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フランスのマクロン大統領をはじめ、世界中から寄せられた追悼の言葉が、その存在の大きさをあらためて感じさせる。「Dr．スランプ」や「ドラゴンボール」で知られる漫画家の鳥山明（とりやまあきら）さんが、1日に亡くなった。68歳、まだまだこれからも活躍してほしかった表現者の、突然の他界を悼む。

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広島市教育委員会が平和教育の小学生向け教材から漫画「はだしのゲン」を削除する方針を決めた。原爆の実相を伝える作品として内外で評価が高く、ロシアが核兵器使用を示唆するなど、核を巡る状況が深刻さを増す今こそ、読み伝えるべきだ。再考を求めたい。

男性同士の恋愛を描く「ボーイズラブ（ＢＬ）」作品を通して、社会やジェンダーについて考える特別講座「ボーイズラブ文化と業界の最前線」が十六日、名古屋短期大（豊明市）であった。ＢＬ作品を扱う老舗出版社「リブレ」（東京）の雑誌編集長三好久子さん（５４）と入江恵子さん（４８）が外部講師として招かれ、ＢＬ漫画の変遷や愛される理由を語った。　（平木友見子） 社会学とメディア研究が専門の現代教養学科の西原麻里准教授（３９）が担当する授業「現代の文化」の一環。三好さんらは、ＢＬは少年愛を描く一九七〇〜八〇年代の少女漫画が始まりと説明した。やがて、それを基にした同人誌の二次創作から商業漫画雑誌へ進出。現在は実...

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【愛知】子ども向けのシリーズ本「止めたい！人種差別」（全3巻、汐文社）が出版された。南山大学の教員らが携わった。米国のブラック・ライブズ・マター（BLM=黒人の命も大切だ）運動など最近の人権問題を取り上げつつ、理不尽な人種差別の知識を深める内容となっている。 米国では一昨年、黒人のジョージ・フロイドさんが白人警官に暴行され死亡。新型コロナの感染症が広がるなか、世界でアジア系住民へのヘイトクライム（憎悪犯罪）も多発している。 本は、こうした事案について「かわいそうだ」という感想だけで終わらせないようにと企画され、川島正樹・南山大教授（米国史）が1、2巻を監修した。 1巻は「アジア人への差別」「ネルソン・マンデラ」「アンネの日記」など、2巻は米国の「BLM」や「奴隷解放」「先住民に対する差別」などを扱う。「自分の身に置き換えて考え、困っている人に手を差しのべる気持ちを育みたい」と川島教授。 1

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集英社主催の第十九回開高健ノンフィクション賞を受賞して書籍化された「ソ連兵へ差し出された娘たち」の記述に問題があるとして、岐阜県白川町の「旧満州黒川開拓団・黒川分村遺族会」（藤井宏之会長）は四日、声明文を発表した。承諾なしに関係者を実名表記したなどと主張。出版元の同社と著者の平井美帆氏に質問状を送ったが、期限までに回答を得られなかったとしている。 開拓団は戦時中、旧黒川村（現白川町）から満州へ渡った。終戦後は現地に取り残され、略奪などから仲間や家族を守るため、団幹部が女性十五人をソ連兵に差し出し、性的な「接待」をさせた。同書は女性らの証言などを基に実態を書いた。 文中では、当時団幹部だった初代遺族会長らを実名で表記。初代会長は一九八〇年ごろの慰霊祭後の酒席で、接待に出た女性に「お前はソ連兵が好きだった」などと言い、「そのような言動が原因で遺族会長を辞めさせられたという者もいた」などと記述し

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愛知県常滑市の市立図書館本館が老朽化のため九月三十日に閉館し、図書館が市内から消滅した。日本図書館協会（東京）によると、全国に三千三百強の公共図書館があるが、消滅したのは財政破綻した北海道夕張市に次いで二例目という。大学や民間も含めて図書館のない市区は中部地方では初めてとなる。...

◇保護者の会 暮らし、童話など16冊「一般の方もぜひ」　障害のある子どもの保護者でつくる「小松市手をつなぐ育成会」が今月、知的障害者や認知症のある高齢者ら、文字を読むのが苦手な人に配慮し、誰もがやさしく読める本「ＬＬブック」を、小松市本折町の福祉の店「夢や」に設置した。育成会の中野晴美会長は「障害のある子と家族だけでなく、一般の方も読んで理解を深めてほしい」と話す。　（井上京佳） ＬＬブックは、一九六〇年代のスウェーデン発祥で、ＬＬは「やさしく読める」という意味。知的障害者や、認知症のある高齢者、日本語を母語としない外国人らが読んで理解しやすいように、やさしい言葉やふりがなを使い、写真や絵、ピクトグラム（視覚記号）を用いている。障害のある人に役立つことを題材とした本が多い。 育成会は、料理や洗濯、化粧の仕方など生活に関わる本や、童話など十六冊を用意し、夢やの二階に展示した。意思表示が苦手な

三重県が県立図書館の資料費として計上した今年度の予算が、全国の県立図書館の中で最も少ないことが日本図書館協会の調査で明らかになった。資料費は、図書館が本を購入するための費用。図書館の関係者からは「民主主義のとりでとしての機能が果たせなくなる」との声も上がる。 県が今年度に資料費として割いた予算は1791万円。日本図書館協会の調査によると、全国的に見ても2千万円を切っているのは三重県だけという。 一方、岐阜県は2017年度から、年間7千万円規模の予算を確保し続けている。岐阜県の担当者によると、新刊本の15～20%を購入するためには、この予算額が必要になるという。 三重県文化振興課によると、10年度の資料費は3716万円で、翌11年度はリーマン・ショック後の国の経済対策による交付金のため、8710万円に上昇。その後は、ほぼ右肩下がりに減り続けている。 年間来館者数も、例年は30万人を超えていた

長野県のJR茅野駅に隣接する茅野市民館図書室が最近、ネットで熱い話題となっている。ずらりと並ぶ本の背表紙が退色してしまい、青っぽくなっているのだ。原因は紫外線とみられ、「本の悲鳴が聞こえる」「意匠重視の設計者の自己満足」などなど、ネット上では厳しい意見があふれるが……。市民館側には公共空間としての狙いと高所にあるがゆえの悩み、ジレンマがあった。 茅野市民館は2005年10月にオープンした。キーワードは「交流」で、外からも見えるし、内からも外が見える。そうすることで異分野の人々の出会いを意識した。 図書室は最も駅に近い空間に細長く作られている。長辺は両側とも高さ5メートルを超える全面ガラス。蔵書は約1万点で、片側の全面ガラスから茅野駅の列車やホームが見え、片側には八ケ岳の山々が映る。開放感とロケーション、日当たりは申し分ないのだが……。 ネットの指摘通り、図書室に並ぶ本の多くは背表紙が青く変

何のため生きるか問う　宇佐見りんさん、受賞作にテーマ内包 生きづらさを抱えた１０代女性の「あかり」を主人公に、彼女が「推し」と位置付ける男性アイドルに全身全霊を傾けるさまを描いた宇佐見りんさん（沼津市出身）の「推し、燃ゆ」。第１６４回芥川賞に輝いた同作を、宇佐見さんと読み解いた。 「芥川賞をいただいたうれしさはあるが、過去の受賞者と並び立てているとは思えない。早く賞にふさわしい作家になりたい」と語る宇佐見りんさん（河出書房新社提供） 「推し」というモチーフは２０１９年に発刊され、２０年に三島由紀夫賞に選出されたデビュー作「かか」にも顔を出している。 「メインテーマではありませんでしたが、もともと書きたいテーマだったんでしょうね。ただ、『かか』の一部をふくらめて『推し、燃ゆ』を書いたということはありません。家族、ＳＮＳといった執筆時に関心があったものが一緒になって出てきた」 「かか」は家族の

サッカーＪ２のジュビロ磐田の赤阪弘昭通訳（５３）が、英語をはじめ五カ国語の通訳となった経緯をまとめた「超実践的英語勉強法」（写真、アルク、千六百五十円）を刊行した。二十二年の通訳経験で考えた英語の学習法を紹介している。　（川住貴） 赤阪さんは埼玉県出身。慶応大理工学部卒業後、以前から興味があった英会話をものにするため、英国行きを決断した。資金はアルバイトでためた約二百万円。現地で「日本語を話さない」「英語だけで話し、英語だけで思考する」という独特の勉強法を続け、レベルを上げた。 その後、スペインに渡り、世界最高峰のスペインリーグ、レアル・マドリードの試合を観戦。感動した赤阪さんは、サッカーで英語とスペイン語を使った仕事をしようと決意した。当時のＪリーグにはブラジル人が多く在籍していたため、ポルトガル語の習得のため、ブラジルで四カ月間、勉強をした。