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シベリアの永久凍土から3万2000年前のケブカサイの遺体を発見、毛や皮膚、臓器も残されていた

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更新世後期にユーラシア大陸北部に生息していたサイの一種、ケブカザイこの画像を大きなサイズで見る
Photo by:iStock

 シベリアの大地をおおう永久凍土で3万2000年以上氷漬けになっていた子供の「ケブカサイ」の遺体が発見されたそうだ。

 4歳前後で死亡したと思われるこのケブカサイは、右半分は捕食されていたものの、左側は皮膚と毛、臓器も残されていた。

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 更新世後期を生きたケブカサイは、マンモスに次いで巨大な草食動物だったが、今回の発見により、氷河期の生態系をより深く理解する手がかりが得られるかもしれない。

マンモスと同時期を生きた巨大草食動物ケブカサイ

 ケブカサイは更新世後期(12万6000~1万1700年前)にユーラシア大陸北部に生息していたサイの仲間だ。

 当時のシベリアでマンモスに次いで2番目に大きな草食動物頭胴長約4m、体重は3、4トンに達したといわれる。

 現代のサイとは違い、その名の通り厚い被毛に覆われていた。鼻づらには2本の角があり、前の方は特に大きく、現代のサイの角よりも鋭く刀のようなものだったとされている。

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ベンジャミン・ラングロワ氏によるケブカサイの再現図 image credit: CC 4.0. BY SA, Benjamin Langlois, Wikimedia

永久凍土から保存状態の良いケブカサイの子の遺体を発見

 今回発見された3万2000年前の4歳頃と思われるケブカサイの子供のミイラは、2020年8月にサハ共和国を流れるティレフチャフ(Tirekhtyakh)川の岸辺で発見された。

 どのような状況で発見されたのか、詳しいことは不明なままだ。

 だが、ストックホルム大学の進化ゲノム学者ラブ・ダレン教授によれば、その地域には永久凍土に埋もれたマンモスの牙を掘り出して販売する牙ハンターがおり、彼らによって発見されたのではないかという。

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3万2000年の間、永久凍土に閉じ込められていたケブカサイの子のミイラ /Russian Academy of Sciences

若い頃は金髪に近い柔らかな毛皮におおわれていた可能性

 ケブカサイの子の遺体は、右側は保存状態が良好だったが、左側は動物に食べられたらしく、かなり損傷が激しく腸の大半は失われていた。

 背中には、脂肪がつまった最大13cmのこぶがあった。これは北極圏に生息する動物によく見られるもので、エサが乏しい冬にエネルギー源となってくれる。

 意外なのはその毛皮の色だ。

 今回のケブカサイの毛は薄茶色で、その下にはさらに色が薄い柔らかな被毛に覆われていた。

 こうした子供の標本のほか、これまでに発見された標本もあわせて考えると、若いケブカサイの毛皮は金髪に近いほど明るい色だったと考えられるという。

 だが成長するにつれてだんだんと色が濃く、ゴワゴワとした厚い毛皮になっていくようだ。

 なおダレン氏によると、このような保存状態のいい標本に巡り会えるチャンスは、1万回に1回程度の確率であるという。

 それでも毎年のようにきわめて美しい標本が発見されるのは、永久凍土の下にはそれだけ大量の動物が氷漬けになっているからだという。

 今後も保存状態の良い、珍しい絶滅した動物たちの姿を見ることができるかもしれない。

この研究は『Doklady Earth Sciences』(2024年7月1日付)に掲載された。

References: Frozen in Time: 32,000-Year-Old Woolly Rhino Found With Skin, Fur, and Organs Intact / Rare woolly rhino mummies emerge from the permafrost - Ars Technica

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この記事へのコメント 21件

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  1. サイの子供って滅茶苦茶かわいいよね。生きてるところみたかったなあ、毛むくじゃらのサイ。

  2. ダブルコートだったといっていいのかな。ケナガマンモスといいケブカサイといい現代ではゾウもサイもほぼ毛無なんですが、毛は減っていく方向なのかな。も、もしかして人間も同じ方向に・・・
    温暖化で氷河期以来(だと思う)の凍土から冷凍遺物がいっぱい見つかるってのは皮肉な感じがしないでもないです。

  3. 遺伝子技術進めばケブカサイが動物園でも見られるかも
    考えちゃいけないことだが、このサイ食えるのかな
    大量生産出来た日には食したい

    1. シベリアでは永久凍土から掘り出したマンモスの肉を犬に与えていたなんて話もある。本当かどうかは知らないけど。

    2. アフリカいって、かなり原始的な現地住民と仲良くなって、彼らの作ったライオンのジャーキーとか分けてもらえるようになれば、原生のサイくらいは食える可能性あるとおもうけど、この手間を面倒だと思うなら生涯無理だよ。

      ちなみにライオンのジャーキーは死ぬほどまずいそうだ。クソ生臭くて飲み込みこめないとか。

    3. 北方の氷下には巨獣がいて日光に当たると死ぬ、川辺等で傷んでいない肉が得られるがこれを食べると強い解熱作用がある、などと古代中国の書に書いてあるからマンモスでもケブカサイでも昔から食べてたんだろう

  4. 二つ
    「胸腺からクローンが作れないだろうか?」
    ドリーもこれ、細胞が死んでるにしても核がどの程度残ってるかで成功するかも(あるいは耳骨)
    「長い角、漢方薬として食指を動かす国がある」
    そもそもこのせいで犀の密猟が…
    国でなくても中華系、華僑などが掘り起こしにかかるか、クローン(角が大きくなるゲノムから遺伝子編も)に取り組むだろう

  5. 永久凍土の草食動物ってそれ当時は今より温暖だったと言う事でしょうか?

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