『珈琲の世界史』紹介(2)

珈琲の世界史 (講談社現代新書)

珈琲の世界史 (講談社現代新書)

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目次から内容の紹介を

  • 序章 コーヒーの基礎知識
  • 1ç«  コーヒー前史 (先史時代)
  • 2ç«  コーヒーはじまりの物語 (9-15世紀)
  • 3ç«  イスラーム世界からヨーロッパへ (15-17世紀)
  • 4ç«  コーヒーハウスとカフェの時代 (17-18世紀 消費国)
  • 5ç«  コーヒーノキ、世界にはばたく (18世紀 生産国)
  • 6ç«  コーヒーブームはナポレオンが生んだ? (19世紀 消費国)
  • 7ç«  19世紀の生産事情あれこれ (19世紀 生産国)
  • 8ç«  黄金時代の終わり (-1960年代)
  • 9ç«  コーヒーの日本史 (18-20世紀後半 日本)
  • 10ç«  スペシャルティコーヒーをめぐって (1970-)
  • 終章 コーヒー新世紀の到来 (21世紀)


コーヒーの歴史についての内容は、いわゆる「コーヒー本」では大抵最初の方で触れられてはいますが、どれも決まってヤギ飼いの少年の話から始まり、ヨーロッパへの伝播や栽培の広がりの部分のことに終止しているものがほとんどです。また、コーヒーの歴史を専門に論じた本も、特定の時代や地域だけを取り上げたものが多く*1、「すべての時代を俯瞰できる」通史本が少ないのが現状です*2。

目次で1章以降で括弧書きにしてるのは、それぞれで解説した「時代区分」です。本書は、コーヒーが地球上に出現してから現在にいたるまでを扱う「通史本」の位置づけ……各時代地域についての詳しい内容は、優れた既刊書に譲り、本書では「広く浅く」というスタンスを採っています。

*1:それが、歴史学者の書く本としては正しいスタンスだとは思いますが。

*2:例えば、マーク・ペンダーグラスト『コーヒーの歴史』も近現代アメリカのコーヒーに関する優れた資料ですが、それ以外の時代や地域の内容が少なく、邦題に釣り合っているかと言われると疑問……原題のUncommon Groundには、そんな含意はないのですが