本項では、マイナーチェンジ車である東武9050系についても説明する。
東武東上本線と帝都高速度交通営団有楽町線(現:東京地下鉄(東京メトロ)有楽町線)との相互直通運転用の車両として、設計・製造された車両である。
直通運転が開始したのは、1987年のことであるが、乗務員への教習訓練や乗り入れをスムーズに行えるように考慮し、1981年に先行して試作車である9101Fが落成した。
その後、直通運転が開始する1987年に、量産車である9102F - 9107Fが落成し、試作車である9101Fと合わせた7本で有楽町線との直通運転に対応した。
後の1991年には、増備車である9108Fが落成している。この9108Fは外観が異なっているほか、GTO式静止型インバータが導入されている。
また、有楽町線新線の新線池袋駅開業に伴う増備で、9050系の2本が落成し、最終的には9000系列は10本となった。この9050系は、VVVFインバータ制御装置とIGBT式静止型インバータが導入されている。
その後、副都心線開通に伴う改造工事が行われ、ATO装置などが新たに搭載されたほか、9000系は車内のリニューアルも行われた。なお、試作車である9101Fは、副都心線内に設置されたホームドアと位置が合わなかったため、副都心線対応工事は行われず、有楽町線乗り入れ専用となった後に、現在は東上本線の地上運用のみとなっている。
2013年1月21日、9102Fが和光市駅でパンタグラフを3基壊し、運用を離脱。5月時点で運用復帰しておらず、一時は使用休止札が掲げられていた。その後、ようやく8月22日に復帰したものの、復帰当日に車両故障と言う有様となった(その後、9月20日に再復帰)。
2013年3月16日から、東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線と相互直通運転を開始した。
現在は同じ有楽町線・副都心線乗り入れに就いている50070系と共通運用となっている(9101F以外)。
長いこと鋼製車体と抵抗制御(カム車)を使い続けてきた東武であったが、初のステンレス車両導入と同時に初のチョッパ制御を本系列で採用した。
直巻モーターではないので、(営団)東京メトロ7000系と同様のAVFチョッパを採用。このシステムは界磁抵抗器を廃止していることがおおきな特徴であり、電機子チョッパの弱点である、パルス依存の為に高速域での回生ブレーキがままならず(電機子発電電圧がくそ高い為、即失効する)、省エネ効果が無い&制動力が殺されるという弱点を抵抗器無しで克服している。
元々、バーニア抵抗制御を採用してきた東武なので、力行時の粘着力には定評があったが、チョッパによる全域での無段階制御となったことで更に滑らかな加速を得ることが可能となった。それによる粘着率の向上で、150kwのモーターを6M4T配置ながら加速度3.3km/h/sを実現している。
なお東武20000系にもこの技術が活かされ、更に加減速や勾配が激しい日比谷線向けにこちらは6M2T組成となっており9000系との足回りの違いを比較するのも面白いと思われる。
現在では東横線に乗り入れる関係で、東武の4扉直流モーター通勤車としては、唯一110km/h運転を公式で行う車両である。同時に、一旦消えた同線の直流モーター車の復活でもあった。
設計思想が郊外路線&地下鉄でのストップ&ゴーな為に、キビキビと110km/hまで上げていく設計にはなっていないが、実を言えば加速度曲線は西武6000系のGTO車とほぼ同一だったりする。直流電動機の6M4T車がここまでの性能を得たという事が、見る人が見ると感動を覚える。
おそらくではあるが、MT比4:1設計であった場合の高速性能は、33‰勾配を100km/h以上の均衡速度で登っていく都営10-000形が近かったであろう。
東急5000系やメトロ10000系、自社の50070系等の現代技術と比較すると、流石に力行性能面で劣るのは否めないが、同数MT比で110km走行を行っていた京葉205系と比べると、高性能っぷりが際立つ事うけあいである。
運用数こそ希少だが、東横線での走りは是非体験して頂きたい。
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最終更新:2024/12/23(月) 15:00
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