書は言を尽くさず、

本読んだりしています

吉田修一 『作家と一日』

作家と一日 (翼の王国books)
ANA機内搭載誌『翼の王国』連載のエッセイの単行本化。
掲載誌が掲載誌だけに、旅行や取材・出張に関する話題が多い。その中で著作の名前をたまに出すのはファンサービスだろう。
特に印象に残るのは、台湾への旅行記。台湾の持つのんびりした雰囲気と美味しそうな食事、そして「特に何もしない」ということ。熱烈な推し方から著者の台湾への肩入れ具合が解るとともに、著作『路』での台湾の描き方(日本との対比)も思い出す。
旅行以外で印象的なのは、学生時代の友人Mとの、目的も会話もなく一緒に歩くエピソード。まさに吉田修一の登場人物にいそうな、ありえなさそうでありえそうにも思える感じ。