであなたも伊達直人になれる?

群馬の児童相談所前に大量のランドセルが積まれていたのは、昨年のクリスマスの朝であった。差出人は伊達直人。 2件目は年明けだった。1月5日。今度は神奈川の児童相談所前にランドセルが置かれた。いっしょに残されていたという手紙にはじめて「タイガーマ…

執行猶予に「障害者」は何を思うだろう

献身介護の夫に猶予判決=「再発防ぐ」と保護観察−妻殺害未遂で裁判員裁判・山口(時事通信) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090909-00000081-jij-soci 寝たきりの妻(60)を殺害しようとしたとして、殺人未遂罪に問われた無職岩崎政司被告(63)の裁…

7月20日はソーシャルワーカーの日

・・・なのだそうな。全く知らなかったが、4月に決まっていたらしい。 手元に資料がある。その文末脚注。 ソーシャルワーカーは、全ての人を(海には国境がない、一つである)、力強く(海にはパワーがある)、かけがえのない存在として(海は人類の母胎である…

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社会福祉法人に係る審査基準 これはなんだ? (とみたの大耳・小耳(改)) http://totutotu.seesaa.net/article/116772762.html 社会福祉事業関連の予算総額に適当な労働分配率をかけて、いわゆる「常勤換算」の職員総数で割ったら、どのぐらいの数字になる…

あえて知らない

知ったほうがよりよい支援ができるかもしれないけれど、知らないままでいるべき他人の生活の領域というのがあるはずだろう。アセスメントに名を借りた暴力が潜む。不気味だ。 ただ、単に知らないということと、あえて知らないままでいることは、傍目には区別…

分配が変えられたとして

昨夜の朝生のテーマは、「新しい貧困」。風呂に入ったりしながら、7割ぐらい見ていた。論争の中で「社会的排除」なんて言葉もちらちらと出ていたが、従来の貧困との違いは明示されたような、されていないような。 相変わらずテーブルの左右に分かれて対立が…

誰が痛むのか?

政府の仕事、民間の仕事 http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20080420/p1 昔、この組織と関わりがあったのである。複数の職員さんにお世話になった。だから、最近の動向を心配している。 例の知事は支持率がまた上がったらしい。彼が自らの「信念」を貫きとおし…

教育が家の中に入りたがっている

少し更新の間隔があいた。とりたてて忙しかったというわけでもないのだけれど。 最近は子育て支援関連の制度やサービスについて勉強したりしていた。これから自分がやるかやらないかはともかくとして、選択肢はたくさん知っておきたいし、障害をもつ子どもと…

やってしまった。

NHKのニュースで「京都で観光に来た障害者の支援をするビジネスを立ち上げた学生起業家」の特集をやっており、どうも納得いかないところがあったので、長々と文章にしていたのに、更新する前にうっかり消してしまった。また気が向いたら書こう。 でも、忘れ…

地域で生きねばならない理由は何処に

養護学校の先生たちを前に、地域生活で必要な力について話してくれと言われたのは数週間前。 レジュメを作りながら、困ってしまった。養護学校というのはまさにそのような力を身につけるために教員が日々努力している場所だと思っていたから。算国理社に力を…

続・支えたい人々

夏休み前で子どもたちと学生ボランティアの需給調整タイムリミットが明日であるにもかかわらず、注文していた「飴玉からわたあめができる機械」が届いたがために、職員みんなで盛り上がってしまい、よせばいいのに夏祭りの予行練習。おかげで、こんな時間に…

支えたい人々

以前にも同じようなことを書いたことがあるかもしれないけれど。 子どもたちや保護者の求めに応じて、うちの法人が学生スタッフを数十人もコーディネートして支援をしている話をすると、おそらく「地域福祉」に熱心な人たちから、「もっと様々な人たちから支…

参院選2007マニフェスト比較

介護保険・障害者福祉関連部分を主に取り出すと、こんな感じです。 まずは野党から。 民主党 http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2007/pdf/manifesto_2007.pdf 5. 介護サービス基盤の拡充 介護保険制度は国民の共同連帯の理念によって成り立つものです。…

学童・コミュニティフレンド

学童クラブ「70人まで」 厚労省が初のガイドライン http://www.asahi.com/life/update/0704/TKY200707040463.html 厚生労働省は4日、共働き家庭の小学1〜3年生の子どもを放課後や休日に預かる放課後児童クラブ(学童クラブ)について、初のガイドライン案…

コムスン

いろいろ言われている。擁護はできない。しかし、すべてを一括りにして「高齢者を食い物」みたいな言い方は少し違うのではないかと思う。 よほど問題がなければ指定取り消しまで行くことはないはずなので、よほど「問題があった」のだろう、ということは言え…

立ち位置

先日書いた日記を、尊敬する冨田さんに紹介いただいた(ありがとうございます>とみたさん)ので、丁寧に応答したいのだけれど、心身ともにかなりへばっており、今は書けそうにない。思うところをうんと手短に書けば、社会全体が変動してきた中でのソーシャ…

ソーシャルワークの境界

養護学校の動き方にふりまわされ、疲れている。 その動きを誘発した子どもの保護者にも、疲れている。 自分がものすごい精力を傾けてきた事業の内容について、ちょっと小耳にはさんだ程度の教員からケース会議を開くと言われて、きっと軽々しく「もっとこう…

総裁選、厚労相、1割負担

厚生労働省:9月8日付閣議後記者会見概要 http://www.mhlw.go.jp/kaiken/daijin/2006/09/k0908.html (記者) 先週末の自民党のブロック大会の中で、安倍官房長官が消費税率の引き上げよりも先に、終末期医療の見直しや介護の適正化を先行させて行うべきだと…

ふれあい大好き堀田力

報道ステーションで認知症高齢者のグループホームの夜間単価の安さについて古館から聞かれた堀田力が「納税者の立場からすると、単純に単価を上げるというのはどうか(大意)」「昼間にもっと活動していれば、人間はよく寝るはず(大意)」など、相変わらず…

ジェット機・・・。

介護保険からみる、小泉民営化の意図 http://www.janjan.jp/living/0509/0509011877/1.php?PHPSESSID=18f8722bfb90c58de46db158da33f562

満足度

精神的にまいっているが、何か書いたら気分転換になるだろうか、というわけで、「福祉サービス利用者の満足度調査」について。 http://d.hatena.ne.jp/grouch_k/20050826/p2 「自己評価」「第三者評価」が先行する中で、「利用者」による評価は後回しにされ…

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けっこう大事な論点だと思うので、トラバ。明日以降に何か書きたい。 http://d.hatena.ne.jp/grouch_k/20050826/p2

外国人介護労働者について

「海を渡ってくる看護師・介護士」(色平哲郎) http://www.yorozubp.com/0507/050715.htm まったくその通り。

SW研究の行方

大学に行って、論文を20本ほどまとめてコピー。休学中もコピーカードが使えるとは思っていなかった。学科の書庫にも入れるし、なんだか休学前と何も変わっていないような気がする。 大橋謙策(2005)「わが国におけるソーシャルワークの理論化を求めて」『ソ…

一息ついて

数日のどたばたが少し落ち着いた。 昨日のスタッフ研修は、まあまあの出来だった。前半を講義、後半をワークショップ形式にしてみた。参加者は8名と少なめ。記録の目的に関する基本的な事項を講義形式で説明した上で、ダダ母著『レイルマン2』の一部を読んで…