注目コメント算出アルゴリズムの一部にLINEヤフー株式会社の「建設的コメント順位付けモデルAPI」を使用しています
『永遠のファシズム』(岩波書店) 2016年に世を去ったイタリアの作家ウンベルト・エーコは、1980年に発... 『永遠のファシズム』(岩波書店) 2016年に世を去ったイタリアの作家ウンベルト・エーコは、1980年に発表した『薔薇の名前』で世界的にその名を知られた。同時に記号学者としても活躍し、優れた評論家、哲学者でもあった。欧州を代表する知性であり、生み出した膨大な作品群の全貌を正直、僕はとても網羅できていないが、97年に発表した評論集(邦訳は『永遠のファシズム』として岩波書店から刊行)には学ぶところが多く、いまも時おり読みかえす。 その中の1編でエーコは、主に移民や民族問題について論じつつ、こんな一文をかいている。 『自分と違うひと、見知らぬひとへの不寛容は、欲しいものをなんでも手に入れたいという本能と同様、子どもにとっては自然なことだ。(略)不幸なことに、寛容は、おとなになってからも、永遠に教育の問題でありつづける』(和田忠彦訳、以下同) 要するに異民族への差別といった「不寛容」は、人間に本来
2018/05/04 リンク