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【第37回東京国際映画祭】グランプリは日本映画「敵」が受賞。最優秀監督賞、主演男優賞と3冠。

 

アジア最大級の映画の祭典、第37回「東京国際映画祭」がきのう6日に閉幕したが、クロージングセレモニーで、各部門の受賞作品の発表・授与が行われ、吉田大八監督の「敵」が、最優秀監督賞、主演男優賞(長塚京三)と東京グランプリ/東京都知事賞の3冠を達成した。

審査委員長トニー・レオンからトロフィーが授与された。日本映画がグランプリに輝くのは、第18回の根岸吉太郎監督作「雪に願うこと」以来じつに19年ぶりの快挙。また長塚京三は79歳で、東京国際映画祭主演男優賞史上最高齢で受賞を果たした。

主演女優賞は「トラフィック」のアナマリア・ヴァルトロメイが、審査員特別賞は「アディオス・アミーゴ」、最優秀芸術貢献賞は「わが友アンドレ」、観客賞は「小さな私」がそれぞれ受賞した。

■第37回東京国際映画祭・各賞受賞作品・受賞者は以下の通り。
<コンペティション部門>
■東京グランプリ/東京都知事賞:「敵」(日本)
■審査員特別賞:「アディオス・アミーゴ」(コロンビア)
■最優秀監督賞:吉田大八監督(「敵」、日本)
■最優秀女優賞:アナマリア・ヴァルトロメイ(「トラフィック」、ルーマニア/ベルギー/オランダ)
■最優秀男優賞:長塚京三(「敵」、日本)
■最優秀芸術貢献賞:「わが友アンドレ」(中国)
■観客賞:「小さな私」(中国)
<アジアの未来 作品賞>「昼のアポロン 夜のアテネ」(トルコ)
<東京国際映画祭 エシカル・フィルム賞>「ダホメ」(ベナン/セネガル/フランス)
<黒澤明賞>三宅唱、フー・ティエンユー
<特別功労賞>タル・ベーラ

・・・
■「敵」のストーリー:
大学教授の職を辞めて10年、妻に先立たれた77歳の渡辺儀助(長塚京三)は祖父の代から続く日本家屋に暮らしている。料理は自分で作り、晩酌を楽しみ、たまにわずかな友人と酒を飲み交わし、教え子を招いてディナーを振る舞ったりする。

預貯金があと何年持つか、何年生きられるかを計算しながら、日常は平和に過ぎていった。もうやり残したことはないと遺言書を書いたそんなある日、パソコンの画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくる。

出演は長塚京三のほか、瀧内公美、河合優実、黒沢あすか、中島歩、カトウシンスケ、髙畑遊、二瓶鮫一、髙橋洋、唯野未歩子、戸田昌宏、松永大輔、松尾諭、松尾貴史など。

www.youtube.com【コメント】
▼最優秀男優賞受賞「敵」長塚京三
『敵』という映画は、年を取って一人ぼっちで助けもない。そして敵に閉じ込められるという内容。でもこういう場に立たせてもらい、結構味方もいるんじゃないかと気を強く持ちました。(中略)もう少し、この世界でやってみようかな。東京国際映画祭、ありがとう。味方でいてくれた皆さん、ありがとう。
▼最優秀監督賞受賞「敵」 吉田大八
この小さな映画を誕生から旅立ちまで見届けてくれてスタッフや俳優の皆さんに感謝しています。私自身がいい監督であるかはわかりませんが、この映画がいい映画になったことは確かです。ありがとうございました。
▼東京グランプリ/東京都知事賞受賞「敵」 吉田大八(監督)
審査員の皆さま、ありがとうございます。10日間映画祭を支えたスタッフの皆さまもありがとうございます。私自身もこの映画祭で多くの映画を観ることができました。(中略)これからも映画をよろしくお願いします。
▼審査委員長 トニー・レオン総評
東京国際映画祭と審査委員の同志に感謝を伝えます。素晴らしい審査員たちにも感謝します。今回、審査委員長という立場に大変緊張しました。当初は、いい映画に出会えなかったらどうしよう、逆にいい映画ばかりだったらどうしようとハラハラしていました。でも、審査委員全員一致でこの素晴らしい作品を見つけることができました。近い将来、またこの東京国際映画祭に来ることが出来る日を楽しみにしています。

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