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綺麗な夢を見た 人魚に手をひかれ、海の深くへ沈んでいく。綺麗な所を見せてくれるという。なるほど真に... 綺麗な夢を見た 人魚に手をひかれ、海の深くへ沈んでいく。綺麗な所を見せてくれるという。なるほど真に綺麗なものがあるとすれば、それは地上などではなく、人の手の及ばない海の底にでもあるのかも知れない。 僕たちの周囲を囲むのは限りなく黒に近い青だ。僕はなぜだか仰向けになって手を引かれている。人魚は僕の左手を掴み、僕は引かれるまま頭の方に左腕を伸ばしている。なんだか変な格好だ。人魚は進行方向に顔を向けてぐんぐんと進んでおり、よほど素直な格好をしている。まあ、こちらの方が、ベッドの上で眠りながら沈んでいくような、不思議な心地よさがある。僕は仰向けのまま、生き物のように蠢く海面を見上げる。海面で揺らめく月の光は、軟体動物の体表を覆う粘液のようだ。紺色の世界で、銀色の粘液だけが唯一の実在であり……ただ、それにしてはあまりに頼りない。 僕は実家から小学校に向かう途中の道を思い出していた。不器用にコンクリー
2014/04/08 リンク