泉北高速鉄道線とは、南海電鉄の子会社である泉北高速鉄道が運営する鉄道路線である。
大阪府堺市北区の中百舌鳥駅(なかもず駅)から和泉市の和泉中央駅までを結ぶ路線である。
堺市中区中心部 - 泉北ニュータウン - トリヴェール和泉といった地域を通る。全線狭軌・複線・DC1.5kV電化であり、踏切は中百舌鳥駅付近の1箇所のみ。
南海電鉄(高野線)と相互直通運転を行っており、全ての特急「泉北ライナー」・区間急行・準急行が南海難波駅方面へ直通運転を行っている。
なお、区間急行は中百舌鳥駅を通過してしまうので注意が必要である。
2015年12月5日のダイヤ改正で、主に特急「泉北ライナー」の運行開始と区間急行の終日増便が行われた(ソース)。このうち、特急「泉北ライナー」については泉北高速鉄道としては初の有料特急列車で(準大手私鉄としても初)、和泉中央駅~難波駅間を最短で29分で結ぶ。停車駅等詳細は「泉北ライナー」の記事参照。
区間急行の終日増便については、ダイヤ改正前は平日朝の上りのみ運行していたものが、平日朝は上り6本、下り3本に増発され、それ以外の時間帯は毎時2往復運行される(日中は準急5往復から区間急行・準急行・各駅停車が各2往復ずつとなる)。
これにより、泉北ニュータウン方面から大阪市内への利便性は向上するが、三国ヶ丘駅や中百舌鳥駅といった他社線への乗り継ぎ駅では利便性が低下する。「高額な乗り継ぎ運賃を適正化したんだから、その代わりに南海電鉄を使ってね」とでも言いたげなダイヤ改正である。2017年に再びダイヤ改正を行い、日中は区間急行が毎時4本・準急行が2本となる一方、運転間隔均等化のため夕方以降は全て準急行となった。一部の準急行は堺東駅で泉北ライナーの通過待ちを行う。また高野線直通の各駅停車は全廃され、線内折り返しの各駅停車が高野線の各駅停車に接続するようになった。
準 急 |
区 間 急 行 |
特 急 |
駅間 キロ |
駅名 | ■乗り換え路線 ○駅周辺施設 (備考欄) |
---|---|---|---|---|---|
● | | | | | - | 中百舌鳥駅 (なかもず) |
■高野線(南海難波駅まで乗り入れ) ■Osaka Metro:御堂筋線 ○ダイキン堺製作所 ○堺商工会議所 ○大阪公立大学中百舌鳥キャンパス |
● | ● | | | 3.7 | 深井駅 | ○堺市中区役所 |
● | ● | ● | 4.1 | 泉ヶ丘駅 | ○泉北ニュータウン ○高島屋泉北店 ○プール学院大学 ○帝塚山学院大学 |
● | ● | ● | 2.4 | 栂・美木多駅 (とが・みきた) |
○堺市南区役所 ○堺南警察署 ○栂文化会館 ○府立泉北高等支援学校 ○ラウンドワン泉北店 |
● | ● | ● | 1.9 | 光明池駅 | ○車庫所在駅 ○光明池運転免許試験場 ○イオン光明池店 |
● | ● | ● | 2.2 | 和泉中央駅 | ○トリヴェール和泉 ○桃山学院大学 |
中百舌鳥駅と和泉中央駅の自社線内折り返し運転と中百舌鳥駅から南海高野線に乗入れて南海難波駅までの運行が基本であるが、朝ラッシュ時を始めとして泉北高速鉄道線内のみ運行するものも存在する。
深井駅を除く泉北高速鉄道線内の全駅に全列車が停車する(中百舌鳥駅は南海電鉄なので区間急行が通過する)。
駅間が長いため比較的高速運転する割合が大きい。実質的に線内優等列車が無いにもかかわらず、最高速度の設定は南海高野線よりも10km/h速い110km/hで認可されている。しかし、線内で運行される車両は営業最高速度が100km/hに設定されている車両しかないので、特急泉北ライナーを含め100km/h以下でしか走行しない。もったいない。もっとも、南海高野線から乗り入れるオンボロ車両のことを考えると、その方が良いのかもしれないが。
※2017年1月に泉北高速鉄道12000系が導入されたため、同車両及び代走に充当される南海12000系に限り、線内で最高速度110km/h運転が実施されている。
泉北線利用者の多くは大阪市内を目的地とすることが多いのだが、その際南海難波駅まで乗り通さず、中百舌鳥駅で地下鉄御堂筋線に乗り換える人がかなり多い。中百舌鳥駅から難波へは地下鉄御堂筋線よりも高野線準急の方が5~7分速いが、御堂筋線の方が運転頻度が高く、また地下鉄は中長距離利用であればあるほど割安な運賃体系を取っているため、心斎橋以北の地下鉄各駅へ向かうには中百舌鳥駅から乗車した方が安くて便利といったメリットがある。また、南海難波駅は近鉄・阪神大阪難波駅や道頓堀方面から見るとやや南へ離れた位置にあるため、これらの地域を利用する乗客も地下鉄へ流れやすい傾向にある。このため、日中に運転される区間急行は御堂筋線への乗客の逸走を防ぐために、中百舌鳥駅を通過している。一方で朝ラッシュ時の区間急行は泉北線準急行や高野線区間急行・急行の混雑を緩和する目的もある。さらに2015年12月5日からは区間急行の終日増便と特急「泉北ライナー」の運行開始で、中百舌鳥駅通過の泉北高速鉄道の電車は増加することになる。
ちなみに「泉北ライナー」は特急料金(大人510円)を支払えば乗ることができるが、なんば駅まで短距離であることから、当初は定着するかどうかは未知数とされていた。しかし、2023年現在も運行が続けられており一定数の利用はあるようである。
このため中百舌鳥駅は乗り換え客の対応のため改札からホームへ至る階段を増設し対処している(ホーム拡幅はほとんど不可能であったため)。
ただ乗り換えには1階ホーム~2階南海改札~地下2階地下鉄改札~地下3階ホームと1度外に出なければ行けないし、少し移動が大変ではある。
沿線に大学もあり、通学客も多いため朝ラッシュ時の下り方向の乗客も少なくはない。
泉北高速鉄道線は駅間距離が他の路線と比較してもかなり長く取ってあるため、一駅単位の運賃が異常に割高に錯覚してしまう(特に深井駅から乗車の場合、初乗り運賃が適用される駅が1つも存在しないため、どちらの隣接駅ともいきなり2区間目の運賃から適用される)が、実際の運賃水準は乗り入れ先の南海とほぼ同等である。第3セクターの路線としてはむしろ割安なレベルであり、地方中小私鉄や開業して間もない鉄道会社を含めると約170業者中40番目くらいに安い運賃設定であり、逆に安い方の私鉄から数えた方が早い部類に入る。とどのつまり運賃計算ルールの原則や地方鉄道の事情について何も知らない沿線住民や政治家らの勝手な思い込みから独り歩きした噂に過ぎないものと言える。
ただ、南海高野線への通し乗車券は2社分の(初乗り)運賃を取られることになり(20円の乗継割引制度はある、ただし定期券や回数券は割引対象外)、その点で割高感を感じてしまうのは否定出来ない。そんな理由で、自社路線内に限っては特に高いわけでもないのに運賃が日本一高いと言われたりしている悲しい路線である。
この問題については、運営会社である大阪府都市開発が2014年7月1日に南海電鉄に売却され、南海グループ入りを果たした(同時に泉北高速鉄道に会社名変更)ため、解消されることになった。その後、2015年3月1日に乗継割引を100円まで値下げ、通学定期券の25%引き下げを実施。泉北高速鉄道線⇔南海高野線を乗り通した場合の運賃が、南海高野線を単独で利用した場合の運賃と対距離比でほぼ同額となり、「運賃が高い」という汚名も事実上返上することとなった。ただし、定期券の場合はこの乗継割引が適用されないため、区間によっては定期券を使うより、乗車券を使用したほうが安くなるパターンがあるので注意。
2025年度に南海電気鉄道に吸収合併されることになり、同一企業による路線となることから、定期券の値下げが行われる予定である。泉北高速鉄道は南海電鉄に比べると通学定期があまり安くないため、上記の乗継割引が定期券には適用されない件も含めて、南海電鉄への運賃統一により大幅に安くなることが予定されている(難波~泉ヶ丘間で通勤定期で2割強、通学定期で4割弱の値下げ予定)。なお、普通運賃については乗継割引により南海と同程度の運賃となっていることから現状維持となる予定。
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28 ななしのよっしん
2022/02/23(水) 01:08:16 ID: B3ff8ogTbi
29 ななしのよっしん
2022/02/23(水) 01:10:38 ID: B3ff8ogTbi
>>28
途中ですまん。
ぶっちゃけ日中は準急のみ12間隔という前のダイヤで十分な気もするが、やはりなかもずと三国ケ丘で客を奪われるのが嫌なんだろうなあという現行ダイヤ。
30 ななしのよっしん
2024/11/02(土) 13:29:00 ID: jfRZ8tDUCR
南海との合併後の路線名は京成松戸線と同様にシンプルイズベストで南海泉北線になりましたね。
自社車両は南海カラーに塗り替えるんですかね?
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最終更新:2025/01/11(土) 04:00
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