肯定的評価(否定的評価への反論)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/18 09:05 UTC 版)
「撫順戦犯管理所」の記事における「肯定的評価(否定的評価への反論)」の解説
朝日新聞は1989年8月の記事では撫順戦犯管理所での認罪について「中国政府の旧戦犯に対する処遇方針は『罪を憎んで人を憎まず』というものだった。徹底的な思想改造に重点を置き、戦犯として収容された者の中から一人の処刑者も出さなかった」と報じ、1998年4月には「日中国交回復など国際情勢の変化も射程に入れ、革命思想の成果も内外に示したかったという事実は否定できない。ただ、周首相としては人間を変えない限り、戦争を防止できないという考えがあったといわれ、これを洗脳の一 言で否定し去るだけでは一面的な見方になる」とした。 雑誌「世界」1954年12月号で「もっといけないのは彼らの監禁生活が長かっただけに、いわゆる 洗脳をうけているだろう、と誰もが考えることだ」として当時のジャーナリズムの論評を批判した。「世界」1994年11月号では、「中帰連は、日本人がかつての戦争をどのように克服し、歩んでいったらいいのか を考える時、私たちに多くの視座を与えてくれる」と評価した。ジャーナリスト新井利男は『世界』1998年5月号で「天皇崇拝思想・軍国主義思想に洗脳されていた戦犯たちが、自らそのマインドコントロールを解き放ち、精神の自由を取り戻して罪を告白」したと評価している。2000年には『週刊金曜日』が撫順戦犯管理所での認罪を「『人類の解放』という理想を体現した世界でも 希有な歴史的事実」と評し、2010年には中帰連メンバーを「20世紀の奇蹟」と称賛した。 長崎大学の谷川昌幸は撫順戦犯管理所での認罪は、真実和解委員会の先駆けとする。 早稲田大学アジア太平洋研究センターの安藤裕子は、撫順戦犯管理所は、ハンナ・アーレントや鎌仲ひとみと同じく、「人間として考えて行動する責任」,「自分のとった 行動の結果に責任を取る態度」を追究したとした。
※この「肯定的評価(否定的評価への反論)」の解説は、「撫順戦犯管理所」の解説の一部です。
「肯定的評価(否定的評価への反論)」を含む「撫順戦犯管理所」の記事については、「撫順戦犯管理所」の概要を参照ください。
- 肯定的評価のページへのリンク