討鬼伝とは、コーエーテクモゲームスより2013年6月27日に発売されたPlayStation Vita・PSP用ソフトであり、ハンティングアクションゲームである。
開発は同社の無双シリーズでおなじみのオメガフォース。
2014年8月28日には完全版である『討鬼伝 極』がPlayStation Vita・PSP用ソフトとして発売され、さらに2015年4月23日にはプレイステーション4版も発売された。この作品についてもこちらで解説する。
2016年6月30日には続編『討鬼伝2』が発売される予定。そちらについては該当記事を参照。
概要
“鬼”と呼ばれる異形の存在から力なき人々を守る、モノノフの戦いを描いたハンティングアクションゲーム『討鬼伝』。本作では、プレイヤーは特別な力を持ったモノノフの1人となり、世界を滅びの危機から救うべく、この世に現れた“鬼”に立ち向かっていくことになる。
ゲームのメインとなる“鬼”との戦いでは、その巨大な体の部位を斬り落とし、破壊する爽快感を味わえる“部位破壊アクション”が特徴的だ。また、アドホックモードでの協力プレイや、PlayStation®VitaとPSP®でのクロスプレイにも対応している。全国の仲間たちとともに、巨大な“鬼”を討ち倒そう。
※討鬼伝 | ソフトウェアカタログ | プレイステーション® オフィシャルサイトより引用。
ストーリー
古より、“鬼”と呼ばれる異形の存在と戦う者たちがいた。
彼らを称して「モノノフ」(鬼ノ府)という。
千年の長きに渡り「モノノフ」は歴史の影で人の世を守り続けてきた……。
しかし、太平の時代の末、突如、大いなる災厄が訪れる。
時が歪み、天地が裂け、各地に異界が出現……
かつてない大量の“鬼”があふれだしたのである。
多くの土地が“鬼”に飲み込まれる中、
「モノノフ」は生き残った人々を里へ迎え入れ、“鬼”に立ち向かった。
七日七晩……短くも熾烈な戦いの後、かろうじて人間の勢力図を守り通した。
後に“オオマガドキ”と呼ばれるこの災厄を経て、
「モノノフ」は人の世を守り、治める組織として、
歴史の表舞台に立つこととなった。
それから八年──。
いまだ終わらぬ“鬼”との戦いの最前線に、新たな戦士が派遣される。
人の世を滅びから守るため、
モノノフたちよ、“鬼”を討て!
※討鬼伝 | ソフトウェアカタログ | プレイステーション® オフィシャルサイトより引用。
戦闘システム
武器
無印では太刀・双刀・槍・手甲・鎖鎌・弓の6種類だったが、「極」から新たに銃・薙刀・金砕棒の3種の武器が追加され合計で9種類となった。
- 太刀
攻撃の速さ、範囲、威力のバランスがよく、扱いやすい武器。敵の攻撃を避けながら攻撃できる翻身斬や、力を溜めて衝撃波を放つ真空斬などを使い分ければ、多彩な立ち回りができる。癖があまりないため初心者にオススメ。
- 双刀
両手に持った小太刀で素早い連続攻撃を繰り出し、手数でダメージを稼ぐ武器。空中と地上を自在に移動でき、空中での攻撃手段も豊富に持っているため、高さを意識した幅広い立ち回りが可能である。ただし、ダメージを稼ぐためには相手に密着する必要があるため、被弾しやすい。
- 槍
中距離からの突き攻撃を主力とするため、相手とある程度間合いをとって立ち回れる。槍の柄で近くの敵を殴ることも出来るため、近距離での戦闘も多少は可能。突進してくる敵にカウンターを加えることもできる。一方で、溜め攻撃が主な火力源である為、動きまわる敵は苦手。
- 手甲
リーチが短く攻撃範囲も狭いため部位破壊に関しては微妙だが、それを十分に補う程の火力を誇る。ガードが出来る唯一の武器でもある。高い場所の部位破壊を他に任せられる場面ではその偉大な攻撃力が討伐速度で輝く。
- 鎖鎌
鎌攻撃と分銅攻撃を併せ持つ武器。近~中距離を自在に動き回りながら攻撃を繰り出すことができる。分銅の溜め攻撃で敵に張り付くことが可能で、さらに、「瞬迅印」を発動することで常時鬼に張り付きながら攻撃できるなど、非常にトリッキーなアクションが特徴である。
- 弓
遠く離れた距離から攻撃できる遠距離武器。溜めることで威力を上昇させることができる通常攻撃と、番える回数で性能が三種類に変化する番え攻撃を使い分けることで小型鬼から大型鬼まで幅広く対応することができる。しかし、近距離の敵に対応する手段に乏しいため、他のモノノフの援護の有無によって両極端な結果になりやすい。
- 金砕棒
「極」から新たに追加された武器。攻撃速度は遅いが手甲以上の攻撃力を持つ。先端部分で攻撃することでさらに威力が上昇するなど非常に高火力な武器であり、攻撃範囲も広い。素早い身のこなしは苦手だが、「発止」という技によって敵の攻撃を弾き返すこともできるため、鬼に真っ向から立ち向かう事が出来る。
- 薙刀
「極」から新たに追加された攻撃範囲と速度に優れた長柄武器。一撃一撃の威力は低いものの、絶え間ない連続攻撃によって他の武器にも負けない火力を発揮する。また、敵の攻撃を受け流す「流転」を使用することで最小限の動きで敵の攻撃を回避することができる。
- 銃
「極」から新たに追加された遠距離武器。銃を構えることで鬼の弱点である「霊脈」を視ることができ、霊脈を撃ち抜くことで火力が上昇する。様々な性質の弾丸を使い分けることができ、他にも、撃ちぬいた弾丸の種類ごとに違った効果を発生させる爆弾を投げたり、気力を消費することで通常よりも強力な射撃をしたりなど、多彩な攻撃を繰り出すことができる。
ミタマ
日本史上に名を残す200名以上の英雄の魂。8種類の戦闘スタイルに分かれており、モノノフはミタマを武器に宿すことで、「鬼祓い(Rボタン)」+□or△or〇or×ボタンで戦闘スタイルに応じた“タマフリ”という特殊な力を発動させることができる。また、ミタマはレベルを上げる事により様々なスキルを1名につき3つまで(4つ目以降はいずれかのスキルを消去しなければならない)習得することができる。鬼は強い魂を喰らい体内に取り込むことで自身をさらに強化することができるため、現在は大半が鬼の体内に囚われてしまっている。ミタマを鬼から奪回することもモノノフの使命の1つである。「極」では新たに100名近いミタマが追加され、スキルを1名につき4つまで覚えるようになった。
ミタマの戦闘スタイル一覧
表層破壊と部位破壊
大型の鬼は驚異的な生命力と再生力を宿しているため、通常時は攻撃しても体力は減少しない。鬼の体力を削るためには「マガツヒ」という体内の生命力が露出した状態にする必要があり、体の一部を「部位破壊」するか、鬼の表層に一定以上のダメージを与えて表層を破壊することで一時的に全身をマガツヒ化させなければならないのである。
その他のモノノフの能力
- 鬼千切(△+〇)
武器ゲージが最大まで溜まった時のみ使用可能。極限まで高めた己の魂の力を込めた一撃を放つ。小型鬼を瞬殺し、大型鬼の部位を一撃で破壊する。
- 鬼ノ目(SELECT)
鬼の残り体力や表層耐力、破壊可能な部位及びその状態を確認することが出来る。使用中は自動的に気力を少しずつ消耗していく。他にも、鬼ノ目を使わなければ見付ける事の出来ないアイテムや地祀石(回復ポイント)、特殊な小型鬼などを発見することが出来るようになる。
- 鬼祓い(R)
光の陣を作り出し、陣の中にある鬼の死体や切り離した部位などを浄化・封印する。大型鬼の部位は破壊しても一定時間経てば再生してしまうが、鬼祓いによって破壊した部位を封印することで部位の再生を阻止することができるのである。浄化した死体や部位からは素材が出る。体力が尽きた仲間を復活させる力も持つ。
- 鬼千切・極(△+〇)
「極」より追加。共闘ゲージが最大まで溜まり、かつ味方が近くにいる時のみ使用可能。仲間との共闘で魂の力を結び合わせ、強力無比な一撃を放つ究極の鬼千切。その威力は通常の鬼千切を遥かに凌駕し、大型鬼の複数の部位を一撃で破壊する。発動したとき近くにいた味方の数が多ければ多いほど、一度に多くの部位を破壊することができる。
“鬼”
絶大な力と驚異的な回復力を持つ異形の存在。人間の魂を喰らい、己の生命力に変えて活動する。時間の概念を超越した存在であるため、現在と過去を行き来することができる。知能が高く、自分が仕掛けた罠にモノノフを誘い込んだり、上位の鬼が下位の鬼を使役したり、指揮官の指示に従って組織的な行動をとったりなど、高度な知性や社会性を有していることが窺える。ちなみに、鬼が戦闘時に上げる声は単なる咆哮ではなく、鬼独自の言葉を叫んでいるという設定らしい。
大型の"鬼"
小型の鬼達よりさらに強大な力を持った存在。本作の主な討伐対象でもある。
- 深淵(ミフチ)
蜘蛛のような身体と獅子に似た頭を持つ、大型の鬼。民間において牛鬼と呼ばれる。鎌のように鋭い二本の鉤爪は、恐ろしいほどの切れ味を秘めている。
- 真淵(マフチ)
真なる深淵から現れ出る鬼。ミフチに似るが、外殻は純白。鉤爪はより巨大で、血に染まったように赤い。大量の魂を喰らったミフチの変異種と見られている。
- 風切(カゼキリ)
四足獣のような姿をした、大型の鬼。風を切って疾駆する姿から、この名が付けられた。異界内を俊敏に駆け回り、モノノフと見るや襲いかかる。その様は、明確な意思を持った「狩り」のようでもある。
- 天切(アマキリ)
天すら切り裂く刃を持つ鬼。より多くの魂を喰らい、さらなる力を得たカゼキリの姿と考えられている。タマハミ時に現れる長大な刃は天属性の力を宿し、その名の由来となっている。
- 崩山(クエヤマ)
山のごとき体躯を誇る、大型の鬼。知能が高く、だまし討ちをするなど、狡猾な行動が報告されている。一方で、圧倒的な巨体から放たれる攻撃は、脅威の一言。突進や跳躍攻撃は、まともに受ければ、骨まで砕かれる。
- 海神(ワダツミ)
海原の神の名で呼ばれる鬼。深蒼の堂々たる巨躯を持つ。クエヤマの変異種と見られるが、詳細は不明。水氷の力を身に宿しており、その一撃や霧氷を生み出す。
- 火凶鳥(ヒノマガトリ)
四つの羽を持ち、空を自由に舞う大型の鬼。炎の力を身に宿し、灼熱の吐息で敵を焼き焦がす。異界の「領域」を飛び越えて飛来することがあり、突然の襲撃を受けて滅びた里もある。また、小型の鬼を呼び出し、使役する姿が目撃されており、鬼の社会性についての研究に一石を投じている。
- 天輝鳥(アメノカガトリ)
光を放ち、天を駆ける鬼。風雷の力を身に宿しており、紫電を放って敵を焦がす。鮮黄色の翼は、みなぎる雷に輝き、神々しくすら見える。大量の魂を食らったヒノマガトリが変異したものと推測される。
- 土潜(ツチカヅキ)
巨大な腕鰭を持つ大型の鬼。本来は地面を掘り進むために使われると思われる腕鰭は力強く発達しており、振り回されるだけで脅威となる。
- 炎潜(ホムラカヅキ)
大地の内奥、溶岩の海に潜るという鬼。外殻の隙間に溶岩を蔵しており、攻撃のたびに炎が弾ける。
- 建軍(タケイクサ)
猛々しい武将のごとく、威圧感を放つ大型の鬼。四本の腕を持ち、それぞれに炎と氷の力を宿している。脚部に相当する器官を持たないため、移動は遅いものの遠距離、広範囲の属性攻撃は危険極まりない。
- 禍ツ軍(マガツイクサ)
禍々しき気配を放つ戦鬼。タケイクサの変異種と見られる。すさまじく濃い瘴気を身に宿し、大地と風雷の力を操る。
- 水蛇女(ミズチメ)
女性のような姿をした大型の鬼。脚部が蛇のような形状をしていることから、この名がついた。知能が高く、呪術に長けており、水氷の力を自在に操る。
- 巨蛇女(カガチメ)
巨蛇の半身を持つ大型の鬼女。ミズチメの変異種と思われるが、詳細は不明。呪術に長け、風雷を自在に操る。
- 大魔縁(ダイマエン)
巨大な鳥の姿をした鬼。その翼は岩のように硬く、刃のように鋭い。羽ばたける構造ではないことから鬼特有の力によって巨体を飛行させているのだと考えられている。また体内に爆発性の岩石を蔵し、上空から地上を攻撃する。
- 陰迦楼羅(インカルラ)
霊鳥の名で呼ばれる鬼。紺碧の美しい羽根を持つ。水氷の力を宿した、ダイマエンの変異種と見られる。
- 業焔魔(ゴウエンマ)
豪炎をまとった大型の鬼。圧倒的な体躯に、すさまじい力を宿している。下位の鬼を支配して組織的な行動を取らせる、指揮官のような存在と思われる。
- 大天魔(ダイテンマ)
天雷をまとった大型の鬼。蒼黒の身体には、恐ろしいほどの力に満ちている。ゴウエンマの変異種であると見られるが、詳細は不明。
- 岐塞(クナトサエ)
「塞ぐもの」の名を持つ鬼。強大な力を持つ上位鬼のうちの一体。すさまじく硬い甲羅を背負い、驚異的な防御力を誇る。
- 黄泉戸塞(ヨミトサエ)
クナトサエの変異種。生者の国と死者の国を分かつ巨岩の名で呼ばれる鬼。その甲羅は現世と異界全ての物質の中で、最も硬いという。
- 夜刀主(ヤトノヌシ)
蛇に似た身体に四本の腕を持つ、上位鬼。圧倒的な腕力と絶大な呪力を誇る。また知能が高く、タマフリに似た能力を使いこなす。
- 淤加美主(オカミヌシ)
水神の名で呼ばれる鬼。ヤトノヌシの変異種と見られる。腕力、呪力ともにヤトノヌシを凌ぎ、炎と氷の力を身に宿す。
- 常夜王(トコヨノオウ)
王の名で呼ばれる最上位の鬼。異界の彼方より降臨し、この世にオオマガドキを告げる。圧倒的な力の前に人はただ絶望し、ひれ伏すしかないという。
- 常夜大王(トコヨノオオキミ)
王の中の王と称される鬼。その力はトコヨノオウをも凌ぎ、人々の胸に本物の絶望を刻む。それでも希望を捨てずに戦い抜く者だけが、常夜に朝をもたらす真のモノノフとなる。
その他の用語
- オオマガドキ(大禍時)
八年前に起きた鬼の大量発生現象。七日七晩に渡る戦いの末にモノノフたちにより一旦は鎮圧されている。この事件によって日本のほとんどが壊滅した。
- 異界
オオマガドキと鬼の影響によって時間と空間が歪んだ場所。鬼の勢力圏であり、モノノフと鬼の戦場。鬼が食らったミタマの影響で歴史的な場所や建造物が歪んだ形で出現している。「古」「雅」「武」「戦」「安」「乱」の6つの領域に分かれている。
- 鬼ノ府(モノノフ)
昔から人々を守るために鬼と歴史の影で戦い続けてきた組織。千年前に「ムスヒの君」という人物によって設立されたと伝えられている。8年前のオオマガドキをきっかけに統治機関としての側面も持つようになった。
- 中つ国
現在、日本に残っている人類の勢力圏。鬼ノ府の本拠地である霊山を中心に、複数のモノノフの里から成り立つ。ひとつひとつの里には独立した統治権限があり、複数の里による連合国体制をとっている。本来モノノフがいる里や霊山は人が住むような場所ではないのだが、上記の通りオオマガドキで日本の大半が壊滅してしまっているため、現在はモノノフ以外の一般人も多く住んでいる。
- モノノフ
鬼ノ府に所属し、鬼を討伐する戦士達のこと。「鬼を討つ鬼」「金眼四ツ眼の守り人」などともよばれる。
- 百鬼隊
霊山直属のモノノフ部隊。一番隊から七番隊までの小隊で構成されており、それぞれの隊に14人~15人程度の隊士が所属している。
- 神垣ノ巫女(かみがきのみこ)
霊山から各里に一人ずつ配属される特別な巫女。鬼や鬼が発する瘴気が里に侵入することを阻止するために里の周囲に結界を張ったり、物質やミタマに残る残留思念を読み取ったりする能力を持つ。これらの能力を行使することは体に強い負担を与えるため、短命の者が多い。
- ウタカタ
主人公が配属されるモノノフの里。異界に隣接している。主人公が鬼と戦うための拠点となる。
- 禊場
ウタカタに存在する施設。体を清める事で、一時的にスキルを得ることができる。
男と女で使用する時間帯が異なる(青い看板の時は男、赤い看板の時は女が使用出来る)が、異性の使用時間に入ることも普通に可能。先に誰かが入っていると、禊場限定の衣装(滝打ちの修行僧のような格好。透け具合からして下には何もつけてない)を見ることができる。相手が異性の場合、はじめのうちは追い出される(この場合、禊ぎ場の効果は得られない)が、仲良くなると2人で清めることができる。その場合、一緒に清めたキャラに応じて特殊なスキルがつく。主人公がためらいなく異性の使用時間に禊場を利用するのはこれが理由であり、決してやましい理由があるわけではない。ないったらない!
- シラヌイ
北方に存在するモノノフの里。ウタカタと同じく異界に隣接している。8年前のオオマガドキの際に見捨てられた里であり、公式記録上は存在しないことになっている。独立不羈を掲げ霊山との関係を断っていることから、現在は霊山と対立関係にある。
- 天狐(てんこ)
狐に似た不思議な生物。知能が高く、人間の言葉がわかる。飼い主のために素材を集めて来てくれる。
登場人物(ネタバレは反転)
討鬼伝 ウタカタノヒミツ
ニコニコ静画内の「ニコニコ漫画(公式)」にて連載中の公式コミック。本編の前日談となっており、本編の登場人物達の「ヒミツ」が描かれている。全六話。
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