植物分布
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/25 06:44 UTC 版)
玉置山を含む奈良県南部の山岳地帯は、内陸性山岳気候もしくは太平洋に影響を受けた海洋性山岳気候に属し、さらに台風の通過経路でもあることから、日本でも有数の多雨地帯であることが知られており、植物分布もこうした気候の影響を受けている。例えば、玉置神社の社地は、温暖多雨に加えて肥沃な土壌もあって、スギ・ヒノキの良好な生育を見ていることから、社地の周辺に顕著な杉の巨樹群が成立した(後述)。 表1 高度別植物分布高度帯標高植物種丘陵帯100-500m アカマツ、クヌギ、コナラ、イヌツゲ、ヤマツツジ、シュンラン、コシダ、ワラビなど。 低山帯500-1000m スギ、ヒノキ。800mからはブナ帯との推移帯となる。 山地帯1000-1600m ブナを主とする。林床にスズタケ、ミヤコザサ。 玉置山の山頂が1076.4メートルであることから、奈良県史編集委員会による高度別植物分布(表1)では山地帯に属している。 玉置山は植物分類地理学上、玉置山区に属し、その境界は東部と南部は北山川、三重県および和歌山県との県境であり、北部は十津川の支流滝川と北山川の支流池郷川である。 玉置山の植物相は、その多くがスギ・ヒノキの植林によって占められており、自然林を欠くが、玉木神社境内や岩壁、荒地といった場所にはこの地域の自然相を知ることができる植物が生育している。山麓の十津川岸の折立付近には、暖地性のアラカシ、ツクバネガシ、ツブラジイといった常緑広葉樹に混じってシラカシ、カナメモチ、ヤブツバキなどの自生が認められ、山腹には暖地性のつる植物やシダ植物が生育している。東側山麓は北山川支流の葛川に面し、イヌマキ、ウバメカシ、トキワガキ、モッコク、クロガネモチ、タイミンタチバナ、ユズリハ、ミヤマトベラなどの暖地性植物が生育している。玉置山の中腹800メートル付近からはブナ林帯に入り、ナナカマド、アセビ、ネジキ、タカノツメ、コバノミツバツツジなどが生育しているが、山頂付近のみはスギ、ヒノキ、モミ、ツガなどの針葉樹と、ブナ、ミズナラ、アカシデといった落葉広葉樹が混在する植生を示している。
※この「植物分布」の解説は、「玉置山」の解説の一部です。
「植物分布」を含む「玉置山」の記事については、「玉置山」の概要を参照ください。
「植物分布」の例文・使い方・用例・文例
- 植物分布のページへのリンク