「夢精は凄い気持ちが良い」ときくが、たいして気持ちよくはなかった。
あるのはただ「面倒なことになった。出社までパンツを洗わなければ」という嘆きだけであった。
思えば曖昧な夢の中では確かにある程度の気持ちよさはあったのだが、夢の中のボンヤリとした感覚の中で得られる快感は目を醒ましている時のソレよりもおぼろげで、朝っぱらからパンツを流しで洗い、射精後の気怠い身体で一日を始めることには見合うとは思えなかった。
だが、後悔はない。
あの夢の中で安直な濡れ場に流されることを拒絶しなかった事に後悔はない。
夢精というものを己の身体で知ることがなければ、夢精を語ることは永遠に出来まい。
私は夢精を語れぬ人生から夢精を語れる人生へと生まれ変わったのだ。
ただ粘膜を己の手やシリコンで擦る事しか知らぬ人生から卒業したのである。
夢精は突然にやってくるのだ。
夢精をする10分前、私はゾンビをリボルバーで撃ち殺し、次弾を装填するまでにかかるタイムラグに何度も命を脅かされながら廃墟を彷徨っていた。
周囲を怪物に囲まれ、もはや残りの弾数ではしのげぬと悟った私は、咄嗟に床板を拳銃で撃ち抜いて逃げ道を作っていた。
その後何が起こったのかはよく覚えていない。
実に出来の悪いシナリオと唐突な濡れ場であったことだけは覚えている。
「もしもこのまま世界が滅びるのならば、我々がアダムとイブになるしかない。我々もいつまで生き残れるのか分からないのだ。子供を作るなら早い方がよい」そんな理由でセックスが始まった。
酷い脚本だ……これが映画ならば午後ローで上映されることはあっても金ローで上映されることは永久にあるまい。
女も私もいつの間にか服を脱いでいた。
そして私は股間のマテバを彼女の股間に擦りつけていた。
擦りつけながらも指を彼女の股間に挿し込み往復させていた。
キュビズムのように、2つの事象は並行して存在し、この体には確かにその2つの体験が同時に合った。
指先はヌメリ、私のデザート・イーグルは曖昧な快感を脳に伝えてきた。
そして、10回ほどお互いの粘膜が擦れあった頃であった、突如私の前立腺がガクガクと脈動し――それは全くもって驚くべきほどに激しく私の身体を打ったように思われた。何故ならそれまでの私が感じていた全ては、夢を見ている脳が作り出した幻肢痛にも似た偽りの曖昧模糊とした感覚しかなかったのだから。そこに唐突に本物の、本当の感覚がやってきたのだ。擦れあう粘膜も、指の滑りも、硝煙の香りも、全ては思い出のパッチワークにすぎず、そこには実態が持つ強烈で絶対的なエネルギーは無かったのだ。そこに、その日の朝初めて、「実態」が私の内側から飛び出してきたのであった。――その激しさとそれまでの霞がかった感覚との差から私は自分が夢を見ていることに気づいてしまった。
そして、射精の余韻を感じる暇もなく、今日が平日であり、もしこのままノンビリとしていればカピカピとしたトランクスを洗濯カゴに放置することになり、帰ってくる頃には家中に栗の花が咲き乱れたような有り様となっているであろうことにまで思い当たったのだ。
あとは先程述べたように、私は急いでトランクスをすすぎ、洗濯機に投げ込み、そして干し、服を着替え、駅へと歩き出したのであった。
いやトランクス捨てろよきったねぇな
https://anond.hatelabo.jp/20171201192731
初夢精なんてみんな中学生で済んでるものじゃないの??? 犬と戯れてる夢で夢精した日の自己嫌悪といったらなかったな…
夢精なんてしたことのない人のほうが多いと思うよ。 溜まってきて、ムラムラしたら性器いじりを始めちゃって そのまま初めて射精する人の方が圧倒的に多い。
そうなのか、、、家が狭くてやりたい時にできない環境だったのもあるのかな。
夢精というのは男の子にとって大切な行事です。 地域によって違いますが、一般的に夢精した日の家族の食事は白飯にするというのが習わしです。 みなさんも心当たりがあると思います...
うちの地域では卵かけごはんだったな