無期懲役
別名:無期懲役刑
英語:life imprisonment
懲役刑のうち、刑期が満了になる時期を決めずに無期限で懲役を科する刑罰。無期刑として科せられる懲役刑。
無期懲役の判決が確定した場合、拘禁施設へ収容された受刑者(被収容者)は、特別に仮釈放が認められることがない限り、残りの生涯を拘禁施設の中で過ごすことになる。
無期懲役には終わりがない、とはいえ、反省や更正の状況などにより仮釈放が認められる場合はある。必ずしも無期懲役が「一生涯にわたる懲役刑」になるとは限らない。
もっとも、無期懲役刑の服役者に仮釈放が認められる事例は稀とされる。たとえ仮釈放になって社会に戻ったとしても、依然として刑期中の身であることに変わりなく、保護観察の対象である。これは後の生涯にわたって解除されることがない。
日本では、無期懲役は基本的に死刑に次ぐ重い刑罰として運用されている。ただし、期間が決まっていないことから、無期懲役の判決が下された時点では刑の実質が絶対的に死刑に次ぐ過酷な刑となるかどうかは分からない。
なお、無期限で科される刑は「無期刑」と呼ばれるが、無期刑には無期懲役の他に「無期禁錮」が含まれる。ただし無期禁固は現在ほぼ全く適用されておらず、実質的に無期刑といえば無期懲役を指すようになっている。
無期刑のうち、仮釈放の可能性がなく無条件で一生涯の服役が科せられる刑を特に指す場合は、「終身刑」あるいは「重無期刑」の語が用いられることが多い。2014年現在、重無期刑の制定が(死刑制度廃止に伴う措置として)議員連盟により呼びかけられている。
ちなみに、中国には「執行猶予付き死刑判決」(死刑執行猶予)という制度があり、死刑執行までに設けられた2年の猶予期間に無期懲役(終身刑)へと減刑される場合がある。日本では死刑判決が確定した後に減刑されることはない。
関連サイト:
無期刑受刑者の仮釈放の運用状況等について - 法務省
むき‐ちょうえき【無期懲役】
無期懲役(むきちょうえき)
刑罰の中では、死刑に次いで2番目に重く、主に殺人罪や強盗致死罪において言い渡される。服役期間に定めはないが、10年以上服役すると仮出所が認められる場合もある。
無期懲役の場合、その服役期間が10年を過ぎ、服役中の態度から深く反省していると刑務所が認めれば、地方更生保護委員会の処分によって刑務所から出ることを許される。このとき、残りの人生はすべて、保護観察の対象となる。
法務省の統計によると、無期懲役の受刑者は、平均して20年間で刑務所から出ている。したがって、無期懲役は、一生服役する終身刑というわけではなく、あくまでも期限を定めずに言い渡される懲役刑となっている。
したがって、死刑と無期懲役の刑の重さに大きな開きがあり、死刑制度の議論にも影響を与えている。与党は、2000年に終身刑に関するプロジェクトチームを設置し、死刑と無期懲役の間に位置する終身刑の導入について議論を進めている。
検察庁の判断で仮釈放を制限する手続きは、行政裁量の範囲内であるにしても、司法制度を骨抜きにするおそれがある。国会での議論をもとに、先に立法化を進めておくべきではないだろうか。
(2002.01.10更新)
「無期懲役」の例文・使い方・用例・文例
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