書は言を尽くさず、

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乙一 『一ノ瀬ユウナが浮いている』

一ノ瀬ユウナが浮いている (集英社文庫)
想い人だった幼馴染・一ノ瀬ユウナは事故で他界した。悲しみに暮れる主人公だが、線香花火を点けた時だけ、彼女は彼のそばに現れて……。
切なさの達人・乙一が遺憾なく実力を発揮した作品で、絶品の青春小説であり恋愛ストーリーである。
また、ユウナの趣味のマンガについて少年ジャンプやHUNTER×HUNTERなどの実在雑誌・作品を扱うあたりも乙一らしさに溢れる。実際にHUNTER×HUNTER等の長期休載マンガの結末を待てずこの世を去らざるを得ない人たちの未練を思うと筆舌に尽くし難い。想い人とHUNTER×HUNTERが未練ならば幽霊にもなろう、という理解は浅はかだろうか。