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2024-10-14

1枚ペラの「入院のしおり」を作る心根と工夫

ここ数ヶ月、親の病院の付き添い、検査や手術のための短期入院の手伝いがちょこちょこありまして(ちょいと一段落)、病院で渡される書類やら説明資料やらは束となり、院内の各所からは大量の説明を浴び続け、自分が親の年齢になったら、こんなの一人でさばききれない…と、たじろぐこと度々でありました。

で、わが予行演習も兼ねて、親の背後に立っては、いろんな人らの説明を聞きまくり、メモにとりまくり、持ち帰っては情報を整理し、自分がやることと本人(親)がやることに仕分けし、折々に「検査のしおり」とか「入院のしおり」とかを作って、A4紙に印刷して本人に手渡してきました。

その「しおり作成で工夫したこと」、及び「しおりのサンプルファイル」を、インターネットの片隅で共有したい次第(庶民の元来のインターネットの使い方)。

まず、作成上の大前提。しおりは必ず、A4紙1枚ペラ(両面印刷は許容)に収めて、父が携行できるようにする。文字サイズは、老眼鏡がなくても本人が読める10ポイント以上を確保し、これで1枚に収めること。

文字数的にも、行間の確保・レイアウト的にも、もちろん書いてある内容的にも、父が過剰な圧迫感を覚えず、気が滅入りすぎないで、読む気になる、携行して役立てる気を持ち続けられることを重視しました。

むしろ、いくらかは、しおりによって心強さを覚えたり、先々の見通しの良さを覚えてもらうことが、しおり作成の狙いです。

さて、そうするためには、内容量を削ぎ落とすための工夫が必要です。それでも病院側に問題が生じず、本人も困らない、というより安心材料として意味をなすためには、どうするか。思案して実践したところを、ざざっとですが書き出してみます。

1)入院パンフなど、病院でもらった情報・資料から、父には該当しない・関係ない情報を削ぎ落としまくる(例えば、持参するものに「薬・お薬手帳」はいらないとか、本人が気にしない細かな注意点・院内の施設案内とか)。

2)細かいタスクは私のほうで巻き取って済ませ、しおりには載せないようにする。

3)入院前にやっておくことリストは、「入院の前月までに済ませておくこと」と「入院前日にやっておくこと」の2つに項目立てて、箇条書き。

4)一方、入院中の段取りは「入院初日(午前)」「入院初日(午後)」「入院中(標準スケジュール)」というふうに分けて、日ごとでなく意味的に期間を区切って項目立て、情報の詳細度を調整。

あとは、安心感や、良き見通しを持ち続けられるように、

5)「退院」の期間見通しは、ちょっと辛抱したらすぐ出られる感を強調すべく、あえて「入院中」とは分けて項目立てて示す。

6)万一地震など起きてスマホがバッテリー切れしても、父が院内の公衆電話を使って自分で家族に連絡をとれるように、家族の携帯電話の番号、院内の公衆電話の場所を書いておく。

下にざざっと、サンプルファイルに工夫ポイントを書き込んだイメージを置きました(クリック or タップすると拡大表示します)。

Sample_guideforhospitalization

しおりは、自分のために娘が作ってくれたというのも込みで、気丈に気持ちを保つ御守り効果を発揮したようで、折々にしおりを作ってもっていくと、「おぅ、これこれ!」と言って受け取り、ずっと大事に持って、きちんと中身を読んで、活用してくれていました。

もちろん人によって、気にすること気にしないことが違うし、物の覚えとか、自分でどこまで入院準備をできるかとか、後期高齢者ともなると個人差も大きいので、わが父向けに情報構造化された形式がどれほど使えるかはわかりませんが、GoogleDocumentでサンプル化しましたので、たたきとして使えそう・使いたいというタイミングがあったら、ここからコピーしてカスタマイズして使ってください。

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