1. 雁々渡れ鍵になって渡れ

    秋も中旬の高い空に真雁の群がV字型の編隊を組んで、どこか憂えをおびた鳴き声とともに姿を見せると、子どもらは空を見上げて「雁々渡れ」と声を張り上げた。 雁々渡れ大きな雁はさきに小さな雁はあとに仲よく渡れ 上掲の楽曲は明治時代に『小学唱歌』に採用されたもの。 ↑ 伊沢修二 編『小学唱歌』第一巻(明治25年)より 文部官僚で近代日本における音楽教育の第一人者・伊沢修二が、古来のわらべ歌を改作し学校教育用...