石淵湖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 23:25 UTC 版)
ダムによって形成された人造湖は石淵湖(いしぶちこ)と命名された。栗駒山系の山々に囲まれた石淵湖は静かなたたずまいを見せている。石淵湖右岸には於呂閉志(おろへし)胆沢川神社奥宮が鎮座する猿岩があり、山頂には岩手県天然記念物に指定されたユキツバキ群落地帯がある。またダムより上流の焼石岳にもユキツバキやヒメカユウの群落があり、下流にはミズバショウ群生地帯である馬留湿地がある。猿岩は石淵ダム建設に際し原石山として火薬による発破が繰り返されたが、その後の調査で猛禽類の行動圏に含まれていることから胆沢ダム施工に際しては原石山の予定を取りやめた。石淵湖に飛来する鳥類はオオタカ、クマタカ、サシバなどの猛禽類やイワツバメ、フクロウ、カワセミのほかコハクチョウを始めとした水鳥など多種多様の鳥が飛来することが2002年(平成14年)に国土交通省の『河川水辺の国勢調査』により明らかになっている。1968年7月22日には石淵ダム・石淵湖が焼石岳などと共に栗駒国定公園の指定を受けている。 またダム下流には縄文時代前期の成立と推定される環状集落・大清水上遺跡や約500年前に建設されたと考えられている旧穴山堰の水路・隧道といった歴史的に貴重な文化遺産があるほか、ダム直下流で胆沢川に合流する尿前川には胆沢川合流点付近に発達した柱状節理によって形成された尿前渓谷といった景勝地もある。しかし尿前渓谷については胆沢ダム完成に伴い石淵ダムと共に水没する運命にある。またかつてはダム直下流右岸に尿前温泉があり、ホテルも営業していたが胆沢ダム建設に伴い現在は建物が撤去されている。
※この「石淵湖」の解説は、「石淵ダム」の解説の一部です。
「石淵湖」を含む「石淵ダム」の記事については、「石淵ダム」の概要を参照ください。
- 石淵湖のページへのリンク