高周波焼入れ
鉄製品の表面(全体または部分)を硬くすることにより、耐摩耗性や耐疲労性などを向上させる処理である。被処理製品の加熱したい部位の外周形状にわずかな隙間をもつコイル(ワークコイル)に高周波誘導電流を流すと、ジュール熱で部品の表面だけが急速に加熱される。高温に加熱したのち水、水溶性焼入れ剤または油を用いて焼き入れする処理をいう。高周波焼入れ後の硬さは、材料の炭素含有量によって決まり、実用的な硬さを得るため、炭素量が0.30~0.55%を含有した炭素鋼や合金鋼が用いられる。高周波焼入れは、自動車用の部品では長尺物に用いられることが多く、アクスルシャフト、等速ジョイントのアウターレース、ステアリングのラックシャフトおよびクランクシャフトなどに使われる。
高周波焼入れ
induction hardening | ||
加熱が誘導によって行われる表面硬化処理。
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高周波焼入れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 06:33 UTC 版)
高周波焼入れ(こうしゅうはやきいれ、英語:induction hardening)とは、鋼に、高周波の電磁波による電磁誘導を起こし、表面を過熱させて焼入れを行う熱処理の手法。
- ^ 矢島悦次郎・古沢浩一・小坂井孝生・市川理衛・宮崎亨・西野洋一『若い技術者のための機械・金属材料』丸善、2002年3月10日、第2版、164-165頁。
- ^ a b 大和久 2008, p. 57.
- ^ a b 山方三郎『図解入門 よくわかる最新熱処理技術の基本と仕組み』秀和システム、2010年、第2版、140頁。ISBN 978-4-7980-2573-5。
- ^ a b 日本熱処理技術協会(編) 2013, p. 160.
- ^ 坂本 2007, p. 132.
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- ^ “コイルについて”. 横浜高周波工業. 2014年7月26日閲覧。
- ^ 坂本 2007, p. 130.
- ^ 坂本 2007, p. 22.
- ^ 日本熱処理技術協会(編) 2013, pp. 18–19.
- ^ “シリーズ|表面硬化熱処理1:表面硬化熱処理を使いこなす 川重テクノロジーWebマガジン Techno Now”. 川重テクノロジー. 2014年7月26日閲覧。
- 1 高周波焼入れとは
- 2 高周波焼入れの概要
- 3 長短所
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