直噴式エンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 02:02 UTC 版)
「メルセデス・ベンツ・300SL」の記事における「直噴式エンジン」の解説
プロトタイプは300リムジン (W186) の3.0L直列6気筒SOHCエンジンを115 PSから171 PSにレースチューンし、左に50度傾けて設置した。市販モデルではソレックス製キャブレターに換装し、ボッシュ製の機械式燃料噴射装置を採用、最高出力は当初の2倍近い215 PS / 5,800 rpm(SAE表示では240 PS)、最大トルクは28.0 kgm / 4600 rpmを発生した。機械式燃料噴射装置およびガソリン直噴エンジンは市販車では初採用である。最高時速は260 km/hに達し、当時の市販車では最速を誇っていた。 燃料噴射装置の整備は、現在の電子式に比べて高度な技術が要求された。機械式は点火を止めても、エンジンが停止するまでガソリンを噴射し続けるため、残留したガソリンがシリンダー壁面のオイルを洗い流してしまうという問題点があった。加えて競技用の大型オイルクーラーを搭載していたため、残留ガソリンの蒸発効果が低下してオイルを洗い流すスピードが速まり、約1,600kmごとにオイル交換を要していたという。 クラッチペダルはとても重く、多くのドライバーが左脚のふくらはぎを痛めていたとされる。ロードスターモデルではペダルの踏力を軽減するため、ばねが組み込まれた。
※この「直噴式エンジン」の解説は、「メルセデス・ベンツ・300SL」の解説の一部です。
「直噴式エンジン」を含む「メルセデス・ベンツ・300SL」の記事については、「メルセデス・ベンツ・300SL」の概要を参照ください。
- 直噴式エンジンのページへのリンク