[註記追加 16.48]
今年は、六月の下旬から槿(むくげ)が咲き出した。
花期は長く、秋の初めまで咲いている。韓国の国花だそうである。
エコばやりである。なんでもエコ。金儲けもエコ・・・?
私にピンとこないのは、「炭酸ガスの排出量取引」。何となく、例の「証券化」が頭に浮かんでくる。
聞いたところによると、「分譲集合住宅(世の中ではマンション:原義は邸宅:と呼ぶ)」は、販売業者がいつの間にか変っている例が多いという。
ある程度売れたところで、当初の業者は、建物を「証券化」して「投資家」に売るのだそうだ。「投資家」とは、何でか知らないが資金を持っている人たち。
こういう「証券化」された物件が増えてくると、その先にはアメリカのサブプライムローンのお化けが見えてくるような気がする。
いま盛んに宣伝されている「長期優良住宅」。通称「200年住宅」である。その前の「100年住宅」のときもそうだったが、その「主題」は、どうも新たな「ローン」の設定にあったらしい。「優良な住宅」はいわば「おとり」で、それをもとに「新しい金儲け」の手立ての構築を考えていたようである。
なぜなら、200年もたせる建物のために、新たに「50年ローン」をつくるのだという。
これは「100年住宅」のころから変らない。長期のローンを組まないと、長持ちする住居がつくれない、かの「錯覚」を意図的に流しているように思える。
(以上については07年に書いた記事:下註参照)。
いくらかの資金を貸して、銀行利率よりも高い利率で返却を求める。借り主は、50年にわたり、貸元に資金を供給するシステム。言ってみれば、何もしないで現金を生むシステム。
その一方で、昨今、ローンの払えなくなった住宅の競売が急激に増えているという。
競売で、貸元は損はしない。別の資金供給者:借り主を募ればいい。
しかし借りた方は、住む場所がなくなる。
そんなことは関係ない、そういう「契約」なんだから・・・。
つまり、本当のところは、サブプライムローンを導入するためのものだったのが、思いがけずアメリカで起きた事態で、とりあえずは沙汰止みになった。そういうことなのだろう。
「とりあえずは」と書いたのは、ほとぼりが冷めたら、復活しようというように見えるからだ。
註 「住宅の低寿命化はなぜ起きたか」
「200年住宅?!」
[註記追加 16.48]
そして、エコ。
炭酸ガス排出量までを、金儲けの材料にしようというのではないか?
炭酸ガス排出量が減ると、取引量も減る。と、金儲けにならない。ということは、真剣に減らそうとするわけがない???
どなたか、この辺の「理屈」を分りやすく教えてください。
と思っていたら、27日付の毎日新聞のコラム、「発信箱」に、次のような内容の記事が載っていた。この記者の発言は、いつも的を射ている。
そこで、全文を転載することに。
◇ 毎日新聞:6月27日コラム「発信箱」より
「ほんとにエコ?」 元村有希子(科学環境部)
高校に出前授業に出かけた研究者がため息まじりに話してくれた。
「科学技術が役に立っていると思う人?」と生徒に聞いたら、しばらくして半分ぐらい手が挙がった。「科学技術が環境を壊していると思う人?」と聞いたら、間髪入れず全員の手が挙がったという。「若者は科学技術より環境を大切に思っているんですね」
事実、公害は科学技術を支える企業活動が生んだ。しかし科学技術は環境問題の解決にも貢献するはずだ。それをすんなり受け入れられないのは、大人たちの言動にどこかウソっぽさを感じ取っているのではないか。
高校生でない私でも納得いかないことは多い。省エネを叫びながら、消費電力の多い大型テレビほどエコポイントがつくのはなぜか。ためたポイントでガソリンが買えるのは変だ。化石燃料使用を減らせと言いつつ、高速道路料金を1000円にしてドライブを奨励するのはどうなの?
大人たちは「健全な経済があってこそ、環境問題の解決に投資できるのだ」と説明するだろう。政府や企業はその行為が地球に少々負荷を与えるとしても、経済発展への努力を怠るわけにはいかないのだと。しかしその「環境か経済か」の二者択一の考え方が、かつて公害や環境破壊を引き起こしてきた。
それでも大人たちは喜々として遠出し、まだ使えるテレビを処分して新品を買い、企業はエコポイントの交換対象に自社製品を加えてもらおうと懸命だ。
自分が得すればいい。企業や日本の景気が上向けばそれでいい。高校生が迷いなく挙げた手は、こういう価値観を大人はまだ変えないのかと問いかけている。
了
いい歳をした「大人」よりも、高校生の方が素直にして核心をついた反応をしている、と私は思った。
見捨てなければならないのは、「思想」を亡くした「大人」たちだ。
ところで、漢語の「経済」は「経世済民」の略からきている。そして、「経世済民」には、現在のような「経済」の意味はない。すでに語源からは逸脱して、別の意味になっている。
以前にも書いたが、「経世済民」の意味で「経済」を考えていたのは、江戸時代の「商人」だったように思う。その代表が「近江商人」。
では、英語の economy の原義はどういう意味なのか。
そしてエコとは英語の ecology の頭を採ったもの。
同じように頭に eco が付く。関係があるのかないのか、このあたりについて詳しい方、教えてください。
いつも参考になる記事が多くて勉強になります。
今後とも記事の更新を楽しみにしています。
紹介させていただいた新聞のコラムの筆者への
中傷としか考えられないコメント?がありました。
もちろん匿名です。
実名でないのをいいことに、
勝手なことを言うことは、私は認めません。
ゆえに、削除させていただきました。
多くの方は、ペンネームであっても、
責任あるコメントをなさっているのです。