青島運送艦とは? わかりやすく解説

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青島 (運送艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/12 01:48 UTC 版)

青島
基本情報
運用者  大日本帝国海軍
艦種 運送船[1] (運送艦)、または給炭艦[2]
母港 横須賀 (1920年時[1])
艦歴
進水 1906年[1]
就役 1915年8月23日 (日本海軍籍に編入)
除籍 1936年4月1日
その後 1939年4月30日撃沈処分
要目(1924年時)
排水量 1920年調:8,300ロングトン (8,433 t)[1]
満載排水量 1924年時:8,299.86ロングトン (8,433.05 t)
軽荷排水量 1924年時:4,742.41ロングトン (4,818.51 t)
総トン数 1924年時:3,844トン
全長 355 ftin (108.28 m)
垂線間長 341 ftin (104.17 m)[注釈 1]
最大幅 49 ft 5 in (15.06 m)
吃水 1920年調:21 ft 8+12 in (6.62 m)[1]
軽荷:前部10 ft 10+34 in (3.32 m)、後部14 ft 6+38 in (4.43 m)
満載:前部19 ft 11+1316 in (6.09 m)、後部23 ft 5+316 in (7.14 m)
ボイラー 1920年調:戻火円缶 2基[1]
1924年時:宮原式缶 3基[2]
主機 直立4気筒3段膨張レシプロ
推進 1軸[1]
出力 1,261 ihp (940 kW)[1]
速力 10ノット (19 km/h)[1]
燃料 1920年調:石炭758ロングトン (770 t)[1]
1924年時:石炭庫量510トン、露天100トン、缶前5トン
乗員 114名[1]
搭載能力 載貨トン数:5,146トン
3,136重量トン
兵装 40口径安式8cm単装砲 2門
曹程式探照灯 1基
搭載艇 内火艇1隻、カッター3隻、通船2隻
その他 船材:[1]
出典の無い要目は[2]による。
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青島(せいとう/せいたう)は、日本海軍運送艦。艦名は本艦の前身だった貨物船が自沈していた中国山東省の港湾「青島港」にちなむ[注釈 2]

概要

第一次世界大戦で日本はドイツに宣戦布告して青島を攻略占領したが、その時に港に自沈していたうちの1船で、元はドイツのフレンスブルク社建造のドイツ貨物船「デュレンダルト(Durendart)」。1914年(大正3年)11月7日に捕獲、浮揚して1915年(大正4年)8月23日に「青島」と命名して運送船に類別された。その際、給糧設備と給炭設備を設けている。1920年(大正9年)4月1日には特務艦(運送艦)とされた。

主な戦歴は第一次世界大戦での青島方面への輸送任務、1918年(大正7年)のウラジオストクへの軍需品輸送任務、1930年(昭和5年)に砲艦小鷹」を日本から上海まで輸送する任務など。元々は大型の貨物船であり利用価値は高かったがボイラーの不調に悩まされた[3]

1936年(昭和11年)4月1日に除籍。1937年(昭和12年)1月22日、名称を廃艦第8号とする。1939年(昭和14年)4月30日に戦艦主砲射撃の実艦標的として土佐沖で撃沈処分された。

艦型

無線機は1924年時点でM式三号三吉送信機1台、七年式受信機1台、一一式増音機1台を装備した[2]

搭載量

1924年時の運送艦としての能力は以下の通り[2]

  • 補給用石炭: (和炭) 4,695.4トン
  • 自艦用清水:缶水210トン、自艦用飲料水256トン
  • 補給用清水:660トン
  • 冷蔵庫容積:獣肉4,500、野菜3,000貫
  • 製氷機:6台
  • 便乗者用ベッド:14台

積載装備は前檣に15トン・デリック1本、3トン4本、3トン揚貨機4台[2]。 後檣に3トン・デリック4本、3トン揚貨機4台[2]

公試成績

実施日 種類 排水量 回転数 出力 速力 場所 備考 出典
1919年11月29日 公試運転 68.9rpm 1,195馬力 10.7ノット [4]

特務艦長

※『日本海軍史』第9巻・第10巻の「将官履歴」及び『官報』に基づく。階級は就任時のもの。

指揮官
  • 橋本虎六 中佐:1916年8月19日 - 9月5日
  • 名古屋為毅 中佐:1916年9月5日 - 12月1日
  • 寺岡平吾 中佐:1916年12月1日 - 1917年12月1日
  • 末次綱吉 中佐:1917年12月1日[5] - 1918年8月15日[6]
  • 原敢二郎 中佐:1918年8月15日 - 12月1日
  • 園田般次郎 中佐:1918年12月1日[7] -
  • 池田幸作 中佐:1919年12月1日[8] -
特務艦長
  • 江守久 中佐:1920年12月1日[9] - 1921年11月10日[10]
  • 木岡英男 中佐:1921年11月10日[10] - 1922年8月1日[11]
  • 植村茂夫 中佐:1922年8月1日 - 12月1日
  • 野崎直吉 中佐:1922年12月1日[12] - 1923年2月20日[13]
  • 平山栄 中佐:1923年2月20日[13] - 1923年10月20日[14]
  • (兼)吉川真清 中佐:1923年10月20日[14] - 1923年12月1日[15]
  • 鎮目静 中佐:1923年12月1日[15] - 1924年12月1日[16]
  • 加藤完 中佐:1924年12月1日[16] - 1925年8月1日[17]
  • 寺本武治 中佐:1925年8月1日 - 12月1日
  • 服部豊彦 中佐:1925年12月1日[18] - 1926年4月1日[19]
  • 山口長南 中佐:1926年4月1日 - 7月10日
  • 浅井謙只中佐:1926年7月10日 - 12月1日
  • 小檜山真二 中佐:1926年12月1日[20] - 1927年6月25日[21]
  • 三好七郎 中佐:1927年6月25日[21] - 1928年6月15日[22]
  • 合葉庄司 中佐:1928年6月15日[22] - 12月10日[23]
  • 高柳勝次郎 中佐:1928年12月10日[23] - 1929年5月31日[24]
  • 西川速水 中佐:1929年5月31日[24] - 1929年11月30日[25]
  • 脇鼎 中佐:1929年11月30日 - 1930年12月1日
  • 本田源三 中佐:1930年12月1日[26] - 1931年4月1日[27]
  • 鮫島具重 中佐:1931年4月1日 - 1931年10月1日
  • 福田均三 中佐:1931年10月1日[28] - 1932年12月1日[29]
  • 森口重市 中佐:1932年12月1日[29] - 1933年11月10日[30]
  • 犬塚惟重 中佐:1933年11月10日[30] - 1934年11月6日[31]
  • 佐藤波蔵 中佐:1934年11月6日 - 1935年11月15日

脚注

注釈

  1. ^ 『戦史叢書 海軍軍戦備<1>』の付表1-3による。『世界の艦船』では垂線間長104.16mとある。
  2. ^ 『日本海軍艦船名考』195ページ。なお、片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝』の研究では都市名の「青島市」が由来としているが、日本艦船の命名慣例からは明らかに外れており、また外れていることに対する説明もない。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l #戦史叢書31海軍軍戦備1付表第一その三「大正九年三月調艦艇要目等一覧表 その三 潜水艦、水雷艇、特務船」
  2. ^ a b c d e f g #T14公文備考42/特務艦要目コマ5-18、特務艦要目表(大正13年11月調)
  3. ^ 世界の艦船 増刊第47集』p35。
  4. ^ #T8公文備考21/旗艦変更(2)コマ26
  5. ^ 『官報』第1601号、大正6年12月3日。
  6. ^ 『官報』第1812号、大正7年8月16日。
  7. ^ 『官報』第1900号、大正7年12月3日。
  8. ^ 『官報』第2199号、大正8年12月2日。
  9. ^ 『官報』第2501号、大正9年12月2日。
  10. ^ a b 『官報』第2784号、大正10年11月11日。
  11. ^ 『官報』第3001号、大正11年8月2日。
  12. ^ 『官報』第3102号、大正11年12月2日。
  13. ^ a b 『官報』第3166号、大正12年2月21日。
  14. ^ a b 『官報』第3350号、大正12年10月22日。
  15. ^ a b 『官報』第3385号、大正12年12月4日。
  16. ^ a b 『官報』第3684号、大正13年12月2日。
  17. ^ 『官報』第3883号、大正14年8月3日。
  18. ^ 『官報』第3982号、大正14年12月2日。
  19. ^ 『官報』第4080号、大正15年4月2日。
  20. ^ 『官報』第4283号、大正15年12月2日。
  21. ^ a b 『官報』第147号、昭和2年6月27日。
  22. ^ a b 『官報』第440号、昭和3年6月16日。
  23. ^ a b 『官報』第587号、昭和3年12月11日。
  24. ^ a b 『官報』第725号、昭和4年6月1日。
  25. ^ 『官報』第878号、昭和4年12月2日。
  26. ^ 『官報』第1179号、昭和5年12月2日。
  27. ^ 『官報』第1275号、昭和6年4月2日。
  28. ^ 『官報』第1429号、昭和6年10月2日。
  29. ^ a b 『官報』第1778号、昭和7年12月2日。
  30. ^ a b 『官報』第2060号、昭和8年11月11日。
  31. ^ 『官報』第2356号、昭和9年11月7日。

参考文献


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