幻影城 単語

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ゲンエイジョウ

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幻影城(げんえいじょう)とは、

  1. 江戸川乱歩探偵小説評論集。
  2. 1に由来するタイトル1975年1979年にかけて刊行されていた雑誌。

本稿では2について説明する。

概要

『幻影城』は書誌研究島崎博が中心となって発行されていた雑誌である。一応は探偵小説専門誌を名乗っていたが、SFに分類されるような作品も多数掲載されていた。また、エッセイや評論などにも力を入れており、小説家だけでなく評論家なども輩出した。

松本清張に代表される「社会ミステリー盛に対して、謎解き重視の今でいうところの「本格」探偵小説の牙を自任していたが、元々同人誌的側面を有していた雑誌だけに経営は芳しくなく、雑誌と同名の発行元倒産と同時に廃刊となった。

刊行期間は短かったものの、『幻影城』が世に送り出した作家は、直木賞作家泡坂妻夫連城三紀彦エンターテインメント巨人となった栗本薫田中芳樹など錚々たる面々がい、以降の文学界・ミステリー界・エンターテインメント界に与えたは決して小さくない。ミステリ史上においては、島田荘司の登場に先駆けて新本格ムーヴメントの下地を作ったとも言える。

『幻影城』世代

日本における探偵小説歴史終戦直後の横溝正史から鮎川哲也までの『第二波』、そして綾辻行人らいわゆる『新本格世代』の『第三波』に分類した笠井潔は、『幻影城』を基盤にしかけた探偵小説の潮流を『第二・五波』と呼んだ。これがいわゆる『幻影城』世代の作家たちである。同時に笠井は結局彼らは一つのムーブメントとなる事く個々のを選び、一つの「流れ」として第二波と第三波を結ぶものには成りえなかったとしているが、『幻影城』が少なくとも若手作家たちの揺籃の場となった事は確かである。

『幻影城』出身の作家・評論家

※印は幻影城新人賞出身

大百科に記事のある『幻影城』参加作家

幻影城出身ではないが、幻影城に寄稿した、または作品が掲載されたことのある作家

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最終更新:2024/12/23(月) 10:00

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