2006-01-01から1年間の記事一覧
今年一年間、どんな検索語でここを訪れてくださった方が一番多かったと思う〜? というわけで、滅多に見ることもないアクセス解析を見てみたら、なーんと「アバンチュール」が二位を大きく引きはなしての一位でした。ちなみに二位は「こうの史代」です。 「…
今年の最後にこんなことを書くのは、私の本意ではないのだけど、どうしたものかとここしばらく苦慮していることがあり、やはり、多少すっきりさせて新年を迎えたい気もしてきて、お節料理を作る手をしばし休めて、ここに書いてみる。 苦慮しているとは言って…
このドイツ表現主義の彫刻家の展覧会は、今年いくつか観た展覧会の中ではわりと印象に深いのだが、その印象をどうにも言葉にできないまま半年が過ぎてしまった。しかし、先日の一木彫の「仏像展」以来、バルラハの作品がしきりと思い出されてならないので、…
母の禁じ給いし歌作者: 小澤亜都子出版社/メーカー: 慧文社発売日: 2006/12メディア: 単行本この商品を含むブログを見る教室の先進、小澤亜都子氏の初めての著書が先週の土曜日、ついに上梓の運びとなった。 全221ページ、収録作品13作の堂々たる内容である…
今年最後の美術館かな、と思いつつ、雨の夕方恵比寿へ急ぐ。大荷物の同行者と恵比寿駅から動く歩道上の人となり、恵比寿の喫茶店についてひとくさりしているうちに、クリスマスイルミネーション輝くガーデンプレイスに到着。 三島由紀夫を被写体とした「薔薇…
村上訳を読む。 野崎訳では若い頃から何度も繰り返し読んでいて、再読回数ではこの小説は私の中ではかなり上のほうにランキングされる。 野崎訳は会話文にひっかかるところが時々あって、たまに読んでいる途中で、物語の中からひきずり出されるのが難点では…
そうか、そうか、二巻はこうきたか。壮絶! みんな読んでるだろうな。おもしろい。というわけで待望の『大奥」第二巻。 舞台は一巻の吉宗から時代を遡り、春日局が大奥で権勢をふるう三代将軍家光の代。若い男ばかりが命を落とす謎の疫病が江戸の町を覆いつ…
混雑しているというほどではないのに、熱い会場だった。 会場の誰もが展示された作品に顔を寄せ、至近距離からなめるように隅々まで検分している。鑑賞しているというより各々の「ぼくの小松崎茂」を確認しているかのようだ。小松崎茂というと、真っ先に戦車…
実相寺昭雄 宮内國郎 ♪光の国から僕らのために 来たぞ我らのウルトラマン♪
一木彫(いちぼくちょう)の仏像ばかりを集めた特別展である。国宝の十一面観音菩薩立像(滋賀・向源寺蔵 渡岸寺観音堂所在)が公開される後期を待って訪れた東博は、若冲のときほどではないが、それでもけっこうな人出だった。一木彫というのは必ずしも像の…
昨日は実家の母が送ってくれたグリーンマンゴーをフードピロセッサーにかけ、そこに氷と水とジンを入れてみた。たいへん、たいへんおいしい。実は先日の梨も母から送られてきたものだ。母は私がお酒を飲むのをいまだに良しとはしていないので、こんなことに…
なにかいつもと違うお酒が飲みたいとここのところずっと考えていたのだけど、考えてばかりいてもしょうがないので、一度飲んだことがあるカクテルを自分で作ってみた。プロが作ったものとは全く違うものが出来上がったが、でも、これはこれでいいかも。 梨を…
「アバンチュール……聞いたことあるけど、なんでしたっけ?」 と、ついさっき若い女性に言われて、やっぱり死語だったかと、なにかこれに代わる適切な言葉を捜したのだけど思いつかなかった。あえて言えば「火遊び」だろうか。「火遊び」もアバンチュールに負…
今日も唐突な話 清やんが今朝死んだ。清やんがほんとうは清女さんだというのを知ったのはずいぶん大きくなってからだった。 清やんは小さな人だった。 清やんが生まれ育った家はもうずいぶん前にダムに沈んだ。 清やんのお母さんは狐にだまされて肥つぼのお…
プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展が8月27日に東京での会期を終えた。混雑を少しでも避けようと平日の午後遅めの時間に訪れたのだが、やはりそこそこの混雑。他の展覧会に比べ若い人が多い。会期中の来場者は31万7千人とのこと。 バーク・コレクシ…
一月ぶりに、ひいきにしている魚屋に寄った。 目をひくほど色のいい鯵が出ていたが、悲しいかな少々小ぶりに過ぎる。秋刀魚はよい型のが出ていたが、今日の気分ではない。 今日は刺身ともう決まっているのだ。 よさそうなめばるといさきの刺身が出ているので…
よしもとばななの『キッチン』は、出版された当時、単に吉本隆明の娘さんの小説ということへの好奇心だけで手に取ったのだが、読んですぐに彼女の小説の心地よさにひかれ、その後しばらく『TUGUMI』とか『白河夜船』とか『トカゲ』とか『哀しい予感』とか、…
高校二年生の思い出十七歳の夏。そう聞くだけで、陽光にきらめく水しぶきや、すらりと伸びた肢体を包む夏の涼しげなワンピースや、ひそやかな恋心の成就や、おずおずと手をつないで歩く浜辺や、そんなものが頭の中をぐるぐるする。人というのは、いつまでも…
唐突な話を、突然始める。 艇長の「櫂立て」の号令で、乗員全員がオールを垂直に立てるのが「櫂立ての礼」だ。実習場のある館山の海でカッター訓練をしていると、地元の水産高校のカッターとたまにすれ違う。彼らは礼儀正しい水産健児なので、私たち大学生の…
男性はよく若い女友達のことを、妹みたいなもの、とか、娘みたいなもの、というような言い方をする。ごくごく普通に友人とか知人とか言えばすむような気がするのだが、なにか、それだけでは言い足りないのだろう。 これは男性の方がいつまでも現役でいたいと…
<未来の文学>「ベータ2のバラッド」刊行記念イベント開催! 青山ブックセンター六本木店リニューアルオープン記念イベントinストライプハウスギャラリー 『ベータ2のバラッド』(若島正編・国書刊行会) 『特盛!SF翻訳講座』(大森望著・研究社) 刊…
毎回出席していたし、宿題もちゃんと提出しているのだが、しばらく教室のことを書いてなかった。ここのところ繰り返し、繰り返し、授業のたびに先生がみんなにおっしゃること。 文章というのは、読み手を常に意識して相手に伝わるように。 最近、読み手がわ…
花鳥−愛でる心、彩る技〈若冲を中心に〉@宮内庁三の丸尚蔵館 現在も人気の高い,江戸時代中期の画家・伊藤若冲(1716〜1800)の代表作「動植綵絵」30幅は,美しい色彩,細緻な描写,奇抜な構図等の魅力に溢れ,当館収蔵品の中でも,ことのほか多くの人々に愛さ…
今年も昼企画だけですが行ってきました。 ☆超SF翻訳家対談 ☆異色作家を語る〜国内作家編〜 ☆ウブカタ・スクランブル ☆ワン・ヒット・ワンダー・オブ・SF まずは超SF翻訳家対談。出演:浅倉久志と大森望 司会:高橋良平 という豪華企画。 浅倉さんは三省堂のト…
あれこれ展覧会に通ってみようみまねで作品の前に立っているうちに、少しは「見る力」がついてきたのかもしれない。以前より、脳にまで見たものがはっきり届くようになった気がする。大きな力をもった作品の前に立つと衝撃波が脳を直撃する。これは以前には…
昨年末に応募した第102回文學界新人賞の中間発表があった。昨日発売の「文學界」に一次予選通過者66名の名前と作品名が掲載されたのだ。 自分の名前をみつける。やった、一次予選通過。思わず三省堂の売り場でガッツポーズ!売り場の隅っこにいってもう一度…
入門Haskell―はじめて学ぶ関数型言語作者: 向井淳出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ発売日: 2006/03メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 94回この商品を含むブログ (138件) を見るご縁があって、時々ご一緒することのある向井淳さんの初めての著書…