酸素発生複合体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/25 22:40 UTC 版)
水の酸化は、酸素発生複合体(英語版)として知られるマンガン含有補因子を含む光化学系IIにより触媒される。つまり、マンガンを反応中心としたマンガンクラスタと呼ばれる部分に2分子の水が供給されて、この水分子から4つの電子を奪い取り、4つのプロトンと1分子の酸素とに分解する。したがって、マンガンは植物の光合成にとって重要な補因子である。ただし、この反応が起こるためには、カルシウム及び塩素も必要である。 X線結晶構造解析のデータにより、酸素発生複合体及びそのマンガンクラスタの構造と活性機構が推定された。分光学的な観察により、酸素発生には、核部分の3つのマンガンイオンと1つのカルシウムイオンのクラスタとさらに1つのマンガンが関与しており、S状態と呼ばれる中間状態を経て酸化されることが明らかとなった。酸素分子のO-O結合は、マンガンが付加した酸素原子の間で形成される。
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