Ia型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 04:09 UTC 版)
詳細は「Ia型超新星」を参照 I型の中でも珪素の吸収線が見られるものをIa型と呼ぶ。楕円状銀河・渦状銀河・不規則銀河といったあらゆる型の銀河に出現するが、後述のII型より少ない。連星系をなしている白色矮星が相手の恒星から降り積もったガスによりチャンドラセカール限界まで質量を増加させ、ついには、自らの重力による収縮を支えきれなくなる。この収縮によって、炭素と酸素からなる中心核で、炭素の核融合反応が暴走し、大爆発を起こす。Ia型超新星は発生契機となる白色矮星がチャンドラセカール限界に定められた一定の質量となるため、ピーク時の絶対等級がほぼ一定となり、見かけ上の明るさを測定することで超新星爆発の起こった銀河までの距離を求めることができる。このように距離測定時の明るさの基準として使える天体を標準光源と呼ぶ。Ia型超新星は非常に明るいため、宇宙論的距離まで使える標準光源として有用であり、宇宙モデルの検証などでしばしば用いられる。ただし、最近ではSN 2011feやPTF11kxのような、これまで知られていないタイプの現象を起こすIa型超新星が発見されている。 2013年、森浩二宮崎大学准教授などのグループは、エックス線観測衛星「すざく」による「1604年ケプラーの超新星爆発の残骸」の観測で、他の超新星に比べて金属量が3倍あることを突き止めた。金属量の違いは明るさの違いに結びつく可能性があり、超新星爆発の明るさの違いが存在し、宇宙の膨張速度の計算に影響する可能性がある。
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.Ia型
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I型の中で、爆発時の明るさとその持続時間が、いずれもIa型の数値とくらべて小数点以下くらいしかないものを.Ia型(ドットいちエーがた)と呼ぶ。.Ia型超新星の発生には、質量の異なった白色矮星2個がお互いに相手の周りを回る軌道を描いていることが条件で、質量の大きな主星は炭素および酸素で組成され、質量の小さな伴星はヘリウムを主な物質として組成されている。主星重力の影響で伴星側から組成主成分であるヘリウムが主星側へ少しずつ引き寄せられていき、やがて主星の周囲に蓄積して主星を包み込むようになる。数千万年も経過すると、蓄積されたヘリウムが一定質量を超え、非常に明るいが短時間で終息する爆発が起きる。このとき爆発を起こすのは蓄積されたヘリウムのみで、2個の白色矮星はそのまま軌道を維持し、再び同じ爆発サイクルを繰り返す。 .Ia型超新星の発見第1号は SN 2002bj と呼ばれる超新星である。爆発自体は2002年に確認されており、当初はII型超新星に分類されていたが、II型超新星で本来放出されるはずの物質が確認されなかった。また、太陽の100億倍という明るさを放ったのちに急速に光が衰え、爆発から約20日後には不可視化光になったという点が典型的なIa型とも異なった。減光期間や化学組成などを分析した結果、2007年に提唱された新しいタイプの.Ia型であるとされた。
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