週末の出来事など

はじめに、九日月曜日の「ニュース23」のなかで、韓国の平澤(ピョンテク)のことを題材にしたドキュメンタリーが放送されるそうです。
予定では、11時50分頃から、その部分が流れるらしい。


ところで、保坂和志の長編小説『カンバセイション・ピース』がはやくも文庫になっていることを知り、買って読みだした。
まだ読んでる途中だが、すごい作品だ。今年ぼくが読んだ、もともと日本語で書かれた本のなかでは、質量両面において、酒井隆史の『自由論』と双璧ではないかと思う。
こういうのを「ほんものの仕事」というんだな、きっと。

カンバセイション・ピース (新潮文庫)

カンバセイション・ピース (新潮文庫)


読み終わったら簡単な感想を書いてみたいけど、形式上の特徴についてちょっとだけ書くと、たいへん長いセンテンスの文が多いのだが、「〜て、」というふうに接続されていることがすごく多いということ。それから、「それはともかく」という言葉も、情景の描写や事情や思考内容の叙述のなかで、しばしば出てくる、ということである(ちなみに、「それはともかく」は、ぼくもよく使う)。
この二つの点は、この作家の以前からの特徴かもしれないが、この作品では、たいへん長い描写や叙述の文章が多いので、それがとくに目につくのである。


話は変わって、土曜日だが、長く会っていなかった友人夫妻と大阪市内で会って酒を飲んだ。「友人夫妻」というのは、「友人とその奥さん」というより、今ではお二人とも友人ということである。また同時に、「夫妻と友人関係」みたいなニュアンスもある。
それはともかく、上本町で夕方に待ち合わせてて、ぼくがはやく着きすぎたので、約束の時間までちかくを散歩した。谷町九丁目の地下鉄の駅を出て日本橋方向へ坂をずーっと下っていき、松屋町筋に出て天王寺の方向へ折れ、あのあたりは下寺町というみたいだが、以前にもちょっと書いたシアトリカル應典院という建物の前を通りすぎてすこししてから左に曲がって、大きなお寺の間の石畳の坂道を上がって上本町あたりまで戻った。
この石畳の坂道の上あたりは、大きなお寺がいくつも建ち並んでいて、ぼくはもともと大阪で生まれて、また長い間大阪に住んでいるが、天王寺の方はそんなに行く機会がないこともあり、こういうところがあることを知らなかったので驚いた。
この一角は、ほんとに大きなお寺と神社と、ラブホテルしかないみたいな土地だった。
その後、友人夫妻と会って、近くの「すじ平」という、牛すじをフューチャーして韓国料理をいろいろ出してる店でお酒を飲んだ。この店は、牛すじフリークのぼくには嬉しかった。
久しぶりに会って話ができて、とても楽しかったです。


さて、日曜日だが、これも久しぶりに京都競馬場に足を運んだ。
行かない間に京阪の淀駅が改装されて、というか、たぶん建て替えてる最中で、大阪から京都方面へ行く方向のホームは従来どおり淀城の堀端にあるのだが、京都から大阪方面へ向う方のホームは、そこから少し離れた競馬場の正門前ぐらいに移っていて、知らないで行ったぼくはずいぶん戸惑った。
そのうち、全体が正門前に移るのだろう。
前の駅の近く、競馬場に向う狭い道のところは再開発というのか更地になっていて、定食なども出して開催の日にはいつも賑わっていたラーメン屋の「第一旭」もなくなってた。
ぼくは、昔会社員だった頃(短かったが)などは、一年のすべての土日、競馬場に通っていた時期があり、淀に行ったときは、この店でいつも昼ごはんを食べていた。ぼくはこの店の味噌チャーシューが好きで、いつ行ってもそれを注文するので、何年かぶりで行ったときにも店の人に顔を覚えられてたぐらいだ。
その店がなくなって残念な気がしてたら、なんと正門前の新しいホームの改札の横に移転していた。でも、あれはたぶん仮店舗じゃないかなあ?


レースの方だが、ぼくは行ってもいつもメインレースしか買わないのだが、この日は京都大賞典というのがメインで、馬券はきっちり外したんだけど、ぼくの大好きなスイープトウショウという牝馬が、すごくかっこのいい勝ち方をした。
京都大賞典を勝った牝馬というと、「女傑」といわれたヒシアマゾンという馬、これはぼくがもっとも記憶に残っている競走馬だが、この馬の「十三頭ごぼう抜き」というのが有名なんだけど、この日のスイープトウショウも一流の牡馬たちを苦もなく抜き去っていく見事な勝ちっぷりだった。
ただ、勝ちタイムが2分31秒5と、開幕週にしてはずいぶん遅いことからも分かるように、ちょっと極端なレースではあったと思うが。


それはともかく、この日双眼鏡でレースを見ていて、この馬が流線型の非常に美しいフォームで走る馬だということを、あらためて思った。こんなに際立ってきれいなフォームだとは、気づいてなかった。ああいう無理のない走りだから、直線であれだけの脚が使えるんだろう。
これは、歩いてるときにも、同じように首を低く下げた独特の姿勢を保っていて、パドックで見た瞬間に、「ああ、スイープだ」とはっきり思ったほどだ。
この日は、騎手の池添の手綱さばきも見事で、たいへん乗り難しいといわれるこの馬の性格を、どうやら完全に把握したのではないかと感じた。
そう思わせておいて、次のレースではまったく言うことを聞かなくなるというのが、スイープトウショウという馬なんだけど・・。