東武10000系とは、東武鉄道が保有する通勤型電車である。
尚、同系のマイナーチェンジである10030系・10080系についても、記述する。
2020年現在、東武の系式呼称が公式で変化があったため10000系を広義(つまり原型だろうが30系だろうが80系だろうが全部10000系)とし、狭義に10000型、10030型、10080型のグループ分けになっているので概要以下は各自脳内変換して頂けるとありがたい。
昭和58年、9000系で得たノウハウを基に、経済性の高い地上線専用車両として『東上線』で営業運転を開始した。
当時の東武は、7800系等の旧性能電車が未だに都心部へ乗り入れていた状態であり、既存の8000系の後継車として、旧性能電車の代替新造という形で徐々に数を増やしていった。
性能面では、高出力の主電動機(140kw/h)とオールステンレス車体による軽量策で8000系同様MT比1:1を実現しており、直並列50数段によるバーニア抵抗制御と界磁調整回路のチョッパ装置によるバーニア界磁チョッパ制御としており、回生ブレーキを可能としている。
ブレーキ装置も、9000系を踏襲し電気指令式となり、常用7段と非常制動の計8段階指令を行う。
台車は東武お馴染みの、住友金属製の高価なミンデンバネ台車である。9000系の設計実績を活かし、剛性、ランニングコストの低廉に優れた物となっている。
現在の営業運転最高速度は時速100km/hとなっているが、通勤用としてはかなり低めな歯車比も相まって、設計最高速度は8000系同様の時速110km/hとなっている。起動加速度は2.5km/h/s、定格速度は約47km/hとし、定加速度領域を広めに取り、郊外区間向けの設計としている事が大きな特徴である。
※余談:まだ回復運転の実行にうるさくなかったころは、夕刻等の遅れ時に110km/h走行を行っていた事がしばしばあった。
また、日光線の使用を考慮されており、抑速ブレーキを装備する。
同時期に落成された他社の車両同様、当初から冷房装置を搭載しているが、かなり強力な分散クーラーを装備している事がこの車両の特徴といえよう。8000系や9000系と同様42000kcal/hを叩きだす計4つの分散クーラーは、スポット式風道と相まって、非常に強烈な冷風を客室に送り込む。
館林や太田、栃木が例え38℃を超えたとしても、10000系の車内は快適そのものである。尚、このような強力な風道を持つためなのか、補助送風機は設置されていない。
座席は近郊輸送を行う事も考慮し、クッション性に優れた物を採用。若干8000系よりも奥行きが浅いが、充分快適な物となっている。また、ドア装置も静粛性に優れた物を採用し、ピニオンドアとは思えないくらい、静かに開閉する。
貫通扉や、床板、側引き戸、字幕式行先表示器等は他社でもよく見られるような、汎用的な作りとしている。
運用が多岐に渡るため(特に本線所属車)、側面の字幕ロールがとってもとっても長いのは内緒の話だ。
※東武日光や東武宇都宮、伊勢崎等の行き先に、普通・準急・区間~等の種別が全て分れるため。
製造を進めていく過程で、ステンレス車のスポット溶接技術が高度化し、コルゲートのような外板強化を必要としなくなった事から、デザインをスッキリさせた、マイナーチェンジ版の10030系へと製造を移行した。
性能に違いは無く、
また、10030系自体も製造年によって徐々にマイナーチェンジを重ね、
更に、マイナーチェンジを重ねた車番が51以降の車両は、(人によっては10050系と呼ぶようだ)
等々、なかなか個性のあふれる車両群となっている。
厳密にはマイナーチェンジと言うよりは、試作車的な意味合いが強い車両。
VVVFインバータ制御を搭載し、各種走行データを集め、100系スペーシアへと派生していった。なので、80系ではあるが、車齢は10030系の初期車と同一であり、車号も10080である。(東武は01~と必ず1から番号をつける。)
100系があのような走行音である為に、想像に難くないが、この10080系の走行音は他社のどことも似つかない独特な変調音を出していた。尚、現在は50000系と同一の主電動機・主制御器を搭載するため、以前のような独特の音は出さなくなったが、歯車比が5.44と低いために、やはり個性の強い車両となっている。
登場して20年が経ち、法律でもバリアフリー基本法が制定された為、これに合わせたリニューアル工事を順次進めている。東武は以前は更新工事と言っていたが、今は改修工事としているそうだ。
施工内容は設備面が主だが、かなり大掛かりなものになっており、
以降も何か大きな変更があり次第、追記していく予定
掲示板
9 ななしのよっしん
2013/10/15(火) 21:20:49 ID: BSJVwN2tlu
このまま行くと10両固定編成に関しては全部VVVF化するつもりなのかもしれんね
30000系も全体の半分くらいが既に東上線に転属済みだし
池袋~小川町間に関しては結構あっさりと抵抗制御車が消滅しちゃうかも…
10 ななしのよっしん
2014/08/02(土) 23:24:16 ID: Y0bzYfe+Vq
おお、東武も結構詳しい人がいるではないか。
今や東武の最大勢力…なのだが、花形の本線では地下鉄直通が幅を利かせているせいでどうも活躍の場を取られてしまっている気がしてならない。
10080系に関しては最近新栃木のターンと春日部のターンが交互にあるような気がする。
11 ななしのよっしん
2017/11/07(火) 15:59:07 ID: 2utuo4pfdc
※4
ファミマカラーの10030系って前面だけ見れば小田急の1000形とほぼ変わらんのな。
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最終更新:2024/12/23(月) 10:00
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