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この連載でユーロ危機を取り上げ始めたのは2011年の11月だった。それから既に1年以上が過ぎた。だが、こ... この連載でユーロ危機を取り上げ始めたのは2011年の11月だった。それから既に1年以上が過ぎた。だが、この間に、債務危機をめぐる情勢が全く好転していないことに驚く。 ECB国債買い取り戦略の効果 読者の中には、「スペインやイタリアの事態は落ち着いたではないか」とおっしゃる方もいるだろう。確かに、今年の秋以降、スペインとイタリアの10年物国債の利回りは、危険水域とされる7%を割っている。その理由は、(1)欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁が2012年9月に「債務過重国が緊縮策を実行すれば、ECBは国債を無制限に買い取る」と発表したことや、(2)ユーロ圏加盟国が「域内の銀行を監視する規制当局が設置されれば、ESM(欧州安定メカニズム)は銀行に資金を直接融資できる」と決定したことにある。ECBがこれまでの戦略を大きく変更し、ドイツの反対を押し切って国債の買い取りを正式に発表したことは、マ
2012/12/04 リンク