歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

子どもに言ってはいけない言葉

今回は、「犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉」(2022年)、「犯罪心理学者は見た危ない子育て」(2023年)、「その「一言」が子どもの脳をダメにする」(2023年)を読んで、子どもに言ってはいけない言葉について考えたので、整理したいと思います。

 

 

 

 

中庸が大事

 

最初の2冊は同じ犯罪心理学者さんの本です。犯罪を起こして捕まった子の面接、心理分析等を通して、極端に偏った子育ては危険だよと具体的事例を交えて教えてくます。

過保護型(支配×保護)

子どもを支配し保護する、過剰に積極的な養育態度。世話を焼きすぎて、子ども自身の成長の機会を奪ってしまう。子どもは依存的で、自主性がなく、打たれ弱くなる。

高圧型(支配×拒否)

子どもを受け入れず、支配的に振る舞う養育態度。命令して、親の思う通りに行動させようとする。子どもは自主的に何かを達成しようという意欲に乏しく、自己肯定感が低くなる。

甘やかし型(服従×保護)

子どもの顔色をうかがい、子どもの言いなりになる養育態度。必要な指導をせず、子どもに課題解決の機会を与えない。子どもは共感性が乏しく自己中心的に。

無関心型(服従×拒否)

子どもに対して拒否的であり、主体的に子どもに関わらない養育態度。親自身の生活が中心であり、子どもへの関心が薄い。子どもは被害感や疎外感が強く、自己肯定感が低くなる。

 

ちょうど真ん中が良いとのことですが、多少偏りがあったとしても、家族間で話し合い、保護者同士でフォローして偏らないようにすること、子どもをよく観察することが大事なのだそうです。

 

 

ペアレンティング・トレーニング

 

もう一冊は、ペアレンティング・トレーニングで行う指導をもとに、親の考え方を変えることを提案しています。ペアレンティング・トレーニングとは、よりよい脳育てのための生活環境づくりであり、脳を育てる順番を重視します。

0〜5歳

規則正しい生活と十分な睡眠により基礎となる間脳、脳幹を育てる。小学生のうちは9時までに寝て、最低9時間の睡眠を確保する。

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6〜14歳

前頭葉が育つ時期。「注意するときは理由を説明する」「あいまいな言葉は使わない」「子どもの気持ちを受け止めて傾聴する」に注意し、互いに理解を深め合っていける、調和の取れたコミュニケーションを行う。言葉がけは「ロジカルに」「フルセンテンスで」が基本。

10〜18歳

前頭葉と間脳、脳幹をつなぐ神経回路が育つ時期。子どもをよく観察し、ポジティブな雰囲気を作る。親は学校の評価には一切関わらず、家庭生活で必要な「軸」のみを持って、子育てをしていく。

 

学校の評価を気にしないというのは、なかなか難しいことだし(通知表やテストの成績に対して毎回コメントを書かないといけなかったり、宿題をしていないと面談でもっと親も確認してくれと言われたりしますよね…)、子どものプライベートは守る(スマホは見ない、子供部屋の掃除はしないなど)というのも、ちょっと色々な意味で(笑)怖いなという気もします。しかし、18歳で「心配0/信頼100」となるように育てていきましょうという考え方は、私も全く同じ考えだし、小学生のうちは睡眠時間を確保するのは勉強よりも大事なことだと思ってきたので、参考にしたい考え方でした。

 

 

子どもに言ってはいけない言葉

 

では、本題の子どもに言ってはいけない言葉の中で、参考にしたいと思ったものを挙げます。

 

あなたのことを思って言っているのよ

これは、子どもを支配しようとする言葉です。日常的にこの言葉を使っていると、子どもは「お母さんの言うとおりに頑張らないと!」と考える脳の神経回路が太くなってしまうそうです。これは、自分がやりたいと思っていることではないため、ストレスとなり積もり積もってしまいます。親は自分の意見を押し付けるのではなく、子どもの考えを引き出すような言葉がけを心がける必要があるということでした。

 

勉強しなさい

「勉強しなさい」と言われた子どもは期待に答えたいと頑張りますが、親が子どもの頑張りを認めず、気持ちを無視され、成績だけを見て非難されると、絶望して自殺願望を抱くようになります。拡大自殺とは、他人を巻き添えにして無理心中を図ろうとする現象で、勉強ができる「いい子」が突然重罪を犯す時、拡大自殺を図ろうとしている場合があります。

 

ちゃんと片付けなさい

これは、あいまい言葉での指示になり、子どもの脳の成長を阻害してしまう恐れがあります。「ちゃんと」「きちんと」「しっかり」などを判断できるようになるのは大人になってからだそうです。「元の場所に戻そうね。そうすると次に読むときにみつけやすいよ」といった感じで、ロジカルに、フルセンテンスで説明すれば前頭葉の発達にも役立つそうです。

 

早く宿題しなさい

私、コレよく言っているのですが、良くないそうです…「ペアレンティング・トレーニング」の理論では、宿題をやらなくても、片付けができなくても、生死に関わる訳ではないので「意識の外に置いてください」、つまり気にするな&何も言うなということだそうです。

子どもの脳をダメにしてまで宿題をさせる必要はありません。

いや、これ、学校の先生に言ってよ~って感じですよね(笑)

 

 

まとめ

 

小学生でうまくいっていた子が中学生になって不登校になったり、高校でグレたり、大学や専門学校を途中退学したりと、どのタイミングで何が起こるのか分からないのが子育てですよね。我が家もまだまだ油断できません。本書を読んで、子どもの言うことを頭から否定せず、信頼して任せること、子どもの悪いところも良いところとして言い換えてたくさん教えてあげること、どんな言葉かけで子どもの表情はどう変わるのかよく観察することが大事だと理解しました。

いや〜子育ては本当に難しいですね。

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