A4の宇宙

数学と物理をA4ノートに収まる範囲で。

三項漸化式 - 特性方程式が2つの解を持つ場合

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特性方程式とは何か?

こちらを参照。

 

解がp\neq qの場合

式(2)と式(3)の漸化式を等比数列に変形する。初項と次の項をそれぞれa_0, a_1とした。

\begin{eqnarray}
a_{n+1} -p a_{n} &=& q^n(a_{1} -p a_{0}) \tag{4}\\
a_{n+1} -q a_{n} &=& p^n(a_{1} -q a_{0}) \tag{5}
\end{eqnarray}

 

式(5)から式(4)を辺々引くとa_{n+1}が消える。

\begin{eqnarray}
(p-q)a_n&=&p^n (a_1- q a_0)-q^n( a_1-p  a_0)
\end{eqnarray}

 

両辺をp-qで割る。(p \neq qとしているので0割の心配はない)

\begin{equation}
\underline{a_n=\frac{p^n (a_1- q a_0)-q^n( a_1-p  a_0)}{p-q}}
\end{equation}

一般項a_nが求められた。

テストで解くときには式(4)と式(5)の段階で数値を代入した方が計算が楽であるが、代数での記述も美しい。

 

例題

以下の漸化式を解き、一般項a_nを求める。
\begin{eqnarray}
a_{n+2}&=&5a_{n+1}-6a_n\\
a_0&=&5\\
a_1&=&7
\end{eqnarray}

 

特性方程式はx^2-5x+6=0、

因数分解して(x-2)(x-3)=0なので、解はx=2, x=3である。

 

等比数列に変換する。

\begin{eqnarray}
a_{n+1}-2a_n&=&3^n(7-2\cdot5)\\
a_{n+1}-3a_n&=&2^n(7-3\cdot5)
\end{eqnarray}

 

カッコ内を計算する。

\begin{eqnarray}
a_{n+1}-2a_n&=&-3 \cdot 3^n\\
a_{n+1}-3a_n&=&-8 \cdot2^n
\end{eqnarray}

 

上の式から下の式を辺々引く。

\begin{equation}
\underline{a_n=8 \cdot 2^n -3 \cdot 3^n}
\end{equation}

一般項 a_nが求められた。

 

検算してみる。漸化式から、

\begin{eqnarray}
a_0&=&5\\
a_1&=&7\\
a_2&=&5\cdot7-6\cdot5=35-30=5\\
a_3&=&5\cdot5-6\cdot7=25-42=-17\\
\end{eqnarray}

 

一般項から、

\begin{eqnarray}
a_0&=&8\cdot2^0-3\cdot3^0=8-3=5\\
a_1&=&8\cdot2^1-3\cdot3^1=16-9=7\\
a_2&=&8\cdot2^2-3\cdot3^2=32-27=5\\
a_3&=&8\cdot2^3-3\cdot3^3=64-81=-17\\
\end{eqnarray}

a_0からa_3までのの結果が一致していることが確認できた。