流出時
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 15:41 UTC 版)
海面すれすれまでに水没して海上を漂うコンテナは、豆腐を浮かべたような水平に安定した状態になる事はあまり考えにくく、本体の材質や、内部の積荷の有無、積載状態、あるいは室内の空気の抜け方により、むしろ尖った氷山が水没したようであったりする。そして海上を漂うコンテナはその状況にもよるが、総じてレーダー等には映りにくい。また事前に漂流情報を受けて肉眼での意識した警戒見張りでも、夜間は無論、日中でもコンテナのカラーリングによっては、非常に発見しにくい場合も多々ある。たとえば肉眼時での一例として、コンテナ全体が白系統や光が反射しやすいアルミ表面露出の多い固体は昼夜を問わず比較的見つけやすいが、日中では海面と同化しやすい青系統や、真っ暗闇の夜間では黒系統はもちろん、闇と同化しやすい赤系統や茶色系統などが特に脅威になりやすい。 またコンテナは、その製造時の合格検査では上部四隅への垂直加重試験で、個体総重量の倍弱程度の加重に耐えられる強度が要求されている。さらに、近年の20,000個積載級のコンテナ船では、10段以上で積み上げる事も珍しくはなく、当然の事ながら最下位段のコンテナにはこれらを加味すると、最大数百トンもの荷重に耐えうるように強固な造りで四隅が尖っている。このために、もし衝突すれば例え大型船でも最悪時には沈没を招くおそれがあり、コンテナの海上漂流は航海上での大きな脅威となっている。 このようなコンテナの漂流事故を扱った作品の一つに、 オール・イズ・ロスト 〜最後の手紙〜がある。 コンテナの海上流出時の危険性 コンテナの漂流事例。 密閉度の高い冷凍コンテナは比較的水没しにくく長期間にわたって氷山のように漂流する。 海面に溶け込んで見えにくくなった事例。たとえ大型船でも衝突すれば沈没を招く恐れがある。 ウィキメディア・コモンズには、海上に流出したコンテナに関するカテゴリがあります。
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