2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧

2024-10-31

⚫︎吉田豪の配信番組に出ていた茂木健一郎が、「明石家さんまには他者性がない(からダメ)」というようなことを言っていて、さんまへのこのような批判はあまり聞いたことがなかったが、この批評はとても鋭く的確だと思った。 https://www.youtube.com/watch?v=…

2024-10-30

⚫︎『殺しの烙印』(鈴木清順)を久々に観た。今回初めて気づいたのだけど、これだけ突飛なことを色々やりまくって、この映画を作ったことがきっかけで日活を解雇されたという映画なのだが、ほぼピッタリ30分をひとまとまりにした三部形式というプログラムピク…

2024-10-29

⚫︎『羊をめぐる冒険』の後半(講談社文庫の下巻)を読んだ。なんともバランスの悪い奇妙な小説だった。長編小説というより、ひたすら引き伸ばされた短編小説みたいで、この時期の村上春樹の「物語の作れなさ」っぷりが露呈している。物語が立ち上がりそうな気…

2024-10-28

⚫︎下のリンクは、古いカーペットの洗浄動画なのだが、ここで洗浄されているカーペットが素晴らしくて見入ってしまう。これを見るとまさにマティスだと思ってしまうのだが、マティスがやったこととはつまりは、これらオリエンタルな装飾模様と、当時最先端だ…

2024-10-27

⚫︎「笑点」ってすごいな、と。たまたま観たのだが、大喜利で回答者が「朝早く起きたんで、近所の牛乳全部飲んでやりましたよ」と答えていた。え、今のマジ、と驚いた。2024年にこの回答がありなのか。 (この回答のどこが面白いのか、意味がわかる人はどれく…

2024-10-26

⚫︎『羊をめぐる冒険』(1982年)を半分くらい(上下二冊に分かれている講談社文庫の上巻を)読んだ。 VECTIONのきくやさんがウズベキスタンに旅行に行ってきて、会議で、その旅行について、ウズベキスタンの歴史について、羊と山羊の違いについて、遊牧や戦争機…

2024-10-25

⚫︎東海大学で講義・講演。『セザンヌの犬』に収められている短篇のうち一つを選んで、それについて話してほしいというオーダーだった。指定した作品を事前に学生に読んできてもらうので、学生が読んでいることを前提に話してほしい、と。さらに、あまり一般…

2024-10-24

⚫︎「一票の格差」というのは、議員一人当たりの有権者数の違い、ということだけではないと思う。たとえば、強すぎる地盤を持つ世襲候補がいて、その候補とガチで争い得る対立候補をどの政党も立てていない場合、その選挙区の(「地盤」の外にいる)有権者は実…

2024-10-23

⚫︎U-NEXTで『移動する記憶装置展』(たかはしそうた)。なんとなく観てみたのだが、すごく良かった。『にわのすなば』(黒川幸則)と並べて観ると面白いのではないか。『にわのすなば』とは違って、こちらは映像作家がリサーチしてちゃんと映像作品を作る話。 ギ…

2024-10-22

⚫︎U-NEXTで『海に眠るダイヤモンド』、第一話。野木亜紀子の新作ドラマ。実写で『千と千尋の神隠し』でも始めようとしているのかと思うような、やけに規模の大きい作品であることに驚いた。観ているうちに、これはおそらくNetflixに本気で対抗しようとしてい…

2024-10-21

⚫︎個としての行動の合理性と「個の合理性」の集積の結果としてある、集団としての振る舞いの合理性との間には、大きなギャップがある。よく言われる例だが、個が、自分の将来のために倹約と貯蓄に勤しむとする。それは個としては合理的な行動だろう。だが、…

2024-10-20

⚫︎U-NEXTで『エドワード・ヤンの恋愛時代』。公開時に観て、その後、90年代後半にはVHSで何度か観たと思うが、それ以来だと思う。字幕無しのやつをYouTubeで断片的に観たりはしているが。 『牯嶺街少年殺人事件』のような完璧な傑作を作ってしまった後に、い…

2024-10-19

⚫︎実家の庭でとれた柿(まだ青いのから熟れたのまでの色のバリエーション)と、柿の木。子供の頃、家の庭の柿は渋柿で、干し柿にしないと食べられなかったと思うのだが、今、とても甘い柿がとれる。渋柿の木が甘柿の木に変わることなんかあるのだろうか。それ…

2024-10-18

⚫︎東海大学で25日に講義をします。東海大学は地元だけど行ったことがない。子供の頃、父親の車に乗せられて、東海大学の野球練習場に大学生時代の原辰徳を見に行った記憶はある。 www.u-tokai.ac.jp ⚫︎講義のためにスライドを作っていた。「ライオンは寝てい…

2024-10-17

⚫︎来週、大学の授業にゲストで呼ばれて、自分が書いた小説について話しをするので、そろそろちゃんと準備しないとと思って、学生に事前に読んできてもらうことになっている「ライオンは寝ている」をあらためて読み返した。 この前の、保坂さんの小説的思考塾…

2024-10-16

⚫︎多くの人文系、批評系の人が問題にしている資本主義というのは、ハイテクや情報技術産業を含んだいわば高度消費社会としての資本主義だと思うけど、問題なのは、というか、今、世界を覆い、とんでもない格差と理不尽を作り出しているのは金融資本主義であ…

2024-10-15

⚫︎映画って本当にすごいな、と思う。と同時に、あまりにすごすぎて人間の感覚では捉えきれない、人間は映画のすごさに耐えられない、とも思う。 おそらく2018年に4Kで修復されたやつだと思われる小津の『浮草』がYouTubeにあって、なんとなくクリックしてみ…

2024-10-14

⚫︎文房具絵画(combo)。 オリジナル。いろがみ(両面色付き)を、ちぎって、折りたたんで、組み合わせて、ラミネート加工した。 combo。上の作品をスキャンした画像の「部分」を、iMacのモニター上で複数重ね合わせて、スクショした。 (だいたい、50から60パタ…

2024-10-13

⚫︎突っ込まれてもこれ以上の精度が出ない雑な言い切りだがメモとして。フィクションの問題とはつまりは「再帰性」と「比喩」の問題なのではないか。比喩が成り立つから再帰性が可能になるのか、あるいは、再帰的構造の成り立つところ(というか、再帰的現象が…

2024-10-12

⚫︎選挙で白票(立候補者拒否)制度ってできないのかな。ある選挙区で、白票投票数が全有権者数の何割かを超えた場合、その選挙区から立候補している人全員落選で、それ以外の候補者を改めて立ててもう一回やり直し、みたいな。二回くらいまでは「チェンジ」を…

2024-10-11

⚫︎県立図書館では、ネットで予約すると郵送費こちら持ちで本を郵送してくれる(返却も郵送でオーケー)。今までは、10冊借りるとゆうパックの郵送費880円ということが多かった(大きさや重さによってもう少し安いこともあった)が、今日届いた荷物は着払い額が11…

2024-10-10

(一昨日からの続く。町屋良平「小説の死後―(にも書かれる散文のために)―「批評」しやすい吉井磨弥、「批評」しにくい青木淳悟」(「群像」11月号)を読んだ。) ⚫︎この文章には、「不可逆的な変化の向こう側への遡行」を通じて、「自分を新たに組み直す」という…

2024-10-09

(昨日からの続き。町屋良平「小説の死後―(にも書かれる散文のために)―「批評」しやすい吉井磨弥、「批評」しにくい青木淳悟」(「群像」11月号)を読んだ。) ⚫︎「何を書くか」なのか「どう書くか」なのかという偽の問題がある。どう考えても、「このように書い…

2024-10-08

⚫︎町屋良平「小説の死後―(にも書かれる散文のために)―「批評」しやすい吉井磨弥、「批評」しにくい青木淳悟」(「群像」11月号)。とても面白かった。「小説」について書かれた文章がこんなに面白いのはとても稀なことだ。 「批評」や「人文系の本」を読んでい…

2024-10-07

⚫︎竹中優子「ダンス」(「新潮」11月号所収)。 とてもよかった。書き出しから最後まで、滞ることなく、一定の充実を保ったまま、 滑らかに流れていくような文章。淡々とすすみ、特に大きく盛り上がるようなところはないが、逆に言えば、すべての場面が等しく…

2024-10-06

⚫︎文房具絵画(combo)。 (ギャラリーの壁いっぱいくらいのサイズにプリントアウトして、これらに取り囲まれたら、けっこう身体的にクラクラくると思うのだが。) (とはいえ、もともと「いろがみ」をちぎったサイズのものを安いスキャナーでスキャンしているの…

2024-10-05

⚫︎U-NEXTで『鉄オタ道子、2万キロ~秩父編』を観ていたら、「こちらもオススメ」というところに『おやじキャンプ飯~京都編~』というのが出てきて、なんとなく観たのだが、これが素晴らしかった。 (「鉄オタ、道子」も面白かった。たとえば、小さな川にかか…

2024-10-04

⚫︎『ダンダダン』1話、観た。まったく知識がないのだが、なんか久々にすごいのが始まった感。湯浅政明が苦手なので、最初の方にチラチラッとあるサイエンスSARUっぽいにおいがちょっと気になったが、そのうちそんなことはどうでも良くなった。 検索してみた…

2024-10-03

⚫︎Gensparkという、AI検索エンジンで「セザンヌの犬」というワードで検索してみたら、9月28日の時点では下のようになった。面白かったからスクショしておいた。 セザンヌのアトリエに犬がいたというの事実なのだろうか ? セザンヌが犬を主題にして描いた絵の…

2024-10-02

⚫︎唐突なことだが、図書館で『深夜百太郎』(舞城王太郎)の上下巻を借りてきた。上下二冊で、百物語風に怪談が百篇収録されている本。棚にあったのをなんとなく手に取って、一つめの話「アナタタ」の最初の部分を読んで、まるで自分が書いたかのようではない…