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日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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思い出。暴力の連鎖。

「いじめ」のことが頭から離れない。

おとなしい子・何もいわない子が,善良かといえば,そうともいえない。
時には,驚くほど狡猾で,冷たい行動をとる。

腕力やことばの巧みさで教室を牛耳るグループ。
休み時間は特に,授業中も,彼らの行動がこわいグループ。

「寄らば大樹の陰」で,教室では発言力を持たない子供たちは
最初の頃,しょっちゅう担任であるわたしに,「強い」子たちへの制裁を
求めてやってきた。
「力の強い子達が好き勝手にふるまうから授業もよくきこえない。
うるさくて,迷惑だから,先生がどうにかしてほしい」と。

「どうしてほしいの?」ときくと
成績で脅すか,腕力で強制するか,ことばでいいくるめてほしい。
というのが彼らの結論だった。
つまり,自分からは「排除」できないから担任である先生は彼らを
放置せずに「排除」すべきだというのだ。
あくまで自分の手は汚さない。匿名でいたい。

力の強いグループの中の子ども数人が,別々に「弱い」子達にお金をせびる。
5円・10円・20円という単位。
ただし毎日のように,何人もから取り立てる。
「弱い子」たちは,めんどうをおこしたくないから「たった10円くらいなら」と
お金をわたす。

そういう事実が明るみに出て,力の強い,屈強な教員が数人で事情を
調べる。授業の時間を使ってひとりひとり,話を聞きだす。
そうなると,「弱い子」たちは,いっせいに被害を申し出る。
それまでは,担任の問いかけにはいっさいノーコメントだった子達。
それぞれ,「70円とられた」「210円とられた」「弁当食われた」と・・・・
誰に取られたかは明らかではない。
それは担任が調べるしかない。

盗みや授業妨害や,いろいろな事件が重なる。

もう誰が正当なのか判別はつかない。

クラスの子達みんながそれぞれの役目を果たし,殺伐とした教室を
作り上げる。

グループからクラスへ。
クラスから学年へ。
学年から生徒全体へ。
生徒から教員へ。
感情の連鎖。
もちろん反対のつながりもある。
教員の「力」による強制が,隅々にいきわたる。
感じない生徒もいる。
感じない教員もいる。
知らないふりをするものもいる。

これはわたしのちっぽけな体験で,学校すべてがこんなんじゃない。
もちろん。
でも,構造は同じ。たぶん。

今は,こんな状態のところにはいないから,わたしはわたしでいられる。
少なくてもわたしであろうと努力できる。

政治家の皆さん,識者の皆さん,
こんな連鎖をどう断ち切りますか?
子どもの声を聞け!ですか?
サインを見逃すな!ですか?

子どもとの信頼関係をどうやったらつくれるとお思いですか?
自分を壊さずに。
by KATEK | 2006-12-26 21:19