重要な拠点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 14:44 UTC 版)
ニューエイジは、アメリカ西海岸、その中心地カリフォルニアと関係が深い。アメリカの神智学協会(ポイント=ローマ派)を率いたキャサリン・ティングリー(英語版)が、1897年にカリフォルニアのロマ岬に、理想郷を目指して330エーカーの土地を購入し、諸宗教の文化・建築様式をとり入れた派手で華やかなコミュニティを作った。劇、ヨーガ、ダンスを中心に、実技、創造力、瞑想などのカリキュラムが行われ、音楽が非常に盛んだった。古代遺跡研究所では、『神々の指紋』のようなアトランティス大陸や超古代文明、考古学と神智学の混合したオカルト的な歴史研究が行われ、こうした研究からティングリーは、アメリカこそ世界最古の文明で、その中心はカリフォルニアであり、ロマ岬だと信じるようになった。ティングリーの東洋風の宮廷とも呼ばれたコミュニティは1907年頃が最盛期で、徐々に下火になり、1923年にスキャンダルにより閉鎖したが、このコミュニティの存在により、カリフォルニアはカルトの本場、神秘の国、「魔術の帝国」として知られるようになり、世界中のオカルティストが集まるようになった。ヨーギー(ヨーガ行者)がカリフォルニアに影響を及ぼすようになったのも、この神智学コミュニティを通してであったと言われる。カリフォルニアは、ヒッピー文化、ニューエイジを通して、新しいスピリチュアル文化の中心地、象徴的な土地となった。 フレデリック・パールズがゲシュタルト療法を導入したヒューマン・ポテンシャル運動の重要な拠点エスリン研究所は、ロマ岬の近くである。エスリン研究所は、1961年にスタンフォード大学心理学科卒業生のマイケル・マーフィー (作家)(英語版)とディック・プライス(英語版)が設立した。「社会的条件付けから人間を解放する方法」を探求し、「抑圧された情動を探してそれをオープンにする」よう努めるものだったという。学者を集め様々なセミナーを有料で行い、感受性訓練に始まるエンカウンタームーブメントとカウンターカルチャーが結びついた潮流の拠点となった。初期の三本柱はエンカウンターグループ、ゲシュタルト療法、ボディワークであった。マーフィーは大規模自己啓発セミナーのエアハード式セミナー・トレーニング(英語版)(略称:est、エスト)を作ったワーナー・エアハードと親交があり、エスリン研究所はestの助成金を受けたこともある。 もうひとつニューエイジを牽引した団体として、1960年代にスコットランド北部フィンドホーン(英語版)に設立され、ディーヴァと呼ぶ不可視の存在のアドバイスを得て農業を行っていたというフィンドホーン・サークル(現フィンドホーン財団(英語版))がある。
※この「重要な拠点」の解説は、「ニューエイジ」の解説の一部です。
「重要な拠点」を含む「ニューエイジ」の記事については、「ニューエイジ」の概要を参照ください。
- 重要な拠点のページへのリンク