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→紀伊國屋書店で購入 ピアノを教えることは、私の大切な仕事のひとつだ。そんな時に折に触れて使う表現... →紀伊國屋書店で購入 ピアノを教えることは、私の大切な仕事のひとつだ。そんな時に折に触れて使う表現がある。曰く「そんなふうにピアノの調律師みたいな弾き方で音を出してはいけません」。感性の良い学生はこの言葉だけで納得し、音の響きが即座に変わることも少なくない。 「調律師みたいな弾き方」とは、伸びのない、耳ざわりな音を出す打鍵のことで、西洋の音楽を奏でるには適さない。楽器の音は弾き方によって大きく変化するが、そこが「生楽器」のおもしろさでもあり、奥の深さでもある。電子楽器と違うのは、正にそこなのだ。楽器に触れる機会のない人でも、仏前の鐘を鳴らす時にうまく響いたり響かなかったり、という経験はあるだろう。 ピアニストにとって調律師は欠かすことのできないパートナーだ。ピアノはしばらく使っていると各音の高さが狂い、響きがにごってくる。たとえ使っていなくても温度や湿度によって状態が変化するやっかいものだ
2013/04/08 リンク