物質透過
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 04:21 UTC 版)
毛細血管の壁は血液と組織の物質交換の場である。この壁がいろいろな物質透過させる性質ないし能力を透過性(permeability)という。一般に蛋白質のような高分子物質は、毛細血管壁を自由に透過できない。こうして血漿のコロイド浸透圧が生じ、それが毛細血管の内圧をなしている。しかし現実には、様々な高分子物質が毛細血管壁を通過する。高分子物質の通過は小分子物質の通過とは機構が異なると考えられている。パラーデの説の学説が広く支持されている。この説では内皮細胞の飲み込み小胞によって液滴を飲み込み、それを運んで反対側の表面にはき出すという機構によって高分子が毛細血管壁を通過しうるという考え方である。この考え方には反論があり、内皮細胞をつらぬく小管があり高分子がそこを通過するという考え方もある。 毛細血管後細静脈の部分は血液の液体成分やコロイド状の物質が最も透過しやすい場所として知られる。ここでは内皮細胞の密着結合に3〜6nmの隙間の生じていることが多い。ヒスタミンの作用でこの細静脈の内皮はいっそうひろく開き、多量の液性およびコロイド性の血液成分が組織内へ出て、局所の浮腫を起こす。
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