五丁目橋たもと「たちそば」で名物“おばけ”を喰らう

 

秋田 真夜中のそば屋で

2024年5月17日、NHK総合で放送の『ドキュメント72時間』は、秋田市南通亀の町「たちそば」を取材した「秋田 真夜中のそば屋で」。再放送は5月26日(日) 午後6:05〜。

冒頭タイトルバック画像のどんぶりは昭和からつづく名物メニュー “おばけ” 。

その昔、キツネ(油揚げ)とタヌキ(揚げ玉)と月見(卵)の全部乗せが食べたい、という欲張りな客の要望に応えて出したのがはじまりという一品。「月の夜にタヌキとキツネが化かし合う」という意味を込めて “おばけ” と命名。ネーミングセンスが良い。

秋田 真夜中のそば屋で
初回放送日:2024年5月17日

秋田市にあるちょっと変わった、おそば屋さんが舞台。開店は夜の10時で、夜通し営業して閉店は翌日お昼ごろと、まさに昼夜逆転。そばだけでなく、お酒とつまみもいっぱいある。ここにはさまざまな人たちが集う。お酒を飲んだあと、そばをシメにという人たちや、歓楽街で接客の仕事を終えた人たち、また3月は就職や転勤での別れを惜しんで飲みあかす人たちの姿も。なごり雪の舞う季節、真夜中のそば屋に密着する。

秋田 真夜中のそば屋で - ドキュメント72時間 - NHK

『ドキュメント72時間』の秋田ネタといえば、かつて土崎港に存在した佐原商店の「うどん・そば自販機」を取材し、2015年3月に初回放送された「秋田・真冬の自販機の前で」を思い出す。

登録者数100万人の人気YouTubeチャンネル「黙飯 MOKU MESHI TOKYO」が「たちそば」で取材した良質なドキュメンタリーを、2023年3月にアップしているので文末に貼っておく。

たちそば
▲2010年04月 南大通りから五丁目橋を望む

たちそば
▲2011年05月 五丁目橋たもと たちそば

営業時間が22:00 ~14:00となったのは最近のこと。夕方から開いていた数年前まではよく利用していたが最近はご無沙汰している。

五丁目橋を西に渡れば夜の歓楽街・川反通り。そして「たちそば」から南に歩を運ぶと有楽町通り。かつては映画館街であった有楽町で映画を鑑賞したあと、その余韻にひたりながら「たちそば」でそばかうどんを食べるのが青春時代の定番コースだった。その頃の営業時間は昼前後から深夜までだったと記憶している。

たちそば
▲2004年11月

上掲画像の看板にある “〇は(まるは)” は「たちそば」が創業される以前からの家印で、往年はそば屋のほかに雀荘やスナック、果実店なども経営していた。1971(昭和46)年の広告に系列店として「まるは果実店」の名が見える。「たちそば」がビルを建てる前、二階建て旧店舗の階上に雀荘「ロン」があった。

たちそば
▲1971(昭和46)年 新聞広告

たちそば
▲五丁目橋界隈鳥観

旭川に架かる五丁目橋のたもとに見える水色の変形建築が「たちそば」のビル。この場所で同店がオープンしたのは1965(昭和40)年とのこと。

都市計画道路・川尻広面線の道路拡幅工事にともない「たちそば」旧店舗が解体された後、残された敷地に、道なりにカーブを描く船形の変形ビルが建てられ、一時休業を経て、1994(平成6)年10月リニューアルオープン。

上掲のGoogleマップ画像で、五丁目橋を渡った西側、これから解体工事が予定されている横町商店街の道幅を見れば、拡幅工事の実施前と実施後を比較できる。

1996(平成8)年に五丁目橋の架け替え工事が始まり「たちそば」前が封鎖されたため、工事が終わるまで「赤れんが郷土館」の向かい、すずらん通り角地の「ヒラノヤビル」を仮店舗として短期間営業した。

たちそば
▲2014年07月

隣接する高層建築物がないため、妙な存在感がある「たちそば」ビル。

たちそば
▲2022年02月

読者

立ちそ ぱ?ば?

たちそ「ぱ」なんですか?
それとも誤字?
言及がなかったので。

2024.05.15 Wed 22:25
川端たぬき
川端たぬき

Re: 立ちそ ぱ?ば?

御指摘感謝

2024.05.16 Thu 09:46
名無しさん

たちそば、川端五丁目の顔ですね。私も色々思い出があります。先々代の御夫婦、先々代が
亡くなった後も上等の置物の様に店に鎮座なさっていた先々代の女将さん。
現若旦那が東京から戻ったのはもう10年も前でしょうか。昼営業に力をいれてましたが、
現在は色々あって夜メインですね。親父さんがもう少ししっかりしていれば若旦那の苦労も
無かったとおもう次第です。川端の飲食業界隈では知られた話…

2024.05.17 Fri 18:17