谷寿夫、講義で「略奪、強盗、強姦はかえって士気を旺盛にする」と述べる

太平洋戦争中に海軍教育局長を務めた高木惣吉が、谷寿夫(南京事件当時の第六師団長)について述べた発言が、実松謙『海軍大学教育 戦略・戦術道場の功罪』(光人社)に収録されている。

高木は以下のように述べている。

谷大佐の陸戦術は、興味と教訓の多い名講義だったが、ただひとつ私の心に引っかかったのは、「勝ち戦の後や、追撃戦のとき、略奪、強盗、強姦は かえって士気を旺盛にする、・・・・」 という所見だった。後日、日華事変で柳川兵団(第十軍)に付属した谷師団長が、 南京残虐事件に連座されたことは周知のことであるが、残念でならない

第六師団を率いた谷は上のような考えだった。
そして、谷のあとに第六師団長になった稲葉正夫中将は、1938年7月、岡村寧次第十一軍司令官に以下のように述べた。
http://www.geocities.jp/yu77799/okamura.html

七月十五日正午、私は南京においてこの日から第十一軍司令官として指揮を執ることとなり、同十七日から第一線部隊巡視の途に上り、十八日潜山に在る第六師団司令部を訪れた。着任日浅いが公正の士である同師団長稲葉中将は云う。わが師団将兵は戦闘第一主義に徹し豪勇絶倫なるも掠奪強姦などの非行を軽視する、団結心強いが排他心も強く、配営部隊に対し配慮が薄いと云う。
(「岡村寧次大将資料」(上) P290〜P291)