確かに、thatもwhatも、後ろ側をみると、不完全になっていますよね。でも、決定的な違いがあります☆
関係代名詞thatの後ろは不完全ですが、不完全を埋める語が、thatの前に必ずあります。
関係代名詞whatの後ろも不完全ですが、不完全を埋める語は、whatの前にありません。whatそれ自体が「モノ・こと」という意味になって、不完全を埋めるのです。
関係代名詞のthat、which,whoなどの場合は、thatにあてはめることのできる「先行詞」という語が、前になければなりません。
I know a book that is interesting.
私は、面白い本を知っています。
この場合、先行詞はa bookです。なぜそうだとわかるかというと、a bookをthatに当てはめてみると、
........a book is interestingとなって、意味がつながるからです。
I saw a dog that was red.
私は、赤い犬を見ました。
この場合、先行詞はa dog です。やはり、thatにあてはめて、.....a dog was redとなって、意味がつながります。
このことは、which,whoなどもおなじです。
I know a girl who speaks Japanese very well.
私は、とても上手に日本語を話す少女を知っています。
先行詞はa girl→whoにあてはめると.....a girl speaks Japanese very well.となり、つながる。
I went to see a temple which was very famous.
私はとても有名なお寺を見に行きました。
先行詞はa temple→whichにあてはめると....a temple was very famousとなり、つながる。
whose,whomという関係代名詞もありますが、それらもすべて、前に、あてはめることのできる「先行詞」があります。
しかし、関係代名詞whatだけは、先行詞を必要としないんです。関係代名詞whatは、the thing=「モノ、こと」という意味をもつので、先行詞がなくても意味が通じるんです。
(補足→もちろん、the thingを先行詞として,what自体が中に含んでいるという言い方もできます。つまりカテゴリマスターのmorningpersonno1さんの言われるように、 what=the thing that(which)であると捉えることも非常に重要です☆)
ですから、
I don't understand what you say.
私は、あなたの言うこと、を理解できません。
先行詞をみつけてあてはめなくても、whatにそのままthe thing をあてはめて意味をとればつながるんです。
つまり、
the thing you say→the thingはsayの目的語だからsayの後ろにもってきて、
you say the thingとなり、意味がつながります。
わざわざthe thingで置き換えなくても、whatに「モノ、こと」を当てはめて後ろから訳せば、what you sayだけで、「あなたが言うこと」と即座に訳せます。
This is what everyone wants to know.
これは、みんなが知りたいことです。
この場合も、what everyone wants to knowのwhatに「こと」を当てはめて後ろから訳せば、そのまま、
「みんなが知りたいこと」と訳せます。
ですから、前から「先行詞」を探して当てはめながら訳さなければならないのが、関係代名詞that,which,who,whom,whoseであり、先行詞無しで、whatに「モノ・こと」を当てはめるだけで訳せるのが、関係代名詞whatという風に理解しておくといいでしょう。
( ) Aki said made everybody laugh.
この文は、先行詞があるでしょうか。もし、thatを当てはめてみたところで、thatが文頭になって、前を探せませんから、先行詞があるはずがないんです。よってwhat以外の関係代名詞は入ることはできません。
whatを当てはめてみると
What Aki said made everybody laugh.
となり、whatに「こと」をあてはめると、
what Aki saidの部分だけで、「アキが言ったこと」と訳せます。
全体の訳は
[アキの言うこと]はみんなを笑わせた
となります。
(注意:過去であることは「笑わせた」と訳すことで表されているので、文全体では、「アキの言ったこと」ではなく、
「アキの言うこと」になっています。)
そして上の文の[ ]を見てわかるように、関係代名詞what~は「~モノ・こと」という、名詞の働きをしたカタマリをつくります。
それに対し、what以外の関係代名詞は、先行詞を含めば「~な少女」「~な犬」というカタマリをつくれますが、先行詞無しの、that~、which~、who~、whom~、whose~という部分だけでは、決してカタマリをつくることはできません。
それもまた、whatと、what以外の関係代名詞との大きな違いです☆
ご理解の助けになれば幸いです☆
補足:
morningpersonno1さんのおっしゃるように、関係代名詞whatは「先行詞をその中に含む」という捉え方も非常に重要です。私の書き方では一部誤解を招くおそれがありました。一部加筆訂正しました☆