国家公務員の人事評価において、異動直前の評価と異動後の評価が異なることは、制度上あり得ることです。前の部署での「卓越して優秀」という評価から、異動後の部署で「優良」になったのは、以下の要因が複合的に影響している可能性があります。
①評価期間と評価者の変更
人事評価は、評価期間(半年~1年)ごとにその期間の職務遂行状況を評価するものです。
異動に伴い、評価者は新しい上司に代わります。評価者ごとに評価の視点や部署の目標が異なるため、評価が変わることは自然なことです。
新しい上司は、以前の部署での「卓越して優秀」という評価を直接見ていたわけではありません。
②部署の役割や求められる水準の違い
部署が変われば、求められる役割や業務内容も変わります。
前の部署では、あなたの能力が非常に高い水準で発揮され、高く評価されたのかもしれません。
異動後の部署では、業務内容やチームの状況が異なり、あなたの業務遂行が「優良」という評価になった可能性があります。
③新しい部署での貢献度の評価
異動後、あなたが「普通に仕事をしていただけ」と感じていても、新しい部署の目標達成に対する貢献度や、周囲の職員との協調性などが評価の対象となります。
評価者は、あなたが新しい環境に順応し、部署の目標にどの程度貢献したかを総合的に判断します。
④評価分布の調整
国家公務員の人事評価では、評価の公平性・公正性を確保するため、評価者間の目線合わせが行われることがあります。
部署や組織全体での評価分布を調整することもあり、それによって個々の評価が影響を受ける可能性もゼロではありません。
まとめです
直前の評価から大きく評価が変わったように感じられるかもしれませんが、それは「評価が突然下げられた」というよりも、「評価する期間、評価者、そして評価される環境が異なった」結果として捉えるべきでしょう。
もし、ご自身の評価に納得がいかない点があれば、評価フィードバック面談の際に、評価の根拠や今後の改善点について新しい上司に尋ねてみるのが良いでしょう。
注意点
2021年10月以降、国家公務員の人事評価制度は6段階評価に移行しています。最高評価が「卓越して優秀」、最低評価が「不十分」となり、その中間には「非常に優秀」「優良」「良好」「やや不十分」があります。