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(早川書房・3190円) やわらかな光が包む人間の善良さ 「マイカ・モーティマーのような男は、何を考え... (早川書房・3190円) やわらかな光が包む人間の善良さ 「マイカ・モーティマーのような男は、何を考えて生きているのかわからない」。アン・タイラーが八十歳に近づいたときの作品である、彼女にとっては二十三冊目の小説『この道の先に、いつもの赤毛』は、こう書き出される。 小説の舞台は、アン・タイラーの愛読者にはおなじみのボルティモア。主人公のマイカは四十過ぎの独身男である。コンピュータの技術サービスを提供するのを仕事にするかたわら、アパート管理人を兼務している。決まったスケジュールどおりに日課をこなし、きっちり掃除をすることがささやかな自慢だ。 「この男が、人生とは、などと考えることはあるだろうか。その意味は、要点は――。これから三十年、四十年、まったく同じように生きていくことを思い悩んだりしないのか。それは誰にもわからない。問おうとした人もいないだろう」と語り手は言う。誰からも関心を持たれそう
2022/05/28 リンク