明日からFuckin仕事始めですが、サラリーマンというもんは「選べないものと選べるもの」という観点で分析するとよく分かるような気がしたので、ちょっと書いてみる。
選べないもの
あなたが今取り組んでいる or これから取り組むであろうお仕事です。
会社員という身分は、「こういう仕事がしたい!」と口に出してもそういった仕事が与えられるかどうかは全く分かりません。最初の配属の時だって希望は聞いてくれるかもしれませんが、それが通る保証はありません。既に会社としての育成計画というのがあってどの部署にどれぐらいの新人が配属されるかは既に決まっています。後は人事部判断により適性があるかどうかという話になります。現場が「この新人が欲しい」という会社は稀なんじゃないでしょうか。
そして配属だけでなく、実際に取り掛かるプロジェクトも基本的には選べません。せいぜい狭い選択肢があるぐらいです。あなたがいる部が抱えたプロジェクトが盛り上がってくれば、可能な限りそちらにリソースをシフトしようとするのは会社として妥当な判断です。我々SIerはプロジェクト単位で仕事が動きますので、アタリのプロジェクトもあればハズレのプロジェクトもあったりします。私も元請けとして上流工程を担当させてもらったこともあれば、どっかの大きな案件へいわれた事だけ基本やっとけ的に売り飛ばされたこともあるります。Javaがやりたいなーと思っていてもよーわからんカオスなレガシー案件だったり、誰も知らない世にも奇妙なパッケージ製品を取り扱うことになったり、なぜかインフラをやったり、営業の代わりに提案書書いたり客先に行ったり、どっかのヤバいプロジェクトのヘルプに突っ込まれたりすることもあります。
我々会社員は、上位の人間が作った「ビジネスモデル」という枠の中を逸脱して仕事を行うことはできないのです。誰かにというか、ある組織体に従属して雇われている以上これは不可避なことです。それがイヤなら自分で会社を作るか個人事業主となるかはたまたフーテンの寅さんのようになるかです。
ですから、自分の会社の組織情報については良く知っておくべきです。多くの場合組織はその会社のビジネスモデルに合うように構築されています。いわば、組織図というのは会社という存在の見取り図みたいなもんです。それを踏まえたうえで、戦略的に自分が求めている仕事を探していって欲しいと思います。部署を選ぶことはキャリア選びです。
また、大企業というのは既に確立された顧客基盤であったりビジネスモデルがあったりします。いわば空母のようなものです。その空母の中には船長もいれば整備士もいれば何もいれば・・・というかんじで役割分担がなされています。言葉は乱暴ですが、あなたはその空母に乗っかり任された役割を全うするだけです。舵をとりてーなと思っても取れる様な所に行くまでが遠い道のりです。小さな企業はそんな空母なんてありません。一人一人がモーターボートの船長だという感覚だと思います。自分でエンジンを整備して、自分でボートをケアして、自分で運転するのです。
あ、あとその会社のルールってのも選べないです。これ以外と重要。
仕事をどうやっていくかは、選べる
いくつかありますが、ひとつは自分が仕事をする態度です。
これは自戒を込めて言いますが、一番良いのはとにかく早く仕事をすることです。なーんだこんなの2時間で出来ると思ったなら、とっとと2時間でやってしまって残った3時間を自分の勉強に当てるとかこっそり同僚とコーヒー飲んでリフレッシュするとか、ヒトに会いに行くとか、そういう時間の使い方をすると良いと思います。無駄に時間を薄める必要はありませんし、2時間で出来る仕事を4時間でやっていると段々と最大速度が遅くなる気がします。力の出し惜しみはする必要はないし、あなたが持っている実力は存分に発揮すべきです。存分に発揮しているかどうかは、その仕事を受け取る方からすればなんとなく感じられるものです。オーラみたいなものがアウトプットに宿ると思ってます。
次に思うのは、楽しむということです。
多くの職場では私語は慎めとか言ってると思うのですが、全く私語がないプロジェクトはハッキリ言ってトラブル案件じゃないかと思います。軽い感じでコミュニケーションが取れないこと自体がプロジェクトを見えなくします。私語は大いに結構。雑談大いに結構。たとえ自分の仕事が単純作業であったとしても、どこかに必ず楽しめるポイントというのがあるはずです。
チェンジビジョンさんのWeb 2.0時代のソフトウエア開発手法という連載を読んでいて思うのですが、彼らの使っているツールは一貫して「楽しめること」という哲学が内包されているように思います。バーダウンチャートにしても、ニコニコカレンダーにしても、KPTにしても。
仕事をする態度というお話で一番好きなのはフィッシュ!―鮮度100%ぴちぴちオフィスのつくり方という本です。
で、もう1つ選べるものがあります。
会社だって選べる
それは、「会社」です。
基本的に転職することはあんまり気が乗らないんですが、自分が求めているものが今いる会社にない、時間がかかる、そういったことはいっぱいあると思います。どうしったて自分の未来図がこの会社では描けないと思えば、もう飛び出してしまえばいいと思います。その時に重要だと思っているのが「Hoping for the best, but preparing the worst」という言葉です。これは最高の状態を望め、しかし最悪の事態には備えよという意味です。
まとめ
ネガティブな要因はいっぱいあるけど、自分がどのように仕事をしていくかは自分が決めて選ぶことが出来ます。私はなるべくリスクの大きい選択肢を選ぶようにしています。そのほうが、自分を深く知れる可能性が高いからです。これもひとつのやり方です。
明日からまた頑張りましょう!
参考文献
- 作者: スティーヴン・C・ランディン,ジョン・クリステンセン,ハリー・ポール,相原真理子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2000/12/19
- メディア: 単行本
- 購入: 32人 クリック: 218回
- この商品を含むブログ (53件) を見る