情報あふれる社会で専門メディアに求めるのは情報量より厳選力
超個人的な読者意見だけど、専門メディアがこんなん記事にして流布しないでくれよーと思っちゃう。情報元の学情より、HRzineというメディアのほうに残念感をおぼえてしまう。
8割以上の26卒がジョブ型採用に興味 「自分の能力や適性を活かせる仕事をしたい」の声—学情調べ┃HRzine
受け取ったプレスリリースを、ほとんど内容に手を加えず載せることは、それが読者の知る機会を作り出しているという媒介価値をもってOKと言えるのかもしれないが。
それなら尚のこと、何を載せて何は載せないかの取捨選択に「超専門的な目利き力」を発揮してほしい。それが私がメディアに期待することなのだけど。記事数を増やすより、良質記事に厳選する時代じゃないのか。
HRzineの記事は、学情のリリースをほとんどそのまま載せている感じだけど、
1)有効回答数305件。貧弱すぎない?
2)キャリア形成について「自身で主体的に選択したいー就職先に委ねたい」の作為性にやきもき。
「就職先が提案してくれる機会を活かしたい」とかなんとか、双方に同等価値を与える質問を練り出して、学生の志向性を尋ねるのがプロの仕事じゃないんかい?
3)ジョブ型採用に「興味ありーなし」の作為性に薄過ぎないかと引く。
いや、「ジョブ型の良いとこと、メンバーシップ型の良いとこ」、あるいは「ジョブ型のメリデリと、メンバーシップ型(年功じゃなく行動主義にアップデートした版)のメリデリ」対比で、ほにゃ型とかで丸めず、それぞれの性質を言語化して訊くならありだけど。上のような訊き方じゃ「今の学生はジョブ型という言葉にポジティブな印象をもっているか」の反応確認に過ぎないじゃないか。
学生はこのアンケート回答行為によって、少なからぬ刺激を受け、「仕事内容が明確」という、ジョブ型のごく一部にすぎない特徴へのこだわりの檻に捕えられてしまう。
ジョブ型なんて、いい大人でもまだ認識がこんがらがっていて、メディアにのっかる言葉も「ジョブ型人事」「ジョブ型雇用」「ジョブ型採用」の分別が曖昧で、採用の話だけ、処遇の話だけしてんのか、包括的に全社的に人事制度改める話してるのか、従業員にどういうデメリットがあるのか理解が進んでいない状況下、学生にこれは乱暴な問いかけに見えてならない。
学情には学情のやり方があるとしても、HRzineが、この先のメディア価値を見据えて何を記事化して発信するか、メディアビジネスは門外漢だけど、キャリア開発支援に従事する一読者として気がかり。
こんな情報あふれた時代を背景に敷いてみると、プレスリリースを取り込んで発信する記事数を増やすよりも、いかに良質な情報に厳選するか、あるいは取材してオリジナル記事を発信するか、そういうとこで頑張ってほしいのだが。素人見解なのだろうか。暑苦しく書き連ねてしまった。
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