産状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 03:00 UTC 版)
ノジュール中に保存されたポリプチコセラスの産状について、破損の少ない個体が堆積面と平行に均質泥岩部に保存されているケースは2002年時点で確認されていない。破損の少ない個体が堆積面に対して斜めから垂直の向きで均質泥岩部に保存されている場合、破損の少ない個体が堆積面に対して平行に化石密集部に保存されている場合、断片が堆積面と平行または乱雑な向きで化石密集部に保存されている場合、の3つが多く見られている。特に堆積面に対して斜めのものが本属には特徴的であるが、この場合はターン部が密集部に接触・突入して損壊していることが多く、反対側のターン部は長さゆえにノジュールからはみ出して失われていることが多い。化石密集部で水平に堆積した個体には、ほどなくして次のターン部を形成する段階で死亡したものが多い。断片化した個体では隔室が方解石に置換されたものが多く見られている。 斜めに堆積したポリプチコセラスが多く見られる理由としては、死亡後に海水が内部に流れ込んだ遺骸が上層の堆積物よりも低密度であることから浮力を獲得し、摩擦力を上回って立ち上がったことが挙げられている。
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