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海外の特定班グッジョブ!たった一枚の写真から遭難者の居場所を割り出し、無事救助につなげる(アメリカ)

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photo by Pixabay

 アメリカ・カリフォルニア州でハイキングをしていた男性が、山火事に巻き込まれ遭難する事態が発生した。

 所持していた携帯電話の充電が切れる直前、男性が友人に送信した写真を手掛かりに救助チームが捜索を開始した。しかしなかなか男性の居場所を探し出すことができない。このままでは男性の命が危ない。

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 そこで保安官事務所は、SNSに写真を公開し情報提供を呼びかけた。すると、「写真から場所を特定するのが得意」というある人物により、見事男性の居場所が割り出され、無事に救助へと繋がった。『Inside Edition』などが伝えている。

ハイキング中、山火事に巻き込まれ遭難した男性

 カリフォルニア州に住むルネ・コンペアンさん(46歳)は、ロサンゼルス国立有林にハイキングに出たが、サンガブリエル山地のマウントウォーターマン地域で遭難した。

 コンペアンさんは、同地域で発生した山火事に巻き込まれ、目印が燃えてしまっていたために方向を見失ったようだ。

 コンペアンさんは自分が遭難したこと、所持している携帯電話の充電が切れかけていることを伝えるため、今の自分の状況を撮影した1枚の写真を添えて友人に最後のメッセージを送った。

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位置情報はオフになっていて、遭難場所の特定が難航

 その写真には、山火事に巻き込まれたとわかるようなコンペアンさんの汚れた膝下が写っており、座っているとみられる彼の足元には、急な斜面の渓谷が広がっている。

 回りに目印となるようなものがないため、この写真だけではコンペアンさんがどこにいるかを判断するのは非常に困難だった。

 友人は、すぐにロサンゼルス郡保安官事務所と救助隊に通報し、助けを求めた。

 早速、救助隊はコンペアンさんの居場所の捜索を開始した。しかし、コンペアンさんは携帯電話に自身の位置情報をオンにしていなかった。

 また彼が友人に伝えたように電池が切れてしまった可能性もあり、救助隊はバックホーンキャンプ場の近くでコンペアンさんの車を発見するも、そこから先の足取りを掴むことができず、夜通しの捜索を続けたが、発見するに至らなかった。

たった1枚の写真から遭難者の居場所を特定したSNSユーザー

 翌13日、ロサンゼルス郡保管官事務所はFacebookアカウントでコンペアンさんが友人に送信した写真をシェアし、ユーザーらに情報提供を呼び掛けた。

 これに目を留めたのが、カリフォルニア州ニューベリーパークの自宅でパソコン前に座っていたベンジャミン・クオさんだった。

 クオさんは、普段から衛星画像を使用して山火事を追跡することや、たった1枚の写真から、どこで撮影されているのかを特定することを趣味としている。

 さすがクオさん、Facebookでシェアされた画像を見て、居場所をすぐに割り出し、保安官事務所に地図の座標を送付した。

 非常に有力とみられる情報を得た救助隊は、その座標が示す場所にヘリで出動。クオさんの予想通り、そこにコンペアンさんがいたのだ!

命を救われたハイカー、命の恩人と初対面

 チラオ・キャンプグラウンドの近くにいるコンペアンさんを上空から発見した救助隊は、念のためにコンペアンさんを病院へ搬送した。

 幸いなことにコンペアンさんの健康状態は良好で、入院の必要はなかったようだ。

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 後日、メディアの計らいで、コンペアンさんとクオさんは初対面を果たした。命の恩人であるクオさんに、コンペアンさんは感謝の言葉をこのように口にした。

36時間遭難して、もう助からないのではと思い始めていました。とても寒くて、あなたが見つけてくれなければ、私の命はなかったかもしれません。

 実は、クオさん自身もハイキングをよくするそうで、コンペアンさんが遭難していた地域の知識が少なからずあったという。

 しかし、それにしてもたった1枚の写真で居場所を特定することができるとは奇跡にに近い。凄腕の特定班だ。

 クオさんは「私は奇妙な趣味を持っているんです」と笑っていたが、それによりコンペアンさんの命が救われたことは間違いなく、捜索に携わった保安官も「調査する価値のあるとても良い手掛かりをくれた」とクオさんの特技を称賛した。

 救助隊や保安官事務所も何度も救助経験があり、それなりの知識を持ち合わせているはずなのだが、一般人の極まった趣味というのは、それを超越する場合があるということだね。クオさんはCIAにスカウトされるかもしれんな。

written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 38件

コメントを書く

  1. プロをうならせるレベルの領域に達している
    謎の素人がいきなり現れてそのままその業界の
    重要人物やアドバイザーになる事例は時々あるね。

  2. 今日学んだこと:ネットの特定班はプロより優秀な人が紛れているので下手に写真は上げないようにしよう

  3. 写真が与作落としを思い起こさせる
    救助が成功で良かった
    クオさんGJ

      1. ※14
        訂正ありがとうございます
        検索して名前確かめたのに間違えた…

  4. これこそ模範的なネットの使い方だよね。
    集団で弱者をいたぶるためだけにネットで場所・住所を特定する日本人とは大違いだ。
    海外だと、日本人のように個人への嫌がらせを目的としたネットの悪用は絶対起こらないないし、そんな事件今まで一度も聞いたことがない。

    1. >>6
      それな
      インターネットは日本人にはまだ早い
      民度や教育水準がまだそれを使いこなせる域にまで達してない上に、そもそも国民性との相性が悪過ぎるっていうのもある

      1. ※20 確かにまったく関係ない話から人種差別に繋げ民度と教育批判までするような奴が居るから中々説得力があるぞお前
        でもまず日本人であるお前がネットをやめよう、自分が出来ない事を他人に求めると説得力が下がるぞ?
        まずはここに書き込むのをやめるところから始めてみようか!

    2. >>6
      どこの国も似たようなもんだよ。
      日本人を特別と思いたがるのは、いろんな感情が絡んでるんだろうけど、やめた方がいい。
      日本スゴイってだけ言いたい人たちと根はいっしょだから。

  5. 奇妙な趣味かもしれんが、山登りよりは人の役に立つ趣味じゃないか?
    というか山登りがろくでもないだけなんだがな

  6. 吉作「今日も岩茸を取りに来ましたウェーイ ! 」
    クオ「特定した」

  7. ニュース映像見たらクオさんアジア系のおじさんだった
    お洒落なマスクをした優しそうな人で、クオ=郭なら台湾系の人だろうか?
    ピンポイントで当てたように書かれてるけど、実際は1マイル弱離れていたようだ

  8. 沖縄戦中にじいちゃんが亡くなった場所から、遺骨は行方不明だったけど周辺で亡くなった人々の遺骨が安置されている場所をネットで調べまくってあてたことがある。

  9. >>携帯電話の充電が切れかけていること

    充電じゃなくて電池ですよ。
    画像にGPS情報を加えて撮影して送信したらもっと早く見つかっただろうね

    1. ※18
      人命救助に役立つ趣味もあればこういう重箱の隅をつついて煽るコメントが趣味の人もいるよね

  10. 写真の背景の山並みと地形データを照合して位置を割り出すアプリとか出てきそう。もう出来てるの?なので写真の山の形状を加工して特定できないように対策してる

  11. この写真の中の何を目印にどうやって特定したかを知りたかったのに書いてなくてがっかり

  12. こういう才能を犯罪に使っちゃう人は極一部で、実は市井の割と身近なところにどんな軍事機密も覗けちゃうハッカーみたいなのが趣味の世界で収まって普通に生活してるんだろうな、などとたまに想像するとなんか楽しい。いざとなったらクオさんみたいに湧いて出て欲しい。

  13. こちらでクオ氏が遭難地点を特定するに至ったプロセスが説明されています。

    ttps://gigazine.net/news/20210421-how-to-geolocate-a-hiker/

    大まかに言えば、当局のアナウンスで山名は既知→エリアの南か北かを植生から類推→衛星画像を数日おきに更新するサイトで地点を絞る→地形描画ツールのあるGoogle Earthで確証を得る、といった流れ。この作業を21分で行ったというからすごい。

    その過程で「直近の山火事によって植生が変わったので、山が今どう見えるかが重要」「コンペアン氏が山火事の影響での風景の変化により道を見失った」旨あり。実際日本でも山火事跡というのは道が荒れていることが多い。

    なのでおそらく記事冒頭の「山火事に巻き込まれた」というくだりは翻訳のミスか。仮にそうであったら、むしろ位置の特定は煙によって容易なはず。

    ・・・んでもってネットの功罪なんぞより、外に出て山に登ろうぜ!

  14. マウンテンライオン(ピューマ、クーガー)2頭、クマ1頭を見かけていたそうなので怖かったでしょうね。なるべく高い位置を選んだがトレイルの近くから絶対に遠ざかってはダメだという助かるための知識と探す知識の合致。
    海外記事では山火事によって壊れてしまっている分岐立札の写真も例として掲載されていて、そういったサインの数々が失われていても道を誤らない準備・知識・技術・慎重がトレイルの難易度にかかわらず必要なんだなと思い知らされます。
    なんだかいつか二人で出かけようみたいな話になっているようで、良い時間が待っているようですね。

  15. これ、特定したのもすごいんだけど、それを信用してすぐ救助隊を派遣したってのもすごいんだよな

    日本でも五頭連峰遭難事件の時とかネットでは遭難状況をかなり正確に推測してた人いたんだけど、捜索隊は見当違いの所探してた

  16. 一芸は身を助ける、とはよく言うけど
    今回は他者を救ったんだねえ。

  17. 第二次ナゴルノカラバフ紛争でも両陣営が上げている動画で戦線が今どこにあるとか特定してる人がいてすごいなーと思いました。

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